アジャイルトランスフォーメーション(俊敏な変革)によって、貴社のサプライチェーンが戦略上の不可欠要素としてより強固に位置付けられるでしょう。
変化そしてディスラプションが、あらゆる方向からサプライチェーンに襲いかかっています。
- 第一に、新たな消費者性向の出現、注文スピードの短縮、そしてデリバリーの品質に対する消費者の期待値の高まりによって、流通チャネルに変動が起きています
- 第二に、企業の業務執行責任者がサプライチェーンに対してコストや運転資本面で財務的なプレッシャーをかけています
- 第三に、企業が市場競争において結果を出すために、サプライチェーン自体が戦略的な差別化因子になることを要求されています
- 第四に、サプライチェーンの構造が、製品やサービスを売るという直線的モデルから、クラウド上のデータにネットワークの誰もがアクセスでき、何かが起これば瞬時に対応できるようなネットワークモデルに移行しつつあることです
このようなニューノーマル(新常態)の中で、以前は効果があったことがうまくいかなくなってしまったのです。例えば、以前は長期ERP(企業資源配分計画)やAPS(生産計画スケジューラー)の実装プロジェクトによって組織のサプライチェーンの課題はほとんど解決できると思われていました。今では、プロセスの改善、組織改編、そしてテクノロジーの実装の間の強固な連携こそが、目的重視の俊敏で根本的な変革に最も重要であることをほとんどの企業が知っています。
変化を促しているものは何か
より多くを求める消費者の登場とともに、小売店の店頭に毎日トラックで大量の荷物を運び「高く積み上げる」古いサプライチェーンモデルは、宅配、店頭での注文と受け取り、荷物集配所での注文と受け取りなどの新しい小売りモデルにとって代わられました。さらに、全く新しいビジネスモデルやサプライチェーンの設計図を引っ提げてスタートアップ企業がマーケットに参入したのです。彼らは先進的な製品を迅速に最小の投資で作ることができます。
サプライチェーンのデジタル化もプレッシャーの一因です。サプライチェーン担当の幹部たちが目にするのは、ブロックチェーン、人工知能(AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)など、少し名前を挙げるだけでもいろいろある新しい用語ばかりです。ところで、こういった新しいテクノロジーの最適な活用方法は何でしょうか。そしてこの新しいテクノロジーと既存のERPやAPSといったシステムをどのように組み合わせるのがよいのでしょうか。
未来のサプライチェーンのあるべき姿
サプライチェーンは、「より多くを、より短い時間で、新しいデジタルテクノロジーで」というコンセプトを進んで受け入れなければなりません。私たちはこれを「アジャイルサプライチェーン」と呼んでいます。このようなモデルに基づくと、最新のテクノロジーによってプランニング、製造、ロジスティクス、調達、その他の活動を含むエンド・ツー・エンド・プロセスが実現します。ここには最先端を行くERPや、SAPが提供するアプリケーションなどの専門的ソフトウエア、ブロックチェーン、RPAそしてAIなどが含まれています。
有力なソフトウエア開発販売会社は、デジタル化という新しい現実を積極的に受け入れ、クライアントのために堅固なデータ基盤を提供し、財務データ、販売データおよび計画データの統合を進め、会社の仕事の流れについてより迅速により深い洞察が得られるよう動き始めたのです。当然のことながら、ソフトウエア会社はクラウドコンピューティングの低コスト面を生かして、顧客の自社データ活用に向けてより俊敏なアプローチを提供しています。