3 分 2019.03.27
ヘッドホンを付けてジョギングする男性

アジャイルトランスフォーメーション(俊敏な変革)による永続的なサプライチェーンの構築

執筆者

EY Global

複数の強みや専門性を兼ね備えるプロフェッショナル集団

3 分 2019.03.27

リソースを表示

アジャイルトランスフォーメーション(俊敏な変革)によって、貴社のサプライチェーンが戦略上の不可欠要素としてより強固に位置付けられるでしょう。

変化そしてディスラプションが、あらゆる方向からサプライチェーンに襲いかかっています。

  • 第一に、新たな消費者性向の出現、注文スピードの短縮、そしてデリバリーの品質に対する消費者の期待値の高まりによって、流通チャネルに変動が起きています 
  • 第二に、企業の業務執行責任者がサプライチェーンに対してコストや運転資本面で財務的なプレッシャーをかけています 
  • 第三に、企業が市場競争において結果を出すために、サプライチェーン自体が戦略的な差別化因子になることを要求されています 
  • 第四に、サプライチェーンの構造が、製品やサービスを売るという直線的モデルから、クラウド上のデータにネットワークの誰もがアクセスでき、何かが起これば瞬時に対応できるようなネットワークモデルに移行しつつあることです

このようなニューノーマル(新常態)の中で、以前は効果があったことがうまくいかなくなってしまったのです。例えば、以前は長期ERP(企業資源配分計画)やAPS(生産計画スケジューラー)の実装プロジェクトによって組織のサプライチェーンの課題はほとんど解決できると思われていました。今では、プロセスの改善、組織改編、そしてテクノロジーの実装の間の強固な連携こそが、目的重視の俊敏で根本的な変革に最も重要であることをほとんどの企業が知っています。

変化を促しているものは何か

より多くを求める消費者の登場とともに、小売店の店頭に毎日トラックで大量の荷物を運び「高く積み上げる」古いサプライチェーンモデルは、宅配、店頭での注文と受け取り、荷物集配所での注文と受け取りなどの新しい小売りモデルにとって代わられました。さらに、全く新しいビジネスモデルやサプライチェーンの設計図を引っ提げてスタートアップ企業がマーケットに参入したのです。彼らは先進的な製品を迅速に最小の投資で作ることができます。

サプライチェーンのデジタル化もプレッシャーの一因です。サプライチェーン担当の幹部たちが目にするのは、ブロックチェーン、人工知能(AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)など、少し名前を挙げるだけでもいろいろある新しい用語ばかりです。ところで、こういった新しいテクノロジーの最適な活用方法は何でしょうか。そしてこの新しいテクノロジーと既存のERPやAPSといったシステムをどのように組み合わせるのがよいのでしょうか。

未来のサプライチェーンのあるべき姿

サプライチェーンは、「より多くを、より短い時間で、新しいデジタルテクノロジーで」というコンセプトを進んで受け入れなければなりません。私たちはこれを「アジャイルサプライチェーン」と呼んでいます。このようなモデルに基づくと、最新のテクノロジーによってプランニング、製造、ロジスティクス、調達、その他の活動を含むエンド・ツー・エンド・プロセスが実現します。ここには最先端を行くERPや、SAPが提供するアプリケーションなどの専門的ソフトウエア、ブロックチェーン、RPAそしてAIなどが含まれています。

有力なソフトウエア開発販売会社は、デジタル化という新しい現実を積極的に受け入れ、クライアントのために堅固なデータ基盤を提供し、財務データ、販売データおよび計画データの統合を進め、会社の仕事の流れについてより迅速により深い洞察が得られるよう動き始めたのです。当然のことながら、ソフトウエア会社はクラウドコンピューティングの低コスト面を生かして、顧客の自社データ活用に向けてより俊敏なアプローチを提供しています。

サプライチェーンは、「より多くを、より短い時間で、新しいデジタルテクノロジーで」というコンセプトを進んで受け入れなければなりません。私たちはこれを「アジャイルサプライチェーン」と呼んでいます。
Tanguy Caillet
EY Global Supply Chain Planning Capability Leader

アジャイルサプライチェーン改革における最重要領域はプロセス・リエンジニアリングです。これには多くの企業が長い間苦労してきました。しかし、自社に定着してしまったやり方が必ずしもベストな方法ではないことに多くの会社が気づき始めました。そこから、彼らは新しいサプライチェーンの形に切り替え始めました。変革プロセスの中に、アジャイルな手順、チェンジマネジメント、社員が新しい働き方に適応しやすいようにするための特定の手法などを組み込むのです。

もう一つのサプライチェーンの古いやり方として、まずユーザーの要望を聞き、その後でソフトウエアソリューションを会社の特定のニーズに合わせるというものがあります。これは費用も時間もかかるやり方です。それに代わって現在では多くの会社がグリーンフィールドアプローチという方法を用いています。最新かつ最先端のソフトウエアに組み込まれている先進的実践プロセスを活用するものです。このように最先端技術を用いた新しいシステムにクリーンデータを追加することによって、過去データを消去しゼロからスタートすることになり、より迅速な実装が可能になりました。

サプライチェーンにグリーンフィールドアプローチを適用することによって、従業員の職務環境や職務内容を見直す機会も出てきます。それによって反復作業が減れば従業員たちの仕事はもっと楽しくなるでしょう。このことは重要です。なぜなら、ミレニアル世代やZ世代の仕事観は先行世代とは違いデジタル化された職場を志向しているからです。手作業や反復作業がなくなれば、従業員はルーティン以外の仕事や、より良い意思決定や、顧客を満足させることに集中できるようになるでしょう。

サプライチェーンのアジャイルトランスフォーメーションの準備はできていますか

サプライチェーンのアジャイルトランスフォーメーションの最大の利点は、機能横断型の協働的な業務態勢がつくれることです。この変革によって、部署間の壁が壊され、プロジェクトを俊敏に進める意志を持って高品質な仕事をより迅速に仕上げられるようになるのです。

貴社において今すぐにサプライチェーンのアジャイルトランスフォーメーションが必要かどうかを見定めるために、サプライチェーン担当幹部は以下の二つの質問にお答えください。

  • あなたが率いるサプライチェーン担当チームは、新しい情報を要求されたり会社が今までとは違う方向性を示したりしたときに、素早く対応しかつ利益も確保できますか
  • 会社には意思決定をサポートする適切なデータがありますか

答えが明確なイエスでない限り、貴社のサプライチェーンにはアジャイルトランスフォーメーションが必要である可能性が非常に高いといえます。変革に乗り出すことによって、貴社のサプライチェーンが戦略上の不可欠要素としてより強固に位置付けられるでしょう。そしてより機敏になり対応力も強化されることで、貴社の顧客サービス向上に貢献するでしょう。

サマリー

目まぐるしい変化とディスラプションに常時直面しているサプライチェーン担当幹部は、「古いやり方を続けていてよいのだろうか。それともパラダイムシフトを積極的に受け入れて、デジタル化した未来にふさわしいやり方にしなければならないのだろうか。」と自問する必要があります。

この記事について

執筆者

EY Global

複数の強みや専門性を兼ね備えるプロフェッショナル集団