2021年2月15日
DX戦略を成功に導く真のデータガバナンスと5つのキーワード

DX戦略を成功に導く真のデータガバナンスと5つのキーワード

執筆者 EY 新日本有限責任監査法人

複合的サービスを提供するプロフェッショナル・サービス・ファーム

Ernst & Young ShinNihon LLC.

2021年2月15日

デジタルトランスフォーメーション(DX)の成功の鍵は、その基盤となるデータやテクノロジーの「確からしさ」にあります。データの確からしさを担う組織としての枠組みである「データガバナンス」がDX推進の基盤であり、成功の要です。いま、データの確からしさを担保するための最新テクノロジーへの期待が高まっています。

要点

  • DXの成功の鍵は、その基盤となるデータやテクノロジーの「確からしさ」にある。
  • 先進的な企業は、データの確からしさに関する責任の一元的な付与、組織構造的なアテステーションやデータスチュワードなどの仕組みを構築し、有効なデータガバナンスを整備している。
  • 「Trusted」「Transparency」「Traceability」「Accountability」「Standardization」を実現しデータの確からしさを担保するための最新テクノロジーへの期待が⾼まっている。

デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)の⼤きな潮流のもと、新たな世界が形成されようとしています。膨⼤で多様なデータを有効に活⽤することで、従来にない、組織の枠を超えたイノベーションが可能になるからです。

DXの成功の鍵は、その基盤となるデータやテクノロジーの「確からしさ」にあります。そして、データの確からしさを組織として支える枠組みである「データガバナンス」が重要になります。

EY JapanのRegTech(レグテック)リーダー ⼩川恵⼦パートナーは、2021年1⽉26⽇、Bloomberg主催ウェビナーに、「DX戦略を成功に導く真のデータガバナンスとは」とのタイトルで登壇しました。そこで語られたDX戦略の実現のための⾼度なデータガバナンスの重要性とは、そしてDX推進のためにデータガバナンスに求められる進化とはどのようなものでしょうか。

データガバナンスという潮流

2020年10⽉、G-SIFIのひとつが⽶国通貨監督庁からデータガバナンスに関する指摘を受け、制裁⾦が4億⽶ドルに上る処分を受けました。処分を受けた⾦融機関は、課題を認識しており、対応していなかったわけではありませんでした。しかしそれにもかかわらず、責任の所在の明確化や効果的なリスク管理、内部統制の整備への対応を怠っていると指摘されました。

度重なる⼤⼿企業による不正などを契機に、約半世紀にわたり、データガバナンスの整備を求める制度や規制が整備されてきました。近年では、規制の考え⽅がルールベースからプリンシプルベースへと移⾏しています。トップによる宣誓責任が重要さを増すなか、従来のチェックリスト的思考による規制対応では不⼗分になってきています。

グローバルでの競争が激化する厳しい経営環境で⽣き残っていくために、DX戦略がどの企業にとっても不可⽋になっています。DXを進める中で各企業はいま、その基盤となる⾼品質なデータ整備の必要性に気付き始めています。しかし、⼈材の流動性の低さやデータの重要性に対する認識、データガバナンスの成熟度といった点で、⽇本企業は世界に劣後していると⾔わざるを得ません。

DX推進のために求められる進化

データガバナンスへの取組みが進んでいる海外の先進的な企業では、データの確からしさに関する責任の⼀元的な付与、組織構造的なアテステーション、データスチュワード、⾃動統制といった仕組みを構築し、有効なデータガバナンスが整備されています。

データガバナンスフレームワーク

データガバナンスを整備するにあたって、データガバナンスフレームワークを考えることが重要です。

まず、組織として誰が最終責任を負うのかを明確にしたレポーティングに関するルールを組織横断的かつ網羅的に定めて、データオーナーシップ、データ辞書やメタデータ定義を整理します。そして、データ品質を担保するために、クリティカルデータエレメント(CDE)を定義し、その対象となるソースシステムからのデータフローなどといったデータプロファイルを可視化するとともに、変更管理などデータの品質を担保するための継続的なモニタリング体制を整備します。

また、こうしたデータガバナンスフレームワークを構成する各要素が、データガバナンスルールとして明確に定められていることが重要になります。

データフローの可視化と統制活動のインテグレーション

複雑なレガシーシステムや、⻑年⾏われてきたエクセルを使⽤した膨⼤なマニュアル作業など、ブラックボックス化している業務とデータフローをいかに可視化できるかが、有効なデータガバナンス体制を整備するための鍵となります。

財務諸表などの制度報告の基礎データとして、リスクデータなど非財務データが広く利⽤されることとなり、より広範囲での統制の⾼度化が求められている先進的な銀⾏では、さまざまな⽬的で整備された統制活動の統合(インテグレーション)が進められています。

テクノロジーへの期待

データガバナンスがDX推進の基盤となり成功の要になります。信頼あるデータをいかに構築するか、そこでのキーワードは、「Trusted」「Transparency」「Traceability」「Accountability」「Standardization」です。これらを実現しデータの確からしさを担保するための最新テクノロジーへの期待が⾼まっています。

本件に関するお問い合わせ

EY新日本有限責任監査法人

小川 恵子 パートナー
Tel:+81 3 3503 1088
E-mail

田代 理 マネージャー
Tel:+81 80 5936 1808
E-mail

サマリー

DXの成功の鍵は、その基盤となるデータやテクノロジーの「確からしさ」にあります。「Trusted」「Transparency」「Traceability」「Accountability」「Standardization」です。データの確からしさを担保する取組みを支援し、これらの実現を後押しする最新テクノロジーへの期待が⾼まっています。

この記事について

執筆者 EY 新日本有限責任監査法人

複合的サービスを提供するプロフェッショナル・サービス・ファーム

Ernst & Young ShinNihon LLC.