!{3Dot-Sentence1} !{3Dot-Sentence2} !{3Dot-Sentence3}

なぜ、AIアプリケーションを使用すると監査人は不正行為を検出しやすくなるのか

チームリーダーの市原直通とそのチームメンバーが、監査を巡る環境を革新的に変えるAIプログラムをどう開発したか見ていきましょう。

青いカットグラスのコップを検査する職人
(Chapter breaker)
1

The better the question

監査人のように考える方法をどうやってアルゴリズム化するか

干し草の中で針を探す

異常検知とは、監査人が総勘定元帳(GL)とも呼ばれる仕訳記帳の中からサンプルを選択し、正確性が徹底されているかどうかを試験することで、会計上の不正行為を検出することを意味します。1億件の記帳データベースの中で、問題となる案件数はおそらく10件でしょう。これは、実務経験を重ねた監査人が、監査リスクが発生する可能性のある場所を感知することによって、干し草の中で針を探す行為を意味します。監査人は自身の業務、会計ポリシー、ガバナンスに基づき、またクライアントに関する知識に基づいて、こうしたことを行っています。

(Chapter breaker)
2

The better the answer

干し草の中で針を探す

革新的なツールがあれば、監査人は異常のある記帳内容を検出しやすくなります。

EY新日本有限責任監査法人 東京事務所のアシュアランス・パートナーである市原直通は、常にプログラミングに情熱を傾けていました。彼は監査に関するモデルとシステムを開発し、会計データにマシンラーニングをどのように適用できるかということに関心を寄せてきました。既存の学術論文やアルゴリズムを調査した後、市原はマシンラーニングを通じて、膨大なデータベース内で異常のある記帳を検出するためのより良い方法があることに気付き、AIソリューションのコード化を行いました。監査業界においては類を見ない、初の業績です。彼自身、自分が発明者となるとは想定していなかったにもかかわらず、この技術には特許が与えられ、市原は監査人、開発者の混成チームを結成し、開発したソリューションの検出方法の試験や改善を行いました。この革新的なツールはEY Helix GL Anomaly Detector(Helix GLAD)と名付けられました。

監査人のサポートがなければ、このツールの価値は限られたものとなってしまいます。フラグを立てた記帳案件を評価し対策を推奨するという点で、ツールは監査人に依存しているからです。EY Helix GL Anomaly Detectorチームは、このツールがたとえ仕事をやりやすくしたとしても、実証されていなければ監査人はなかなか納得しないだろうということを分かっていました。そこでチームは、監査人がすでに不正行為があると事前決定した記帳案件のデータセットについてのソリューションを試験することにしました。アシュアランスチームによってアルゴリズムが不正な記帳案件を正しく検出することが確認されると、監査人たちは本ツールを使用して、監査がより正確に行える可能性があるということを信じるようになりました。

しかし監査人は、異常の影響を評価する上で重要なアルゴリズムが、なぜ特定の異常を感知できるのかという理由については、知る由もありませんでした。チームはまるでX線を使用した検出方法のように、データ解析を利用してフラグを立てた記帳案件や検出理由をビジュアルマッピングするソリューションを開発しました。

(Chapter breaker)
3

The better the world works

監査業界の変革

EY Helix GLADのテクノロジーはチーム、さらにはより広い監査業界にとって有益です。

会計年度2018年度には、このソリューションがおよそ20の組織で試験されており、2019年度には、その数は100に拡大すると見られています。より多くの組織が利用することで、その検出手法が監査人の意思決定に向けた対応によってより周知され、正確なものとなるでしょう。

チームはまた、継続的に改善も行っています。パイオニアスピリットに後押しされ、チームは日々、ツールの開発を行い、新たな機能を試験することに喜びを感じています。チームメンバーはEY Professional Practice Groupと緊密に連携して、会計上の不正行為や監査メソドロジーにおける最新の知見、知識、実証済みの経験を盛り込んで、Helix GLADの効果をさらに向上させる取り組みを行っています。チームはまた、EYのアシュアランスサービスライン全体にわたって、より高い品質の監査を構築するため、ツールの利用をグローバルに拡大すべく活動を続けています。

飽くなき創意工夫を重ね、市原と彼のチームは、EYのみならず、変革の可能性に満ちた、より広い監査業界へと新たなテクノロジーを導入したのです。