2020年8月4日
2020 Global Corporate Divestment Study Asia-Pacific / Japan key findings

2020 Global Corporate Divestment Study Asia-Pacific / Japan key findings

執筆者 大胡 晋一

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ストラテジー・アンド・トランザクション トランザクション ストラテジー アンド エグゼキューション パートナー

ストラテジー・アンド・トランザクション トランザクション ストラテジー アンド エグゼキューション リーダー クロスボーダーPMI業務経験あり。誠実。

2020年8月4日

成長に向け体制を立て直すAsia-Pacificエリアの企業の事業再編・売却に対する意欲は、コロナ危機の逆風にも関わらず依然として旺盛

「企業のダイベストメントに関する意識調査」はEYグローバルが毎年発表しているもので、2020年度Asia-Pacific版調査(以下、「本調査」)では、Asia-Pacificエリアの企業の400名以上の経営幹部を対象に、コロナ危機発生の直前および危機発生後の2回調査を行いました。コロナ危機発生後の調査に参加したAsia-Pacific企業の75%が、今後2年の間に事業再編・売却を計画していると回答しており、さらに今後一年間で事業再編・売却を検討しているAsia-Pacific企業の割合は高く、59%の企業がこうした意欲を表明しています。

今後2年の間に事業再編・売却を計画していると回答したAsia-Pacific企業の割合

75%

また、今後12カ月間で計画している割合は59%。

本調査によると、4月の時点でAsia-Pacificの企業の半数超(54%)が、コロナ危機が事業に与える潜在的影響に対応するために、今後資金調達を行う必要があると回答しています。また、現在、テクノロジー投資を行うために、事業再編・売却を行う意欲がこれまで以上に高まっていると回答したAsia-Pacific企業の割合は56%で、コロナ危機以前にそう回答した企業の割合31%から増加しています。

コロナ危機によって、グローバルなサプライチェーンに潜んでいる脆弱性に対する意識は、再び高まりました。本調査によると、グローバル全体の企業の36%が、事業再編・売却を行うにあたって、自社のサプライチェーンにこれまで以上に力点を置く予定であると回答しています。これは、危機前にそう回答した企業の割合(27%)を上回っています。

多くの企業は、コロナ危機後の社会へと備えるために、資産ポートフォリオを再編する必要があります。本調査で4月にヒアリングを行ったAsia-Pacific企業の半数以上(54%)が、今後自社の資産ポートフォリオの再編を行うと回答しています。近い将来の展望を描くことが困難になっている状況の中でも、企業はコロナ危機から導かれたマクロ経済のシナリオに基づいて、自社のポートフォリオ再編を開始しています。

日本企業においても、postコロナの事業環境は、ノンコアや追加投資が難しい低収益事業の事業再編を確実に加速させることになるでしょう。このことはコロナ禍以前から起こっていた地政学的な環境変化とともに、ビジネスモデルの再構築、テクノロジーへの投資に待ったなしで向き合うことになるでしょう。

次の段階、そしてその先に備えてAsia-Pacificの企業は、自社の事業再編・売却の中期戦略(戦略を修正する必要があると企業は述べていますが)を遂行する一環として、資産の売却に向けた準備を改めて積極的に進めていることが、本調査によってわかりました。Asia-Pacific企業の半数以上(53%)日本企業に至っては6割以上(67%)が、コロナ危機が経済にもたらす影響によって、売り手が期待する価格と、買い手が提供する価格のギャップが大きくなることが予想されると回答しています。さらに、コロナ危機によって、どの資産を売却すべきかより不透明になる可能性があると回答したAsia-Pacific企業の割合は、コロナ危機以前の28%から、52%に大きく上昇しました。また、本調査に参加したAsia-Pacific企業の46%が、事業再編・売却に向けた準備がこれまで以上に進んでいると回答しています。

図1 Now : 4つの新しい消費者セグメントの割合

Key considerations

  • より積極的なポートフォリオの再編は、Asia-Pacificの企業が資本を核となる事業に再び注力するきっかけになるでしょう。
  • Asia-Pacific企業の売り手の71%が、今後6~12ヵ月で価格の10%以下の値下げしか受け入れないと回答しています。不況下で価値を維持するには、より手厚い売却準備が必要です。
  • 事業再編・売却は、急速に変化する顧客のニーズに対応するためのテクノロジー投資を可能にします。

※結果は今回の調査で回答のあった企業のうち、Asia-Pacificに本社を置くグローバルで展開している企業の経営層における回答の割合です。

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EYの『企業のダイベストメントに関する意識調査』について

EYの『企業のダイベストメントに関する意識調査』(原題:“Global Corporate Divestment Study”)は、世界中の大企業の経営幹部(C-suite)を対象として、Euromoney Institutional Investorのグループ会社であるThought Leadership Consulting社が年に一度実施している調査です。2020年度の調査には、世界でも有数のアクティビスト投資家25名を対象に行った別の調査に対して、投資家たちが企業の事業再編・売却に関する考えを述べた回答結果も含まれています。

調査の重点分野:

  • コロナ危機が事業再編・売却のタイミングと戦略に与える影響
  • 今後一年間に事業再編・売却を加速させる要因
  • 財務と事業運営の回復力(レジリエンス)を強化するために企業が講じている手段
  • グローバルなアクティビスト投資家の視点

調査参加者のプロフィール

本調査は、コロナ危機発生前(2019年11月から2020年1月にかけて)に実施された、グローバル企業の経営幹部1010名と世界的なアクティビスト投資家25名を対象としたオンライン調査の結果、およびコロナ危機発生後(2020年4月から5月にかけて)に実施された、企業の経営幹部300名と世界的アクティビスト投資家25名を対象としたオンライン調査の結果に基づいています。回答者の75%が、CEOやCFOレベルの経営幹部(C-suite)となっています。

サマリー

「企業のダイベストメントに関する意識調査」はEYグローバルが毎年発表しているもので、2020年度Asia-Pacific版調査(以下、「本調査」)では、Asia-Pacificエリアの企業の400名以上の経営幹部を対象に、コロナ危機発生の直前および危機発生後の2回調査を行いました。

この記事について

執筆者 大胡 晋一

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ストラテジー・アンド・トランザクション トランザクション ストラテジー アンド エグゼキューション パートナー

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