地域に根差す企業がEYと協業することの意味
(EY)地方創生・活性化を目指されている企業の方にアドバイスをお願いします。
(池田氏)私たちはAIを使った開発やウルトラCの技を繰り出している訳ではありません。単に目の前の課題に愚直に向き合って、正しいと思う解決策に向かって真っすぐに向かっています。視察に来る他の企業の方々とお話ししていると、課題に対して遠回りしてしまっているように感じる内容のお話をよく聞きます。
(EY)大多数の方々は最短距離を目指すことの難しさを感じていると思いますが、その要因はどのような点にあるとお考えですか。
(池田氏)ステークホルダーが多すぎて、忖度(そんたく)してしまうのだと思います。正しいと思うことを実現することが目的ではなく、どう合意してもらうかに意識がいき、本来すべきことを見失ってしまうというケースが多いのではないかと思います。EYのような頭を使うだけではなく一緒に汗をかいてくれる足の速い企業と手を組んで取り組むことで、エクスポネンシャルな成長の可能性を感じることができます。
(EY) 将来の白浜町や白浜空港をどのように描いていますか。
(池田氏)南紀白浜エアポートとしてのゴールは、「空港型地方創生」を大前提とした、紀南全体として地域の人々の所得が上がることと、エンゲージメントと呼ばれるような、働く人たちの夢や誇りにプラスがあるような会社にしていきたいと思っています。
地域の人々の所得を上げるために空港ができることは、主に、受け入れ態勢における課題を解消し、磨き上げることを空港が主導・ファシリテートすることだと思っています。そのような取り組みを進めたいと思っています。
(EY)地域活性にかける思いを教えてください。
(池田氏)空港は単なる移動における通過点ではなく、地域の唯一無二のランドマークであると思っています。かつ東京に60分でいけるという唯一のゲートウエイでもある。エネルギー、人の地域への流入・流出の出入り口が常に空港になるので、空港であるからこそ地域に力を注いでいく、地域の人たち、特に若い人や子供たちに夢や希望を与えることを先導していくことは当然の責務だと思っています。