オランダがBEPS行動13に沿った追加的移転価格文書化義務を定める法案を可決

オランダがBEPS行動13に沿った追加的移転価格文書化義務を定める法案を可決

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Japan tax alert 2016年5月20日号

エグゼクティブサマリー

2015年12月22日、オランダ議会は「その他財政措置法案」を正式に承認しました。この法案には、経済協力開発機構(OECD)の税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクト行動13の三層アプローチに沿った追加的移転価格文書化要件が含まれています。さらに、国別(CbC)報告書、マスターファイル及びローカルファイルの様式と内容について詳細に定めた省令が2015年12月30日の官報(省令)で公表されました。追加的移転価格文書化要件は適格多国籍企業に対し2016年1月1日以降に始まる会計年度から適用されます。

詳細事項

OECD文書化基準の実施

オランダ法人税法1969(CITA 1969)の29b条から29h条に成文化された追加的移転価格(TP)文書化要件により、オランダは国別報告書、マスターファイル及びローカルファイルからなるOECDの3層アプローチを導入します。

この結果、適格多国籍企業は2016年1月1日以降から始まる事業年度について追加的移転価格文書化要件を満たさなくてはなりません。

マスターファイル及びローカルファイルを作成する義務は、税務申告の年の前事業年度の連結売上高が5千万ユーロ3以上の多国籍企業(MNE)グループのオランダ居住法人に適用されます。納税者はこれらの文書を法人税申告書提出期限までに作成し、保管しておく必要があります。小規模の企業グループに対しては、CITA 1969の8b(3)に定められた既存の移転価格文書化要件が適用され、中小企業に対する事務的負担が軽減されています。

国別報告書を作成する義務は、税務上のオランダ居住法人で、国別報告書が適用される事業年度の前事業年度に7億5千万ユーロ以上6の連結売上高を有する多国籍企業グループ傘下の企業に適用されます。デフォルトで適用される規則は、連結売上高が7億5千万ユーロ以上のグループの究極的な親会社がオランダ居住者である場合、親会社は国別報告書を事業年度の最終日から12か月以内に税務調査官に提出することを義務付けています(29c条パラグラフ1)。オランダ居住法人が適格多国籍企業の究極的な親会社でない場合は、次の場合にオランダで国別報告書を提出する必要があります。

  • 究極的な親会社が税務上の居住者である国で国別報告書提出の義務がない場合
  • 究極的な親会社が税務上の居住者である国が、国別報告書について遅くとも事業年度の最終日から12か月経った時点でオランダと自動情報交換協定を締結していない場合
    又は
  • 調査官がグループ企業に究極的な親会社が税務上の居住者である国で頻繁に遵守が怠られている場合があると通告した場合

一定の条件が満たされる場合で、「代理親会社7」が国別報告書をその税務上の居住者である国の税務当局に提出すれば多国籍企業グループの事業年度の最終日から12カ月以内に税務調査官に国別報告書を提出する義務はありません。

追加的移転価格文書提出の義務は2015年9月15日オランダ財務長官から提出された草案に沿ったものとなっています。したがって、国別報告書要件に対する義務を怠った場合には該当する罰則が適用されることになります。

※本アラートの全文は、PDFでご覧いただけます。

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