The better the question. The better the answer. The better the world works.

助けを必要としている子どもたちが抱える問題を理解する

私たちは、より細やかな児童保護の新しい在り方の創造を支援しました。

関連トピック Global Review
(Chapter breaker)
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第1部

データを使って子どもたちを守るには

幸せな人生を送るための最善のチャンスを提供することは、複雑で費用の掛かる仕事です。

全世界で毎年2億7,500万人の子どもたちが家庭内暴力の被害に遭い、そして270万人が養護施設で生活していると推定されます*。社会的、精神的、そして教育的にも複雑なニーズを抱える児童が養護施設に入所すると、その制度から抜け出すことはますます難しくなります。限界に来ている児童福祉制度の焦点はあくまで短期的なニーズであり、プロセスに関与する全てのステークホルダーを連携させることによって効率を最大化しようと奮闘しています。オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州では事態は急を要しています。毎年約7億5,000万米ドルが家庭外ケアに支出されているのです。

全世界で毎年

2億7,500万人

の子どもたちが家庭内暴力の被害に遭っています。

NSW州は、子どもたちを養護施設で保護することに重点を置くやり方から、長期的な成果に重点を置くやり方に移行したいと考えました。つまり、子どもたちのニーズを理解し、ベストなサービスを組み合わせて提供するということです。そのためには、子どもたち一人一人が置かれている状況を包括的に把握し、結果としてその子にとってのより良い生活を実現する必要があります。 

私たちはこの目標に向けて、NSW州の家庭・コミュニティーサービス省と協力し、被害に遭う恐れのある子どもたちに関して、単一の視点を形成する、事前対応型のシステムの設計に当たってきました。

EYに支援を要請したのは、「彼らがこの職務について素晴らしい考えを持っているだけでなく、関係する全てのステークホルダーから信頼されるパートナーだったからです」と、NSW州家庭・コミュニティーサービス省のMaree Walk元副長官は話します。

私たちが解決しようとしていた性質の問題を、彼らは本当の意味で理解していました。
Maree Walk
NSW州家庭・コミュニティーサービス省元副長官
(Chapter breaker)
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第2部

状況に連動したケア

必要不可欠なケアの提供の、背景の全容を明らかにするツールを作る

「児童保護情報ポータル(Child Protection Intelligence Portal)」は、警察、教育機関、医療機関のデータを含むパートナーからの関連データをリンクさせ、「児童中心」のサービスシステムを支えることを目的として設計されました。相談窓口のスタッフ、養護施設スタッフ、ケースワーカーなど、危険にさらされている子どもたちの保護に当たる人たちは、関係する全ての必要情報を集め、児童にとっての幸せの観点から可能な限り最善の決定を下すことができます。

例えば、特定の住所に居住する子どもが危険にさらされていると考えた人から相談窓口のスタッフが通報を受けた場合、その住所に関連する位置データ、社会経済データ、犯罪データ、医療データを見ることによって、そこに住む子どものリスクレベルを評価し、適切な措置を取ることが可能です。 これまでよりはるかに幅広いデータによって、より多くの情報に基づくリスク評価と介入の判断を下すことができます。

この情報は、モバイル端末を含むさまざまなデバイスでも見ることができます。これにより、ケースワーカーはオフィスで作業する時間が短縮され、子どもたちや家庭に接する時間を増やせるようになります。

ポータルを開発するに当たり、私たちは業界での経験、戦略的テクノロジーアライアンス、オフショアチーム、優れたデータアナリティクス機能を総動員しました。
Mark Nixon
NSW州家庭・コミュニティーサービス省 クライアント・サービス・パートナー
(Chapter breaker)
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第3部

意思決定者による優れた判断が可能に

高度に整合化されたデータの利用により、政府はより効果的に、そして効率的に社会に貢献できる

より多くの児童が、より適切に調整された養育サービスを受けられるようになるという直接的なメリットに加え、政府にとっての長期的なメリットも存在します。

「EYとの実績は、私たちが10年以内に2億2,000万~3億7,000万ドルの経費を節減できることを示しており、この資金をシステムに再投資できます」

このプロジェクトで私たちが得た経験は、データを利用して他の社会問題に取り組む際に幅広く役立ちます。この経験は、EYの「市民情報プラットフォーム(Citizen Intelligence Platform)」の開発にも活用されました。このプラットフォームは、スマートデータとアナリティクスを活用し、多数の省庁や機関からの情報を集めてまとめたもので、高性能なインデックス機能と検索機能を備えています。

このインテリジェントなプラットフォームは、政府が社会で最も立場の弱い人々の生活を向上させるにあたり、アセットの再配分とサービスの再設計に役立てられています。

サマリー

EYはNSW州の家庭・コミュニティーサービス省と協力し、児童のニーズに焦点を当てた画期的な「児童主体のサービスシステム(Child Centric Services System)」を開発しました。 「児童保護情報ポータル(Child Protection Intelligence Portal)」は、特に慎重を期すべき性質を持つ複数のデータソースをリンクさせ、児童を単一の視点で捉えるこのサービスシステムを支えるために設計されたものです。複雑でリンクされていなかったプロセスをデジタル化することによって、より多くの情報に基づく的確な判断が可能になります。また、より対象を絞ったケアを、より低コストで児童に提供することができます。これにより、児童が必要とするケアに焦点を絞ることができるため、結果としての長期的な生活の改善が、より低コストで達成されます。