14 分 2020年9月10日
空を背景に近代的な建物を見上げるショット

社会に長期的価値をもたらす

執筆者 EY Global

Ernst & Young Global Ltd.

14 分 2020年9月10日

関連資料を表示

EYは、日々の業務を通して、また社会が直面する最も困難な問題を解決する取り組みを支援し、長期的価値を生み出しています。

 

私たちの日々の業務が、やがては社会に長期的価値を生み出すと、EYは確信しています。

例えば、EYのアシュアランスサービスは、質の高い監査を提供することで、資本市場に対する信頼の醸成を支えています。また、EYのサービス全てが、チームで行う業務を通じて直接的に、あるいは他者が成果を出すために自らサポートするという形で間接的に、信頼を構築することにつながります。

そのため、私たちは4つのサービスライン全体にわたって各分野の最も優秀な人材の採用、研修、維持に多額の投資を行っています。

EYのメンバーはまた、プロフェッショナル・サービスを提供するネットワークの一員として、会計基準策定機関との協力や取締役会への参加などを通じて、ビジネスやコミュニティで重要な役割を果たし、公共の利益に積極的に貢献しています。

これらの業務に加えて、何百万もの人々の生活が深刻な影響を受け、仕事や教育が中断を余儀なくされている今こそ、ビジネスには世界で最も困難な問題の解決(英語版のみ)に向けて果たすべき役割があると私たちは考えています。

農場の中に立つ風車

第1章: 公共の利益に貢献する

品質の重視

監査人としてのEYの役割は、公共の利益に貢献すること、および質の高い監査の提供を通じて資本市場への信頼を構築することです。Sustainable Audit Quality(以下「SAQ」)プログラムは、質の高い監査を全世界で一貫して実行していくという私たちのコミットメントです。

これは、監査品質を常に最優先課題として取り組むというEYの決意を表しています。私たちの意思決定における唯一かつ最も重要な要素であり、プロフェッショナルとしての評価を支える重要な指標でもあります。

EYは、分野横断的なプロフェッショナル・サービスの提供という自らのビジネスモデルを重視しています。これにより、EYの他のサービスラインに従事するメンバーが持つスキルと知識が、広範囲かつ奥行きのある技術的スキルと業界経験を提供してくれます。このスキルと経験は、質の高い複雑な監査を実現するために必要となるものです。またEYは、こうしたビジネスモデルを通じて十分な規模とリソースを手に入れることで、情報の収集・分析方法を再構築する最先端のテクノロジーへの投資が可能となります。

世界で最も信頼される、特別なプロフェッショナル・サービスを提供する組織として長期的価値を創出すること。これは、EYがNextWaveで掲げた目標において不可欠な要素です。従って、私たちの目標は、最も信頼される監査人になることです。

その達成度合いについては、監査監督機関国際フォーラム(以下「IFIAR」)の規制当局による外部検査指摘率に基づき測定します。当局メンバーには、グローバル監査品質(GAQ)のワーキンググループ(現在は、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、オランダ、シンガポール、スイス、米国、英国の10カ国の規制当局で構成)が含まれます。

外部検査指摘率は、各規制当局が定義する不備率に基づくもので、規制当局ごとに検査サイクルが異なるため、社会的影響度の高い事業体(以下「PIE」)に対する直近に完了した検査を基準としています。監査業務の多くは依然として人の労力に依存しており、本質的に過誤のリスクが伴うことを私たちは認識しています。しかし、私たちが目指しているのは、EYの監査において重大な不備が存在しないことです。

外部検査

2015年、IFIARはグローバルな監査法人ネットワークに対して、上場PIEに対する監査における「不備のある監査(1つ以上の重大な指摘事項のある監査)」を2019年までに25%削減するよう求めました。EYは2019年にこの目標を達成しました。

IFIARは、グローバルな監査法人ネットワークに対して新たな目標を設定し、25カ国の上場PIEに対する監査における「不備のある検査」を、2023年までにさらに25%削減するよう求めています。EYは現在この目標に取り組み、順調に進んでいます。ただしこの指標はある時点での測定値であり、結果が変わる可能性もあります。

内部検査

監査エンゲージメントに対する内部検査も毎年行っています。EYのリーダーシップは、メンバーファーム、地域、グローバルの各レベルでの品質管理システムを評価するための重要な要素として、年次品質管理レビュー(以下「AQR」)プログラムを実施しています。AQRプロセスの結果はグローバルに(エリアおよびリージョンを含む)集約され、継続的な改善の必要性がある主な領域も示されています。以下がその結果です。

* このような指摘事項により、追加の監査手続きや文書化が必要になる場合があります。しかし、その性質を考えると、これらの事項が監査全体の結論に大きな影響を与えることはないと考えられます。

** 財務諸表または監査報告書にとって重大な、または、EYの方針に従って実施されなかった、手続きまたは文書化における指摘事項。 

EYがリスクを管理し、公共の利益に貢献する上で重要なのは、EYの全てのサービスにおいて品質を高める努力を継続していくことです。これには、SAQプログラムをしのぐほどの努力が必要です。

私たちは全サービスラインで、各分野の最も優秀な人材の採用、研修、維持に投資しています。エリアを超えて優秀な品質管理部門とプロフェッショナル・プラクティス部門に投資し、EYのメンバーに助言と支援、有効性を提供することで、全世界で一貫して高い水準を目指す品質向上活動を実施しています。

これらの部門は、リアルタイムでクライアントの監査エンゲージメントについて助言し、EYのグローバル品質レビュープログラムを運用します。このプログラムは、監査エンゲージメントの品質と、EYのポリシーおよびプロフェッショナル基準への適合を評価するものです。品質レビュープログラムの結果は、リスクマネジメント部門とグローバルエグゼクティブに報告されます。

監査の品質はEYの組織全体の基本的な戦略目標であり、EYの全てのサービスおよびメンバーファームのパートナー全員を対象とする6つのグローバルパフォーマンス指標の1つとして組み込まれています。私たちは、世界中の規制当局や基準設定機関と定期的に会合を持ち、EYのビジネス、監査という専門職の質を向上させるための新たなトレンドや機会、監査におけるEYの監査人としての役割について議論しています。

屋外でガーデニングをしている男性の胴体

第2章: 経営責任

最高の倫理基準の順守

EYは、人権保護、国際労働基準の順守、環境保護、あらゆる形態の贈収賄や腐敗への反対など、最高の倫理基準を順守するよう努めています。私たちは、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の10原則と国連の持続可能な開発目標(以下「SDGs」)をEYの戦略、文化、事業に取り入れるするべく尽力しています。

  • 人権と労働

    全てのEYのサービスは、公共の利益への貢献、透明性の向上、規制上の責任の管理、投資家の信頼感および持続可能な長期的経済成長の支援において、重要な役割を果たしています。

    特に、EYのサステナビリティ/サプライチェーン・アドバイザリーチームは、企業がどこで活動していても直面するであろう現代の奴隷労働や人権問題に関わるリスクに対処できるよう支援します。EYのForensic & Integrity Servicesなどのサービスは、機械学習、自然言語処理、ロボティック・プロセス・オートメーションの分野で開発された最新技術を活用して、クライアントが不正行為、不正使用、汚職、その他の違反行為を探知・捜査できるよう支援します。

    グローバルインテグリティレポート2020などのEYのレポートでは、企業倫理、個人の行動、第三者の管理、データインテグリティに関するリスクとその対処方法に関する有益な知見を提供しています。

    社内的には、EYグローバル行動規範がビジネス上の行為に関する明確な基準であり、個々の役割、職位、業務を問わず、全てのEYのメンバーに適用されます。この行動規範は、EYの価値観理念に基づくEYのカルチャーを反映しています。

    EYは、専門職上の基準に違反する行為、またはEYグローバル行動規範に反する行為を許容することはできません。また、将来的にも許容することはありません。そのような行為の例としては、差別、非倫理的な慣行、財務上の不正行為、意図的に仕事の質を損なうこと、EYのポリシーを順守しないことなどが挙げられます。

    本規範は最近改訂され、テクノロジーの進歩とその使用方法を反映し、グローバル行動規範を順守することの重要性を強化し、またEYのメンバーの意思決定を支援するために利用できるリソースを更新しました。

    また、UNGCの10原則とSDGsの推進に対するEYのコミットメントの適用範囲は、私たちが協働するサプライヤーにも及びます。

    EYグローバル行動規範が、全てのEYのメンバーに期待される倫理的行動基準を設定しているのと同様に、EYのサプライヤー向け行動規範「EY Supplier Code of Conduct」は、EYのサプライヤーに期待される倫理的行動基準を設定しています。

    EY Global Supplier Code of Conduct は、人権、現代の奴隷労働、児童労働などの問題に関して期待される行動を概説しています。サプライヤーはRFP(提案依頼書)の段階で(また契約履行時にも再度)、その順守と基準を確認するよう求められます。

    さらにEYの調達部門は、サプライヤーポータルを利用してサプライヤーのパフォーマンスを監視し、現在および潜在的なサプライヤーの能力を、社会・環境関連の方針、慣行、認証などを含めて、より詳細に把握できます。

    EYの気候変動・サステナビリティ・サービス(以下「CCaSS」)チームは、環境・社会・ガバナンス・リスクツールを開発しました。これは、サステナビリティの要素全般にわたり発生する可能性のあるリスク(現代の奴隷労働や児童労働など)の情報を、調達部門とサプライヤーの各サブカテゴリーに提示するツールです。このツールを使うことで、サプライヤーに適用されるべきデューデリジェンスのレベルを把握し、その後、サプライヤーに尋ねる質問内容を事前に準備できます。CCaSSはまた、このデータ駆動型ツールを用いて、EYの「持続可能な調達フレームワーク」を構築しています。このフレームワークは、調達部門にとってサステナビリティに関する実用的な指針となるものです。

    サプライヤーは、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する方針やプロジェクト、現代の奴隷労働、ISO14001認証を受けているか、自社のサプライチェーンで基準を監視しているかなどの、自己評価質問票に回答します。

    EYではこのようにサプライヤーのデューデリジェンスを重視しているほか、調達部門、グローバル企業責任部門およびCCaSSが人権と現代奴隷労働に関するワーキンググループにおいて協働し、この分野におけるEYの業務を強化しています。このワーキンググループは、現代の奴隷労働に関するKPIの開発も行っています。

    EYの調達チームは、サプライチェーンにおける社会および環境のサステナビリティの促進に積極的に取り組んでいます。またチーム内には、環境・社会・ガバナンス・サービス(以下「ESGS」)チームがあり、多領域にわたるサステナビリティ・ネットワークとインクルーシブネス・ネットワークを運営しています。

    インクルーシブネス、サステナビリティおよび責任の各原則の推進に対するEYのコミットメントの適用範囲は、EYの組織を超えて、EYのサプライチェーンにも及びます。

    EYは、ESGSポータルを通じて、多様な小規模自営業者がサプライヤーに登録することを積極的に奨励しています。EYは支援団体との協力により、2020年の現時点までに3,700人の多様なサプライヤーに対して1万7,161時間以上の研修を実施し、意識の向上を支援しました。

  • 環境の持続可能性

    環境の保護と再生は、EYのステークホルダーにとって重要な課題であり、長期的価値の創出を維持していくためには不可欠な要素です。私たちは、総合的プロフェッショナル・サービスを提供するグローバル組織として初めてカーボンニュートラルの達成を公約に掲げました。

    気候変動・サステナビリティ・サービスを提供する大手組織として、これからもクライアントに価値ある貢献を続けていきます。同時に、2020年末までにカーボンニュートラルを達成するという公約は、EYのサステナビリティの取り組みにおける重要なマイルストーンです。

    自らのフットプリントの管理

    私たちは、150以上の国と地域で業務を展開しており、気候関連の課題や機会は国ごとに異なります。そのような組織が、カーボンニュートラルを達成するためには、明確な戦略的枠組みが必要です。EYは、有機排出量の削減、炭素排出量の削減と分離プロジェクトへの投資、再生可能エネルギーの購入、回避不能分のオフセットという、4つの相互に関連する方法に重点を置いています。

    気候危機は喫緊の課題であり、マイナスの影響をできるだけ早く打ち消す必要があることを考慮すると、短期的にはオフセットの使用は避けられません。しかしEYは、購入されるオフセットが確かに高い基準を満たしていることを確認すると同時に、将来オフセットへの依存の低減を可能にする、有機排出量およびシステミックな排出量の削減を追求しています。

    有機排出量の削減に関して、私たちのグローバルなカーボンフットプリントは、継続的な進歩を遂げています。例えば、オフィスのエネルギー消費による排出量は減少傾向を維持するとともに、そのエネルギーに占める再生可能エネルギーの割合は増加しています。これは、再生可能電力の購入だけではなく、米国の仮想電力購入契約(VPPA)を通じて地域の再生可能エネルギー市場の発展を支援してきた成果でもあります。

    出張に起因する排出量も、2019年度に比べ34%減と大幅に削減され、メンバー1人当たりの全体的フットプリントと排出量も同様に大幅に削減されました。この大幅な削減の主な要因は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う渡航制限によるものです。その一方で、この数字はEYがこのような制約下にあっても優れたクライアントサービスを提供する能力を持つことを示しています。EYは、航空機を使った出張がパンデミック以前のレベルに戻ることのないよう、この機会にサービスの提供方法を再検討します。

    さらに、2020年度にEYは、世界資源研究所(以下「WRI」)の開発した水リスク評価ツールであるWRI Aqueductを用いた水リスクアセスメントを、グローバルな組織全体の83%に当たる32カ国で完了しました。このうち、全体の39%に当たる65カ所のオフィスが、水リスクの高い、または極めて高い地域にあると評価されました。特定された一般的なリスクは、ベースライン水ストレス、接続廃水の未処理、衛生サービスの不足でした。アセスメントの結果、今後実施すべき19の水管理措置が特定されました。EYのチームは現在、水リスク管理システムの導入を始めています。このシステムは今後数年間で、膨大な取水量と消費水量、そしてベースライン水ストレスの高い、または極めて高い地域における取水量と消費水量の割合を報告できるよう管理することを目指しています。

    クライアントのサステナビリティ向上を支援

    私たち自身のフットプリントを削減する取り組みに加えて、EYの気候変動・サステナビリティ・サービス(以下「CCaSS」)チームは、企業が直面する重要な資源・環境上の課題に関して、その評価、対応、測定、報告を支援する取り組みを続けています。

    CCaSSチームが特に支援に力を入れてきたのは、気候リスクと適合、循環型経済、再生可能エネルギー、水資源および廃棄物管理の分野です。CCaSSチームは、持続可能かつインクルーシブな成長のために重要な価値要因を特定した「Embankment Project for Inclusive Capitalism(EPIC:統合的な目線による新たな資本主義社会の構築に向けた取り組み)」レポートから受け継いだ内容を基盤として、クライアントによる長期的価値の創出と測定を支援する重要な役割を今後も果たしていきます。

    さらにEYは、新型コロナウイルス感染症の拡大がESG(環境・社会・ガバナンス)のパフォーマンスおよびステークホルダー資本主義を促進する理由や、欧州グリーンディールが持続可能な成長をグローバルに再定義する可能性といったグローバルな視点の共有を通じて、サステナビリティに関する対話の拡大を今後も継続して支援し、循環型経済への移行を促進していきます。

  • 腐敗防止

    EYはあらゆる形態の腐敗行為の防止に注力しています。グローバル贈収賄・腐敗防止ポリシーと、これに付属する腐敗防止コンプライアンスプログラムの策定は、こうした姿勢を表しています。このプログラムに不可欠なのは、研修の実施です。EYのメンバーファームにおいて全てのパートナーと社員は、贈収賄防止研修を修了しなければなりません。

    EYは、腐敗行為やその他の金融犯罪の撲滅を目指し、専門職としての自らの役割を果たすことを含め、コンプライアンスのカルチャー醸成に向けて取り組んでいます。こうした取り組みに沿う形で、世界経済フォーラムの反汚職パートナー・イニシアティブ(PACI)への参加を継続しており、最近では、The Business 20(B20)の透明性・腐敗防止ワーキンググループのナレッジパートナーに任命されています。

    腐敗防止に向けた確固たる決意は、EYのメンバーが全員参加を必須とする贈収賄・腐敗防止に関する研修をはじめとする、グローバルに一貫したポリシーと慣行だけではなく、EYがクライアントに提供するサービスにも組み込まれています。

    例えば、EYのアシュアランスチームは、クライアントのインテグリティおよびコンプライアンスのフレームワーク強化を支援します。EYの組織全体で分析ソリューションに投資し、数百万行ものデータの迅速な調査と異常値の特定に向けて支援を提供してきました。また、EYのブロックチェーン・ソリューションは、効率的で信頼性・透明性が高く、また安全な方法で、データ・通貨・その他のIT資産の移転を支援します。

    リスク管理

    EYの組織内では、リスク管理チームが組織全体にわたりリスクの特定・監視・管理をサポートし、EYのプロフェッショナルがコンプライアンス上の義務を効率的かつ効果的に履行できるようにしています。

    リスク管理チームはまた、EYのメンバーが好機を捉え、適切なチームを招集できるよう、プロセス・ツール・知識を提供します。加えて、EYの客観性と独立性へのコミットメントに従い、クライアントに幅広いサービスを提供しています。

    リスク管理は、持続可能なビジネス慣行と関係を支えるとともに、究極的には、EYのサービスを通じて、クライアントのイノベーション、価値創造、ステークホルダーとの信頼構築の支援につながります。

    リスクの軽減・管理に当たり、EYが重視する要素は、データ保護と情報セキュリティのフレームワークです。EYは、適用される法規制と専門職上の基準の要件に従い、情報資産、個人データ、顧客情報を、作成、移転、保管の過程全体を通して保護します。

    独立性もまた、EYグローバル行動規範に不可欠な要素です。私たち一人一人が、自らの個人的独立性とEYの独立性に責任を負っています。私たちは、自らの個人的な経済的利益およびクライアントとEYとの関係に注意を払っています。

サマリー

私たちの日々の業務、すなわち、資本市場に対する信用と信頼を構築することが、やがては社会にとっての長期的価値を生み出すと、EYは確信しています。私たちはまた、ビジネスには社会が直面する最も困難な問題の解決に向けて果たすべき役割があると考えています。 

この記事について

執筆者 EY Global

Ernst & Young Global Ltd.

  • Facebook
  • LinkedIn
  • X (formerly Twitter)