2020年9月10日
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Global Review 2020:EYグローバル会長兼CEOからのメッセージ

執筆者 Carmine Di Sibio

EYグローバル会長兼CEO

カーマイン・ディ・シビオ / クライアント、そしてEYのグローバルな組織が持つ力に情熱を注ぐ。成長とイノベーションの推進者であり、良好な人間関係の構築者。スポーツ愛好家。

2020年9月10日

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2020年、世界は劇的な変貌を遂げました。その環境下でも、EYはNextWave により、適応力とイノベーションを⽬指す上で有利なポジションを維持しています。

2019年、私たちは、クライアントやEYのメンバー、そして社会に⻑期的価値をもたらすためのEYの戦略と熱意を⽰す取り組みであるNextWaveを⽴ち上げました。当時、世界が翌年に経験することになる変貌を予⾒した人はいませんでした。2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック、そしてこの100年間で最も急速な世界景気後退により、⼈々と社会は未曽有の困難に直⾯しています。

しかし、このような困難な時代にあっても、NextWaveにより、EYは適応力を高め、イノベーションの実現を目指す上で有利なポジションを維持しており、より良い社会の構築を目指して(Building a better working world)というEYの理念の重要性は、かつてないほど高まっています。

ステークホルダーに長期的価値をもたらすために

クライアントのための⻑期的価値は、EYが組織全体を挙げて極めて不安定な現在の情勢を乗り越えるための支援をすることで創出します。EYが今年開発した COVID-19エンタープライズ・レジリエンス・フレームワーク は、パンデミックに対処するためのリスクと対策レベルを評価するためのクライアント向け支援ツールです。このフレームワークは、差し迫った経営圧力に対処するために企業が直ちに行うべきことだけでなく、未来を再構築するために、次に、そしてさらにその先に行うべきことを指し示す案内図として機能します。

EYのチームは、パンデミック危機を通じて、クライアントのサプライチェーンの見直し、流動性の管理、各国政府による景気刺激策の紹介、ステークホルダーへの影響に関する助言などを、国境やサービスラインを超えて行ってきました。現在はクライアントとの対話を一段と深め、パンデミックを乗り越えた先にある財務面、社会面、規制面での課題や機会に対応するための、イノベーションとレジリエンスの構築を支援しています。

EYは今後も、コロナ禍の環境では必要不可欠である、デジタル化とテクノロジーへの大規模投資を継続し、クライアントの皆さまへのより良いサービスの提供を目指します。

EYのメンバーのための長期的価値とは、何よりもまずメンバーの安全を確保することです。2020年に入ってすぐ、EYは出張制限を速やかに実施し、それ以降もミーティングやイベントの開催およびEYオフィスへの出勤の安全な再開に関して、包括的なガイダンスを導入してきました。

同時に、全てのEYのメンバーが自らの成功のために必要とする特別な経験を得られるよう、引き続き尽力しています。今年の重点施策の1つは、ハルト・インターナショナル・ビジネススクールとの提携により立ち上げたEY Tech MBAです。正式認可を受けた初の社内オンラインMBAプログラムであるEY Tech MBAは、EYのメンバーであれば誰でも受講することができます。

また、安定した質の高いサービスを提供することにも引き続き注力しています。新型コロナウイルス感染症による混乱にもかかわらず、今年もEYは7万6,000名以上の新しいメンバーを迎え入れました。さらに、世界中で1万5,000名のインターンを受け入れるという、EYが長年にわたって守り続けてきた責務を果たしました。

社会のための長期的価値は、EYの日々の業務を通してもたらされます。つまり、世界の資本市場に対する信頼と信用を醸成し、コミュニティと地球全体により良い影響を与えています。

また、EYのメンバーは、EYの経験、サービス、影響力の利用を通じて世界で最も困難な問題の解決を支援することで、長期的価値を生み出しています。本年の事例としては、新型コロナウイルス感染症に関連するさまざまな課題の解決に向けて史上最大規模の国際的ハッカソンイベントを開催したこと、そして世界保健機関(WHO)による個人用保護具の供給調整を支援したことが挙げられます。この取り組みは、4月に非営利団体Global Citizenが主催した「Together at Home」コンサートで表彰を受けました。

EYはまた、総合的プロフェッショナル・サービスを提供するグローバル組織として初めて2020年末までにカーボンニュートラルを達成することを公約し、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の10原則への支持を再確認しました。私はこのことを誇りに思います。

EYは本年も、企業責任(CR)プログラムであるEY Ripplesを通じて、社会的に影響⼒のある起業家や若者をサポートし、その多くをオンラインにより継続しました。これらを通じて、1,500万人を超える人々の生活により良い影響をもたらすことができました。

未来への展望

世界中の多くの企業と同様に、本年のEYの活動は急激な変化に見舞われています。しかし、私たちは十分な準備を整えていました。先を見据え、素早く適応し変革する能力は、EYを含む全ての企業にとって必要不可欠な特質です。私たちはNextWaveを通じて、現在の状況に対応し、EYにとっての次に向けた計画を立て、自らの未来を創り出しています。

EYは大胆な組織内投資を行っています。テクノロジー・コンサルティングを創設したほか、戦略コンサルティング分野で既に世界第5位のEYパルテノンの拡大、EYの各拠点で日々行われているイノベーションの記録方法や測定方法の産業化に取り組んでいます。

このように、ステークホルダーに焦点を当てた取り組みによってEYは今年も力強い成長を遂げることができました。EYのメンバーの総数は30万人近くに達し、グローバルでの収益は4.1%増の約372億米ドルとなりました。

より良い社会の構築を目指して(Building a better working world)

世界が新型コロナウイルス感染症による危機前と同じ状態に戻ることはないでしょう。しかし、その先を見据えた上で、私は楽観的な見方をしています。EYのメンバーはこの1年というもの、EYの価値、目的、思いやりと結束の文化を、これまで以上に実証してきました。新型コロナウイルス感染症による危機において、互いに助け合い、またクライアントや社会に手を差し伸べるためにEYのメンバーが行ってきた、大小さまざまな数え切れないほどの積極的な行動は、敬服に値します。

今回の危機は、これまで以上に多くの組織が、社会において果たす幅広い役割を理解し、環境の持続可能性や経済的不平等などの差し迫った問題に対処するために何ができるかを検討するきっかけにもなっています。

パンデミック後のことを考えた上で、私たちは単に元に戻るのではなく、それ以上のことができるはず――共に働くことでより良い社会を構築できる――私はそう確信しています。

Carmineの署名
ゲスト編集者 Carmine Di Sibio

EYグローバル会長兼CEO

カーマイン・ディ・シビオ / クライアント、そしてEYのグローバルな組織が持つ力に情熱を注ぐ。成長とイノベーションの推進者であり、良好な人間関係の構築者。スポーツ愛好家。

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国連グローバル・コンパクト(UNGC) の10原則および国連の持続可能な開発目標(SDGs)への支援

EYは、人権保護、国際労働基準の順守、環境保護、あらゆる形態の贈収賄や汚職への反対など、最高の倫理基準を順守するよう努めています。

本年のGlobal Reviewは、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の10原則と国連の持続可能な開発目標(UN SDGs)をEYの戦略、文化、運営に統合するというEYのコミットメントを示すと同時に、EYによるUNGCへの取り組みについての進捗状況を報告する役割も兼ねています。 

サマリー

このような困難な時代にあっても、NextWaveによりEYは適応力を高め、イノベーションの実現を目指す上で有利なポジションを維持しており、より良い社会の構築を目指して(Building a better working world)というEYの理念の重要性は、かつてないほど高まっています。

この記事について

執筆者 Carmine Di Sibio

EYグローバル会長兼CEO

カーマイン・ディ・シビオ / クライアント、そしてEYのグローバルな組織が持つ力に情熱を注ぐ。成長とイノベーションの推進者であり、良好な人間関係の構築者。スポーツ愛好家。

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