4 分 2018.05.15
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IoTの成長に向けたレシピ:起業家のための七つの材料

執筆者

EY Global

複数の強みや専門性を兼ね備えるプロフェッショナル集団

4 分 2018.05.15

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ビジネスの成功には確実なレシピが存在しないかもしれませんが、今回の起業家は信頼のある材料を利用して成長を加速しました。

Ben Harrisは次のように述べています。「私は、ステーキを調理するときのあいまいさや不確実性を嫌います。当社は、材料とレシピが対話を行い、人々が可能な限り最高の食事を作るための手助けをしたいと考えました」

優れた料理を作るのは、極めて経験豊富なシェフでも難しいことがあります。最高の料理を作るには、材料とタイミングの完璧なバランスが不可欠です。しかし、モノのインターネット(IoT)で優れた料理を簡単にすることは可能なのでしょうか。 

2014年、Harrisはその答えとしてDropを立ち上げました。最初のスマートIoTキッチンツールの一つであるDropは、材料とレシピの対話により、才能がないアマチュアのシェフでも完璧な料理を作れるように設計されています。

このアプリは、ビデオでの実演を特徴としており、スマート計量器と無線で接続されます。この計量器は、材料を追加するごとに重量を計算し、調理が進むのに合わせて必要な分量を継続的に再計算します。また、特定の材料がなければ、代わりに利用できるものをアプリが推薦します。

Drop CEOのBen Harris

Harrisの新たなキッチンツールは、米国で人気を呼びました。現在は海外でも展開を始め、Dropが世界中の料理を一新させようとしています。

Dropのような成功は無から生まれません。こうした成功には、テクノロジーと分析を基本とする一連のスキルが必要です。また、顧客に焦点を当てること、強力なパートナーシップ、優れた財務/リスク管理、そして起業家精神にあふれた人材が必要です。

Dropがスタートアップから安定的な成長企業に達するまで、主に七つの課題がありました。同社の経験と反応は、業務を変革し、急速な成長を推進/支援する上で参考になるでしょう。

1. デジタルテクノロジーと分析の活用

Dropのスマート計量器、アプリ、強力な分析ツールの組み合わせにより、製品をいつ、どのように利用するかが正確に把握でき、Dropのチームは、この最適化により顧客エクスペリエンスを高めることができます。

2. 顧客ニーズへの焦点

Dropの基本的な目的は、顧客の問題を解決することです。料理の内容、スキルの水準、どのレシピにするかといった内容によって、一人一人の問題は異なります。こうした問題を解決するために、Dropは一連のユーザーデータを追跡し、料理の内容と方法を理解します。Dropはこのデータを利用して、人々の調理方法(習慣と好み)とつまずく箇所を把握し、サービスとレシピを更新することで個人のニーズに先手を打って対応します。こうした個人ごとの洞察は、Dropの長期的な顧客維持戦略において中心的な役割を果たしています。

3. 連携の構築

大半のテクノロジースタートアップ企業と同様、Dropは組織外の専門知識を活用しなければ成長を継続できませんでした。Dropは他の企業とパートナーシップを締結し、これによりハードウエア、出荷、物流に対応しました。また、Apple社と小売りパートナーシップを交渉し、米国、カナダ、英国のAppleストアでDrop計量器を発売しました。

4. 資金の確保

急速な拡大には資金調達とターゲットを絞った投資が必要です。2014年の後半、Dropはシード資金および追加投資として200万米ドルを調達しました。同社は、この投資をエンジニアリング、顧客サポート、コミュニティーチームの強化で集中的に利用しました。これにより、顧客エクスペリエンスを改善したほか、長期のロイヤルティーを高め、レビューと口コミにより評判を高めました。

5. 適切なチームの構築​

Harrisが生まれ育った家は起業家精神にあふれていました。そのため彼は、適切な専門知識と経験を備えたぴったりの人材がいなければ、財務、データ、分析をうまく展開できないことを知っていました。彼は、共同創業者たちと協力し、彼らの総合的なバックグラウンドから、デジタルメディア、テクノロジー、ソフトウェアの設計/開発などの必要なスキルを得ました。また、戦術的に人材を採用することで、必要に応じて知識の不足を解消しました。

6. リスクは取るが、最小に

新たなビジネス分野に参入するときは、常に予期せぬリスクが存在します。そのため、Dropがしたように、早い段階で助言を求めることが重要です。Harrisは次のように述べています。「当社は試作品に力を注ぎ、営業、マーケティング、出荷、在庫管理などの支援部門には注目しませんでした。当社では、必要な専門家を採用できるまで、設計者がこうした支援領域に対応しました」Dropはうまく対処しましたが、リスク緩和の成功で鍵となるのは、可能な限り早く潜在的な問題を特定することです。

7. 効果的な事業展開

Harrisは、迅速な拡大を可能にするには、組織の基礎を構築する必要があることにすぐに気付きました。彼のビジネスは、コンセプトから成功まで、わずか18カ月しかかかっていません。中核事業を拡大せず、社内の能力を増強する一方でターゲットを絞った雇用により、深い専門知識を獲得することで、Dropは敏しょう性を確保し、戦略的な成長と効率的なサービス提供を実現しました。

EYは、組織がバランスを取り、ビジネスを迅速かつ安定的に拡大するために必要とする「七つの成長要因」を特定するための枠組みを構築しました。EYのAnnette Kimmitは次のように述べています。「企業は、成長を加速させる7つの要因全てにおいて卓越性を発揮する必要はありません。しかしレシピと同様、成功の鍵となるのは、ビジネスの目標、戦略、成熟度に基づいて全ての要因にわたる適切な投資構成を見つけることです」

七つの成長要因

サマリー

成長のあらゆるドライバーを活用することが、貴社の事業の成功につながります。

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EY Global

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