何も買わない消費者に売る方法は?

執筆者

Florian Huber

Chief Development Officer, EY GSA (Germany, Switzerland, Austria)

Transformation enthusiast. Connector. Entrepreneur and mentor. Conference speaker. Softball and handball fan. Family lover. Father of 4.

5 分 2018.07.05

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今後ますます多くの消費者が購入に関する意志決定をAIに任せる、または「オンデマンド」サービスを選ぶようになると考えられます。ベルリンにおけるハッカソンで得られた知見をご紹介します。

デジタルテクノロジーは、消費者にかつてないレベルの透明性、選択肢、利便性をもたらしてきました。しかしこれは、今後10年間に起こることに比べれば、それほど大したことではありません。消費者がほとんど何も買わない未来を想像してみてください。自分の代わりに購入してくれる人工知能を利用したり、グループやコミュニティーに必要なものを何でも調達してくれるエージェントに資金をプールしたりする未来です。果たしてそんな未来はあり得るのでしょうか。そして、こうした未来が現実になったら、成功できるのはどのようなビジネスコンセプトなのでしょうか。

想像力をふくらませてこうした疑問の答えを見つける上で、「体感できる」未来のシナリオに触れることは迅速かつ強力な手段となります。そこで、私は意気込んでベルリンでEYハッカソンを開催し、FutureConsumerNowプログラムの一環として実現の可能性がある複数の未来シナリオを構築し、各シナリオを詳しく検討しました。

  • 未来の消費者にうまく対応する方法は

    EYはFuture Consumer.Nowにより、 未来についての考え方を変えることで、ビジネスリーダーたちが現在とは大きく異なる未来に自社を適応させられるよう支援しています。 

    世界的なイノベーター、フューチャリスト、ビジネスリーダー、 EYのスペシャリストを対象とした調査やインタビューを通じて、未来の消費者を形作ると考えられる150を超える要因を特定しました。

    私たちはこうした要因に基づいて、八つの有力な仮説を立てました。それぞれが未来の消費者の重要な側面(買い物、食事、健康管理、生活、テクノロジーの利用、遊び、労働、移動)に関連しています。

    その後、世界各地で イノベーティブなハックウィーク の開催を重ね、こうした仮説を詳しく検討して、そこから生じると思われる未来の世界をモデル化しました。ハックウィークはベルリン、ロンドン、ロサンゼルス、上海、ムンバイで開催しました。

    このイベントには、フューチャリスト、起業家、ビジネスリーダー、EYのスペシャリストという多彩なゲストを招待しました。開催期間である1週間の間に、変化を促進する150の要因と八つの仮説を用いて、3パターンの未来をモデル化しました。

    こうした「未来の消費者世界」を想定することは、参加者の皆さまにとって、今後の方向性や現在の企業への影響(そして チャンス ) を予測する上で役立つ経験となりました。消費者向け企業が現在そして今後何年にもわたって成功するには何が必要か、 これまでのあらゆる前提に疑問が投げかけられました。

    ハッカソンの終わりには、消費者の進化に合わせて企業が妥当性を維持し、自らその進化を形作るための準備がより万全に整いました。

私たちがモデル化した一つ目の世界では、消費者が自分たちに関するあらゆるデータを社会全体の利益のために共有し、プライバシーは利己的と見なされます。二つ目の世界では、消費者は自らの生活の質を最大限に高める選択をし、そうしたあらゆる行動が広く社会に与える影響をテクノロジーによって確認できます。三つ目の世界では、所有物を意識的に制限し、その代わりに流動的で「オンデマンド」なライフスタイルを送るためのサービスに加入します。この1週間のハッカソンは私のキャリアの中でも最もやりがいがあり、挑戦しがいのある経験となりました。

現在私たちの生活は、かつてないレベルの不安定さ、不確実さ、複雑さ、あいまいさによって形作られています。このような状況に対応すべく、ほとんどの企業が自社のアジリティを高めようとしています。それは重要なミッションですが、この新しい環境下で人類レベルの繁栄をするためには、ビジネスリーダーとしても一人の人間としても、それ以上の何かが必要です。想定される未来を今経験することが必要なのです。そうすることで、変化を促進する要因をよく理解し、自らや企業に起こることに備え、希望する未来を自ら積極的に形作ることができるでしょう。

私たちが想定した未来世界から得られた五つの見解:

  1. ボットに好ましい印象を与える方法を学ぶ。将来、ボットが購入の大部分を担うようになる
  2. 消費者が製品のメリットを客観的に評価できる場合、価格設定は成果に応じて行われるようになる
  3. 仮想現実世界の住人は仮想の製品を必要とするようになる
  4. オンデマンドサービスは、必要になる前に購入する消費者にとっては遅すぎる
  5. 影響力のある消費者を引きつける。このような消費者は最も強力なインフルエンサーとなる

ハッカソンで私たちが想定した三つの世界と、それが消費者向け企業に及ぼすと考えられる影響について、詳しくは続きをお読みください。

壁に寄りかかって座る学生たち
(Chapter breaker)
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第1章

社会ファースト

消費者は社会の利益のために自らのデータを提供する。

消費者は、自分たちに関するあらゆるデータを社会全体の利益のために共有します。プライバシーの権利は利己的と見なされます。

データは既に私たちの生活を変えつつあります。ウエアラブルテクノロジー(装着可能技術)を使って自分の運動・健康状態に関するデータを、トラッキングおよび共有している人の数を考えてみてください。意識しなくても腕の中のチップでさらに豊富なデータを得られるとしたら、これを利用しない理由があるでしょうか。チップにより、今朝走った距離よりもはるかに多くの情報を収集・共有できるとしたらどうでしょうか。

  • リーダーへの質問

    • メンタルヘルスの最適化が消費者環境を形成する上での重要目標となる場合、どうすれば貴社は過度にユーザーを“監視する”文化を生み出すことなくこの分野で成功できるでしょうか。
    • どうすれば、製品がコア・カスタマーの健康的なライフスタイルのニーズを満たしていることを実証できるでしょうか。

客観的なリアルタイムデータを医師と共有する上で便利なため、一部の人は既に利用を始めています。利用している人の健康状態データは、新薬や治療法の開発を行う製薬会社と共同利用され、共有することもできます。このようなデータ共有は個人の利益になるだけでなく、広く公益に資するものです。

この公共心に基づくデータ共有の考え方は、生活のその他の面にも広がる可能性があります。ベルリンで行われたハッカソンでは、全ての人にとって より効率的な交通システムから、質の高い医療、教育の向上に至るまで、生活のあらゆる面を最適化するため、都市に住む全ての人が自分の個人情報を公に提供する未来の世界を想像しました。データの共有は、貧困や気候変動など、世界規模の問題や社会問題に取り組むための重要なステップとなります。

共同データプールの分析によって、あらゆる決定が導かれることになるでしょう。

この世界では、消費者による購入(または政府による措置)は全て、直感、感情、ブランドの魅力ではなくデータと合理的ロジックに基づいて行われます。あらゆるものがトラッキングされるため、犯罪は減少するでしょう。功利主義的な世界であると考えられます。成功できるのは、機能的価値を提供する企業です。個人の自己実現への欲求は、社会の利益を最大化する必要性と完全にバランスが取れたものとなります。

しかし、私はこの世界に適応できるとは思えません。なぜなら個人としての選択、そして自由さえも大幅に制限される可能性があるからです。もっとも、そのような代償を受け入れられる人にとっては魅力的な世界であるということは理解できます。

プライバシーに対する姿勢という点では、大きな文化的転換が必要となるでしょう。しかし、健康や環境面の危機などの大きな社会的混乱が起こった場合には、全く新しい考え方への突然の転換を余儀なくされる可能性があります。スマートシティのインフラには新しいデータ基準が必要です。信頼できるインフラの所有者、データアナリスト、テクノロジープラットフォーム、製品を迅速に適応・変更できるアジリティを備えた企業には大きなチャンスがあるでしょう。

医療、ライフサイエンス、消費財の各セクターが連携する、新たな種類のパートナーシップが形成されます。

最大のチャンスは、価値を生み出す二つの要素(信頼ある権威 インフラの所有者、大規模な消費者への製品・サービスの提供に必要なテクノロジープラットフォームを備えたデータプロバイダー が手を組んだ強力なパートナーシップを構築する企業におとずれるでしょう。イノベーターと政府、デジタルネットワークと学校、製薬会社とトランスヒューマニズム運動の間で協調が進むと考えられます。

 

ゴム長靴
(Chapter breaker)
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第2章

無駄をなくす

消費者は環境と社会の持続可能性を重視します。

消費者は自らの生活の質を最大限に高める選択をし、そうしたあらゆる行動が広く社会に与える影響をその目で確認できます。                                     

購入に関する意志決定にあたり、既に多くの人が環境や社会の持続可能性を重視するようになっています。しかし、オーガニック製品や「クリーンな」製品は主流の製品よりも生産性が低い場合が多いため、世界の人口増加に対応することは今後ますます難しくなるでしょう。農業生産性は低下しつつあり、食料生産に使用できる土地は残り少なくなり、気候変動への懸念はますます強まっています。

現在、牛肉を1 kg生産するのに15,000リットルの水が必要です。ベルリンのハッカソンでは、食料生産に対する現在のアプローチが受け入れられない未来世界を想像しました。サプライチェーンがほぼ全面的に透明化されることで、バタリーケージで飼育された鶏は存在しない世界です。

ベルリンに住む消費者が手にする食品の質は高い水準を維持できるでしょう。その多くは植物性タンパク質で、おいしくて新しい形態の食べ物になります。しかし、サプライチェーンは大幅に短縮する必要があります。農業は地方ではなく、都市部で行われる活動へとシフトするでしょう(ベルリンには既に都市農業に関するイノベーションの実績があります)。

土地、エネルギー、水がますます希少になるにつれて、この未来世界では過剰な消費や無駄が社会的に容認されなくなります。

自分の時間の使い方、食べる物、地球に与える影響、一緒に過ごす人について、消費者は今とは異なる考え方をします。消費者の行動は、持続可能なコミュニティーに住みたいという欲求に基づいて形成されます。新たなテクノロジーのおかげで、価値観を共有する仲間を見つけ、つながり、協力することがより簡単になるはずです。目的重視の新しい「消費族」が出現するでしょう。その消費族は、彼らの価値観を反映した製品、サービス、ソリューションを提供するブランドにとって魅力的な顧客となります。

  • リーダーへの質問

    • どうすればこうした次世代の購入者のニーズに応えられるでしょうか。
    • パッケージングなしでどのように購入者とコミュニケーションをとればよいでしょうか。
    • 高い透明性を有する環境では、「消費族」ごとに異なるサプライチェーンが必要でしょうか。
    • サプライヤーはチャネルを一つに限定するでしょうか。
    • 製品の効果が明白である場合、自社ブランドをどのように構築すればよいでしょうか。

ベルリンのハッカソンでは、新たな自治コミュニティーという形態がどのように進化するかについて、詳しく検討しました。ここはスマートホーム、都市農業、炭素燃料ゼロの世界です。金銭は、価値を計る手段の一つにすぎません。コミュニティーとそのメンバーの豊かさは、仕事以外の活動に充てた時間や幸福度など、その他の指標でトラッキングされます。

こうした共同体意識が高い人たちはリソースや消費力をプールし、購入の大部分をエージェント(AIボットか人間のエージェント)に任せます。こうした買い手とビジネスをするために、企業は深く持続的な関係を築くことが必要になるでしょう。

この世界は二つの興味深い価値観で成り立っています。

  • 文脈情報の所有:従来型のマーケティング手法が効果を発揮する即時的、短期的要因に基づいて購入を決める消費者は少なくなります。その代わりに共同購入者がコミュニティーを代表し、合意された価値観を反映する形で購入を行うようになります。新興の消費族と深いレベルで関わり合い、その価値観を反映している企業は、市場を支配する有利な地位を獲得できるでしょう。
  • 物理インフラの所有:この未来世界には、都市農業と生活/仕事の場が共存できるインフラが必要です。テクノロジーはほとんど目に見えないものとなるため、物理的な家はスマートホームになる必要があります。エネルギー生産の統合や自動配信の実現など、不便なインフラから接続されたスマート環境への移行を主導できる企業にとってはチャンスです。
家
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第3章

至るところがホーム

消費者は従来の所有よりもオンデマンドサービスを好みます。

消費者は所有物を意識的に制限し、流動的でオンデマンドなライフスタイルを送るためのサービスに加入します。

ロボティクスやプロセス自動化の急速な導入により、働き方や仕事の種類が大きく変化しています。これは、一部の国では既に現実になりつつあります。また、「アセットライト」(資産の少ない)ライフスタイルも今まさに出現しています。資産を所有するためにお金を支払うのではなく、使用するために支払うライフスタイルです(「あらゆるものをUberで利用する」状態を想像してください)。

所有する物が少ないほど、一つの場所にとどまる必要性が低下します。ベルリンのハッカソンでは、自宅と職場の境界が薄れ、より多くの人が身軽なフリーランスとして働く世界を想像しました。つまり、人はどこにいてもそれが「自分の家」だと感じ、サービスプロバイダーには消費者の場所を自動認識することが求められます。サービスはそのとき消費者がいる場所でシームレスに提供されます。より多くの製品(靴など) が命令コードの形で 納品されるようになります。消費者はこのコードを使って、3Dプリンターで製品を自ら「製造する」ことになります。

  • リーダーへの質問

    • 人間とAIの間で、AIがプライバシーに関して自律的な決定を下しても構わないと思えるほど強い信頼関係を構築するにはどうすればよいでしょうか。
    • 消費者が金銭以外の支払い方法(データ、時間、スキルなど)の受け入れを要求している場合、その価値を公正に評価するにはどうすればよいでしょうか。また、このような取引を取り入れるためには、ビジネスモデルをどのように変更する必要があるでしょうか。
    • 一つの企業がオンライン、オフライン、仕事、余暇を問わず、消費者エクスペリエンスをまるごと管理できるでしょうか。
    • この役割を果たすのに十分な信頼を得るために、企業はどのような位置付けをすればよいでしょうか。 
    • 製品をサービスベースのソリューションにするためには、どのような適応が必要でしょうか。

交通システムの改善や移動中のシームレスな作業が可能になったことで、移動時間は無駄ではなく、極めて生産性の高い時間となります。 極端な場合、ノマドスタイル(遊牧民型)で仕事をするプロフェッショナルは思いのままに国境をまたいで移動するでしょう。

現在一部の取引では、従来の通貨に代わって、ビットコインなどの仮想通貨を利用できますが、この未来世界では、全く新しい種類の通貨を想像しました。価値について合意と保証があれば、消費者は自分の個人情報や時間で製品やサービスの対価を支払える世界です。

消費者が使用または所有するものは全て、独自の状況やニーズに合わせてカスタマイズする必要があります。 そして消費者は、それを実現できる企業には進んでデータを提供しようと考えます。

この世界を実現するには、多くを変える必要があります。この規模でモビリティを確保するとなれば、世界規模での税務の全面的な見直しが必要になります。複数の仮想通貨が存在するため、新しいビジネスモデルが必要となるでしょう。人工知能によって行われる取引が増えるため、ヒューマン/AIインターフェースはシームレスである必要があります。

どこで価値を生み出すか

  • 楽しく、かつ消費者の生来の能力を向上させるエクスペリエンスを提供する
  • 最適な環境を選択するのではなく、顧客のニーズに合わせて環境を変化させる
  • AIの運用やブロックチェーンシステムのマイニングに必要なエネルギーを提供する
  • サービスを実施するための物理インフラを所有する
  • プライベート、仕事を問わずデータを収集・管理し、バランスの取れた最適化に取り組む
  • 荒削りなメタデータから豊富な洞察を得て、新規顧客が利用しやすい低いエントリー・ポイント・サービスを提供する
カウントダウンタイマー5
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第4章

今すぐ成功をつかむ五つの方法

今ビジネスリーダーが成功するには

ベルリンのハッカソンでモデル化した三つの世界は全て、それぞれ大きく異なる世界です。しかしその根底には、ビジネスリーダーが今成功をつかむのに役立つ、五つの知見が隠れています。

  1. ボットに好ましい印象を与える方法を学ぶ。将来、ボットが購入の大部分を担うようになる。 消費者が積極的に購入するようなごく少数の製品・サービスを販売している企業でない限り、将来的に取引相手はボットになる可能性が高いと考えられます。ボットは感情や衝動ではなく、データと事実に基づいて購入を決定します。マーケティング戦略の根本的な見直しが必要となるでしょう。ボットを回避して実際の消費者に関わりたいのであれば、オファーをこの上なく魅力的なものにし、消費者それぞれのニーズや状況に合わせてパーソナライズする必要があります。
  2. 消費者が製品のメリットを客観的に評価できる場合、価格設定は成果に応じて行われるようになる。 消費者はデータとAIを使用して、若々しい肌や健康増進、よりよいパートナーや高収入の仕事探しなど、購入する製品・サービスによって約束されている結果が実際に提供されるかどうかを判断します。支払いを求められる価格が適正であるかどうかを判断する際も、この情報が使用されます。企業はマーケティングで打ち出す主張を見直す必要があります。有効性を測る方法を考案しているテクノロジーやスタートアップ企業との連携は進んでいるでしょうか。
  3. 仮想現実世界の住人は仮想の製品を必要とするようになる。 未来の消費者は、より長時間にわたって拡張・仮想現実に没頭するようになるでしょう。Second Lifeなどのゲームでは、既にオンラインでなりたい自分をつくることが可能です。最新のプラットフォーム(Second Lifeを運営する企業のSansarなど)では、仮想生活環境を構築し、そこに住むことができます。この市場が発展するにつれて、消費者がVR環境の強化に使用するデジタル製品への需要が高まるでしょう。
  4. オンデマンドサービスは、必要になる前に購入する消費者にとっては遅すぎる。 未来の消費者は予測に基づくショッピングエクスペリエンスを期待するようになります。消費者のニーズを満たせる企業は、消費者の習慣、行動、好みを理解している企業です。例えば、ミーティングに向かう途中にカフェラテ(注文や待ち時間なし)が用意されていたり、山中の別荘に到着した際に冷蔵庫がお気に入りの食料品でいっぱいになっていたりすることが挙げられます。このスピードを実現するには、企業は「点と点をつなぐ」データとAIの機能に投資し、競争における優位性をもたらすやり方で消費者のニーズを予測する必要があります。
  5. 影響力のある消費者を引きつける。このような消費者は最も強力なインフルエンサーとなる。特に、製品が自分の価値観に合っているかどうかなどの疑問について、未来の消費者が持つ影響力と情報量が増えるほど、 おすすめの製品・サービスの情報源として互いを頼ることが多くなります。ある意味で消費者は、大量消費や宣伝の時代の前の状態に1周して戻ってくることになるわけです。「コミュニティー」の人々の推薦を受けて地元の貿易商や職人から購入する時代です。一方で今後、コミュニティーの概念、インフルエンサーの影響範囲、製品の入手可能性はグローバル化していきます。企業は、このグローバルな状況と、各コミュニティーが共有する価値観に訴えられるインフルエンサーを巻き込む必要性との間でうまくバランスを取っていく必要があります。

目標は今すぐトランスフォーメーションを始動し、加速させることです。

私たちが想定した世界の中には、個人的に非常に魅力を感じる要素を備えたものもあれば、そうではないものもあります。しかし、私たちは理想的な未来のユートピアを想像しているわけではありません。現時点で明らかなトレンドを挙げ、それに基づく推定から、実現し得る妥当な未来をモデル化しているのです。こうした世界に暮らすのは、どのような消費者たちでしょうか。企業はどこで価値を生み出せばよいのでしょうか。ビジネスが今後も妥当性を保っていくためには、今どのような行動を取ればよいでしょうか。

私たちが想定した世界は興味深く刺激的ですが、その真のメリットは、実際に体験しなければ得られません。そこで私たちは、ビジネス・リーダーたちが想定される未来に「触れる」ことができるさまざまな没入型体験を作成しています。この体験が、デザイン考案セッションやラピッド・プロトタイピング/テストでもたらすアイデアを発展させます。

新しい機能を構築し、企業文化を変え、チームを動かすには時間がかかります。そして、消費者の状況がこれほど目まぐるしく変化する中で、大胆な行動を取ることは常に困難です。最も簡単な、そしてほぼ例外なく誤った意思決定は、何もしないことです。

サマリー

ショッピングや購入活動の独自性が明確になるにつれて、企業はどのように未来の消費者の関心を高め、どのような製品・サービスを提供すべきかを見直す必要が出てきます。

この記事について

執筆者

Florian Huber

Chief Development Officer, EY GSA (Germany, Switzerland, Austria)

Transformation enthusiast. Connector. Entrepreneur and mentor. Conference speaker. Softball and handball fan. Family lover. Father of 4.