こうした特異的な治療法は変革をもたらす一方、課題も突き付けます。製造や管理が難しい上に高価なためミスは許されません。また、短期間の治療で治癒効果が得られることが特徴であるがゆえに通常よりも高額になるのです。
先日開催されたOCTS Cell Therapy SummitでEYが主催したCGT普及に関するパネルディスカッションでは、Optum(UnitedHealth Group傘下)の腫瘍部門のシニアバイスプレジデントであるSarah Dye氏が、細胞・遺伝子治療に新しい償還モデルを確立することの必要性を強調しました。「償還モデルを改善して患者のアウトカムと関連付け、バリューチェーン全体でインセンティブを調整し、治療にかかる高額な費用を複数年に分散できるようにする必要があります。支払いに関するこうした改革は現在の支払いモデルを大きく変えるため、確立するまでには時間がかかるでしょう」
コラボレーション環境の強化によりCGT業界の成果につながるのか
EYのプロフェッショナルチームは、CGTのバリューチェーンに沿って各ステップと協力のポイントを調査し、以下について考察しました。
- 命を救うこうした治療の普及をどのように支援できるか
- バリューチェーンの当事者が、いかに治療の状況について安全に確実に把握できるか
- CGT業界に対して、これまでにない⽅法でのコラボレーションの検討を促すには?
EYはまた、Microsoftとの協力の下、テクノロジーに関する重要課題に取り組みました。「データとテクノロジーにより生活を一変する個別化治療を安全性、アクセス、信頼性を確保した提供が可能になります」と述べるのは、Microsoftのメディカル責任者兼Worldwide Commercial Business(WCB)医療部門のバイスプレジデントであるDavid Rhew氏です。「私たちは、患者の適時・的確で適切な場所での治療を実現するため、いかなる量、種類、スピードの医療データをあるシステムから別のシステムにスムーズに取り込んで充実させるという課題の解決に取り組んでいます」
CGT業界が求めているのは、CGTエコシステムで患者のアウトカムに関わる主要な当事者を連携させることができる、Pointellis™のような信頼性の高いオープンなデータ交換プラットフォームです。Pointellis™は、命を救える可能性のある重要な治療法を迅速に提供し、高コストとなるエラーを最小限に抑え、最先端の治療を、その恩恵を受けられる患者全員に届けられるよう広く普及させるためのソリューションです。