またEYは、AI導入の取り組みを加速・最適化させるために、下図「AI導入のロードマップ」を提唱しています。6段階の詳細は既出レポートに掲載していますが、要点は下記となります。
1.AIが持つ可能性を理解する
AIに関する知見を持つ人材がサポート役とし、経営層の賛同を得る。
2.組織変革と計画策定を行う
アジャイルでオープンな組織文化を確立。戦略に沿ったKPIと予算の設定、プロジェクトサポートと専門チームを設置。
3.データの基盤構築と構造化を行う
データ主管部門がサプライチェーン全体のデータポイントを徹底監視。アナログデータのデジタル化、各種データのクリーニングと構造化でソリューションの有効性を向上。
4.外部とのパートナーシップを組む
AIノウハウの不足を補うためにスタートアップや研究機関、コンサルティングファームなどと連携。
5.社内でAI人材を育成する
従業員にAIスキル習得を促進。組織全体にデータサイエンスの理解を浸透。
6.アーキテクチャとインフラストラクチャーを構築する
ガイドラインと小規模モジュールを用いたプロセスで実証実験やソリューション拡張を実施。標準化されたインフラサービスを活用して柔軟なAIソリューションをアジャイルかつ強固に開発。
このうち、スタートアップとの協業は、「4.外部とのパートナーシップを組む」に登場します。もちろん、自社グループで対応をしていく方法もあります。しかし、予測が難しく、かつ可変的な環境の下で、迅速にサプライチェーンのレジリエンスや弾力性を高めるためには、すでにソリューションを持つ外部パートナーと協業を行うことは有力な選択肢と言えるでしょう。とりわけ、スタートアップは先進的な試みを行いつつ、柔軟な開発体制を持っており、不確実性の高い外部要因への対応を実現するには多くの利点が存在します。