1. 対象となる資産の増加に伴い、投資家人口が増え、アドバイザリーサービスや資産管理サービスの需要が高まりそうです。金融機関には、次のような戦略上の選択肢があります。
- 以下を利用して資産管理サービスを提供する体制を構築する戦略を策定する。
- デジタルプラットフォーム
- ファイナンシャルアドバイザー・チャネル
- 混合型またはハイブリッド型のアドバイザリー商品やサービス
- エコシステムまたはパートナーシップ戦略の構築および実行
2. 投資行動と支出行動が変化するにつれ、日本では分割取崩型商品、自由積立型商品または特定の目的向けの商品(老後資金づくりのための商品を除く)、オーダーメイドで高利益率の商品やサービスの需要が高まるものと考えられます。金融機関には、次のような戦略上の選択肢があります。
- 商品やソリューションのイノベーションおよび迅速な開発を可能にするケイパビリティへの投資
- 顧客関係管理(CRM)および顧客エンゲージメントを促進するデジタルツールへの投資
- デジタルマーケティングおよび顧客サービスのケイパビリティの開発
3. 外国人労働者の大幅な増加を中心に、日本国内の労働力の多様化が進むことで、クロスボーダー取引、複数通貨商品またはソリューション、多言語・多文化プラットフォームなどに対する旺盛な需要が生まれることになりそうです。金融機関には、次のような戦略上の選択肢があります。
- 業界の枠を超えたパートナーシップやフィンテック関連のパートナーシップの構築
- 国境を超えてシームレスに機能する商品ソリューションの開発
- 求められるケイパビリティと顧客を有するトップクラスの企業に対する選択的な投資などのM&A戦略の構築
日本社会の変化が、革新的で先見性のある金融機関にチャンスをもたらすことは間違いありません。また、日本の金融ニーズが変化する今、革新的な金融機関にしか成長のチャンスはないことも明らかです。