EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYではサステナビリティ開示・保証に関連したグローバル動向の最新情報を毎月お届けしています。
12月13日に閉幕した国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)には129カ国の代表が出席しました。 会議の主な内容は以下の通りです。
ISSBは、IFRSサステナビリティ・ナレッジ・ハブの立ち上げや、適用ガイダンスの各種言語への翻訳など、ステークホルダーがISSB基準を解釈し、適用できるようにするためのキャパシティビルディング施策に引き続き注力しています。ナレッジ・ハブは、IFRS財団と第三者機関の教育資料をまとめた、企業、監査人、投資家、規制当局のための情報源であり、本ニュースレターの読者にもおすすめです。ISSBはまた、グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)のサステナビリティ・イノベーション・ラボとの連携を発表しており、GRIとISSB基準間の相互運用性を推進しています。
以下の国々は、ISSB基準の全部または一部を自国の規制枠組みに導入することを正式に表明しています。
オーストラリア、ブラジル、カナダ、コロンビア、香港、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、ナイジェリア、フィリピン、シンガポール、台湾、トルコ、英国
国連環境計画・金融イニシアティブが、新興国企業向けに、気候変動リスクを報告プロセスに組み込むためのガイダンスを発表しました。
12月1日、国際監査・保証基準審議会(IAASB)の国際サステナビリティ保証基準ISSA 5000公開草案に関する意見募集が終了しました。EYもコメントレターを提出しています。
米国証券取引委員会(SEC)は、気候関連開示規則案の最終化に向けた作業を続けていますが、最終的な決定時期はまだ不透明です。ゲーリー・ゲンスラーSEC委員長は、最近の外交問題評議会で、米国の気候関連開示規則は企業が他法域でより厳しい開示要件に直面するのを避けるために役立つと述べました。
カリフォルニア州では今秋、3つの気候関連開示法 (温室効果ガス排出量報告を義務付けるSB-253、 気候変動関連の財務リスク開示を義務付けるSB-261、自主的なカーボン・クレジット市場参加者に対する開示義務を規制するAB-1305)が施行されました。一部の企業は、2026年からSB-253に基づく開示が義務付けられます。また、企業は2026年1月1日以前にSB-261に基づく開示が求められ、AB-1305は2024年1月1日から義務付けられます。
英国金融行為規制機構(FCA)が11月30日、サステナビリティ開示要件(SDR)と投資ラベル制度(PS23/16)を発表しました。PS23/16は、(i) すべてのFCA登録企業に適用される新しいグリーンウォッシング防止ルールであり、サステナビリティ関連と呼称する商品・サービスが公正かつ明確で誤解を招かないものであることを義務付け、また、(ii) サステナブル投資商品を区別することを目的とした投資ラベル・カテゴリーを導入しています。
このグリーンウォッシング防止ルールは2024年5月31日に発効し、新ラベル制度は適用準備が整った企業に対して2024年7月31日に発効します。PS23/16には、資産運用会社に対する追加的な要求事項(投資ラベルのない投資商品のネーミングやマーケティングに関する要求事項、投資商品に関する情報開示、運用会社自身に関する情報開示など)に加え、販売会社に対する新たな要求事項も含まれています。これらの追加的な要求事項は段階的に施行され、最も早いものでは2024年12月2日から発効されます。
メイリード・マクギネス欧州委員会委員は、COP28のEUイベントでのスピーチで、欧州委員会が現在力を入れているサステナビリティ開示の企業負担に関する「適正なバランス」について繰り返し述べ、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)の今後の優先課題を示しました。
EU加盟国は、ESRSを制定する法律である企業サステナビリティ報告指令(CSRD)を遵守するために必要な法律、規制、行政規定を制定するための移管プロセスをそれぞれ開始しています。このプロセスでは、各国がCSRDを適用する際の「加盟国オプション」を設けており、いくつかの国別差を許容しています。EU法では、加盟国は2024年7月6日までに移管措置を完了する必要があります。
12月5日、トルコはCOP28で、2024年からISSB基準を採用し、2025年から同基準に基づく開示を義務付けると発表しました。11月19日、バーレーン中央銀行は新たなESG開示要件を発表し、2024会計年度から上場企業や金融機関に適用されることになりました。この開示要件は主にGRIスタンダードを参考にしています。
12月6日、シンガポール金融管理局(MAS)は、ESG格付けやESGデータ商品のプロバイダーのための行動規範を公表しました。この行動規範は、格付け手法、データソース、ガバナンス、利益相反管理に関する基本的な透明性基準を確立することを目的としています。日本や英国ですでに行われているように、行動規範は「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法が採用されています。MASは関連する企業に対し、12ヶ月以内 に適用状況を開示するよう奨励しています。これとは別に、前述のISSB-GRIサステナビリティ・イノベーション・ラボがシンガポールで発足予定です。
12月6日、マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)は、Bursaの強化された開示要件に基づき、上場企業がサステナビリティ開示を提出するためのESG報告プラットフォームを立ち上げました。
現在予定されている、注目すべき今後の主な日程は以下です。
EYより、1,500社の気候関連開示に関するアセスメントである第5回気候リスク・バロメーターが発表されました。本報告書では、気候変動に関する情報開示を行う企業数が増加していることが明らかにされているが、多くの企業が依然として炭素排出量目標を達成していないことが判明しています。
How will understanding climate risk move you from ambition to action?
GRI-ESRS相互運用インデックスはまだドラフト段階ですが、GRIとESRS基準における開示要求事項やデータポイントがどのように相互に関連しているかを示し、多くの共通化がすでに達成されていることを示すもので、相互のデジタルタクソノミ対応のための強固なベースを提供するものとなっています。
GRI-ESRS Interoperability Index
2021年10月22日に欧州監督当局がサステナブルファイナンス開示規則のドラフト版細則を公表
2021年10月22日、欧州監督当局より、欧州の資産運用会社等に対する開示を義務付けた「サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)」における詳細な内容を定めた「ドラフト版細則(Draft Regulatory Technical Standards; Draft RTS)」が公表されました。
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