5 分 2020年12月14日
Group analysis of digital data

給与計算モデルが貴社の人材戦略の足かせになっていませんか?

執筆者 Olivia Yeoh

EY Asean Payroll Operate Leader

Passionate about helping organizations to reshape payroll strategies and operations for added value beyond compliance.

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EY Japan Family Enterprise Leader, EY Japan GCR Partner

オールラウンドの税務専門家。休みの日はスキーとゴルフを楽しむ、税務のプロフェッショナル。

5 分 2020年12月14日

多国籍企業は、グローバルに一貫して統合された給与計算ソリューションから利益を得ることができます。

要点

  • テクノロジーは、多数の国・地域にわたりグローバルな労働力を管理する多国籍企業が直面するコンプライアンスと標準化の課題を解決するのに役立つ。
  • 多国籍企業は、コソーシングまたはアウトソーシングの給与計算処理モデルを採用する場合、3つのオプションのいずれかを選択できる。
  • 多国籍企業は、現在および将来のニーズを容易に、かつコスト効率よく満たすのに十分な機敏性を備えた給与計算ソリューションを選択する必要がある。

グローバリゼーションと労働力の流動性は何年にもわたって増加してきています。新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、いつでもどこでも働くことができる分散型の「ニューノーマル」な従業員が出現しました。グローバルな労働力を持つ組織は、長い間、無数の法務、給与、その他の税務上の影響に直面しており、現在、機敏で分散した労働力に伴って複雑化する課題に対応する必要があります。

長年の課題の1つは、国・地域を超えてコンプライアンスと標準化を達成することです。この背景には世界中の法律がより細分化され複雑になっていることがあり、政府は現在、デジタル技術の進歩の助けを借りて、より強力な給与税徴収手段を追求しています。労働力の流動性の増加がより厳しい給与計算要件を満たすとリスクが増幅されるともいえます。

人事(HR)と財務システムの統合が欠如していると、マニュアル作業に大きく依存することもよくあり、特に国ごとの比較や洞察に際し、非効率性、エラー、監視の欠如を引き起こします。テクノロジーは、これらの落とし穴に取り組むのに役立ちます。価値の低い日常的なタスクの効率を高めるだけでなく、堅牢でデータ駆動型のプロセスとツールが実現する高度なデータ分析は、リスクの管理とグローバルな人的資本の最適化をより効果的に行えるコスト分析を組織に提供することが可能です。しかし、テクノロジーへの投資にはコストがかかることも多く、そのメリットを最大限に活用するには、適切な人材とスタッフの継続性が必要であることも忘れてはなりません。

これらの多面的な課題により、組織は給与計算機能ならびに運用の戦略とモデルを再考する必要があります。給与計算機能が、コンプライアンスを超えてビジネスに付加価値を与え、優れたエンプロイーエクスペリエンス(従業員体験)を提供するにはどうすればよいでしょうか。

 

グローバル給与計算モデルの仕組み

多くの大規模な組織では、業務の量と複雑さを考えると、社内で給与計算を管理することは実行可能であるとはいえません。多くの組織はコソーシングまたはアウトソーシングモデルを選択し、外部のサービスプロバイダーと連携しています。しかし、ある組織で機能するものが別の組織に役立たない場合があり、ビジネスニーズが進化するにつれて、現在のモデルでは将来における需要を満たせるほど拡張できない可能性もあります。

外部の給与計算ベンダーを活用する際、通常、各国でローカル給与計算ベンダーを任命する、給与計算アグリゲーターを任命する、またはグローバルな給与計算ソリューションプロバイダーを任命する、という3つのオプションのいずれかを選択します。

 

各国でローカル給与計算ベンダーを任命する

現地のローカル給与計算ベンダーを利用する組織は、複数の契約を維持しています。通常、給与計算が必要な国ごとに1つの契約を結んでいます。このような組織は、複数の国の多様な現地税法および雇用法に対応しながら、多通貨での支払いを管理するという困難な課題に直面しています。給与計算が断片化されていては、給与計算にかかるコストを正確に予測するための包括的でリアルタイムなデータ分析は提供されません。
このモデルは、中小企業にはまだ適しているかもしれませんが、組織と政府がそれぞれ意思決定と税務管理のために、より一元的に管理された人材と給与データを求めているため、ますます懸念は高まっています。

 

給与計算アグリゲーターを任命する

このモデルを採用する組織は、アグリゲーターまたは「グローバル」給与計算ベンダーとの単一の契約を維持し、最終的には、全てまたは一部の国・地域でローカル給与計算ベンダーと個別に下請け契約を結ぶことになります。アグリゲーターは組織から給与データを取得し、それを各国のベンダーのネットワークに配布します。ローカル給与計算ベンダーは、現地で給与計算を行い、計算されたデータをアグリゲーターに送り返します。アグリゲーターは、組織に代わって給与計算処理を管理します。組織は複数のベンダーを管理する煩わしさから解放されますが、アグリゲーターが必要なリアルタイムのレポートを提供することはできません。

複数の下請け業者が使用されている場合、応答性、品質、一貫性の欠如はよく見られる欠点です。特に新型コロナウイルスの世界的感染拡大のような非常に珍しい状況では、アグリゲーターがリモートワークに適応する能力を備えていないローカル給与計算ベンダーと協働している場合、ビジネスの継続性に影響を与えます。

 

グローバルな給与計算ソリューションプロバイダーを任命する

多くの大手多国籍企業や急成長中の企業は、従業員とエンプロイーエクスペリエンスを重んじているため、成長する組織に将来的にも適合していけるよう、従業員関連の機能を強化するための投資を行っています。

このような組織は、ビジネスと労働力のニーズの変化に応じて、効率的かつ費用対効果の高い方法で拡張性のあるグローバルな給与計算ソリューションを提供する単一のベンダーを任命することが有益であると考えています。ベンダーは、対象となる全ての国の従業員に対する合理化されたオンボーディングプロセスの実施を促進し、クライアントのコンプライアンスを支援し、規制の変更について積極的にアドバイスします。

処理された全ての給与計算は、グローバルなレポートや分析とともに、人事および財務システムと統合可能な単一の統合テクノロジープラットフォームに集約されます。このようなプラットフォームは、世界中のリアルタイムデータの可視性を高め、データセキュリティのコンプライアンスと一貫性を確実にすると同時に、より優れた事業継続計画を可能にします。

グローバルな給与計算ソリューションプロバイダーを任命することは、多くの組織にとって大きな決断です。特に、世界中の何千人もの従業員に影響を及ぼす可能性がある場合はなおさらです。2019 EY Global Payroll Survey Reportでは、回答者の約3分の2が、真にグローバルな給与計算モデルが組織に大きなメリットをもたらすことに同意しました。

組織においては、現在および将来にわたって組織と連携して取り組むことができ、幅広く高度な機能を備えた適切なソリューションプロバイダーを選択することが重要です。成長という目標を持つ組織にとって、これはビジネス戦略を可能にするための積極的な決定でなければなりません。

統合された、拡張性があり費用対効果の高いテクノロジープラットフォームを通じて、グローバルな給与計算ソリューションベンダーは、世界中のリアルタイムデータの可視性を高め、データセキュリティのコンプライアンスと一貫性について安心を提供し、事業継続計画の改善を支援します。

サマリー

グローバリゼーションと労働力の流動性の高まりに伴い、給与計算処理はますます困難になってきています。
多国籍企業の現在および将来のニーズを満たすために十分な俊敏性を備えた、拡張性があり費用対効果の高い統合プラットフォームをグローバルレベルで提供できる給与計算ソリューションプロバイダーは、この課題を解決する立場にあります。

この記事について

執筆者 Olivia Yeoh

EY Asean Payroll Operate Leader

Passionate about helping organizations to reshape payroll strategies and operations for added value beyond compliance.

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