それは、パンデミックに伴う経済活動停止の影響に男女差があるからです。職を失った割合は、世界中で男性よりも女性の方が高くなっています。パンデミックの影響を最も受けた職種や業種に就いていたのは、主に女性です。男女の賃金格差は悪化し、それが退職後の生活や年金の格差拡大や、極度の貧困状態にある女性と女児数の増加につながっています。国連の予測では、パンデミックが女性に与えた経済的影響を元に戻すには少なくとも10年を要するとしており、一部の地域では、同一賃金の改善状況が2008年の金融危機の水準にまで後退しています。
保育園、保育所、学校などのインフラサービスは依然として利⽤がままなりません。家庭向けサービス提供業者はサービスを提供できずにいます。⾼齢者や⾝体的弱者のための計画は中⽌されています。こうしたサービスは、男⼥ともに仕事を続けていく上で⾮常に⼤切ですが、⼥性にとっては特に重要です。とりわけ、パンデミックの影響を⼤きく受けているこれらの職業に従事する⼥性にとって、その意味は⼤きいと⾔えます。⼥性は男性の3〜4倍の時間を無償労働に費やしているとの試算もあり、働く⼥性が不可能に近い選択を強いられることが増えています。シングルマザーやパートタイムで働く⼥性、安定した労働時間を得られない⼥性は支援がなければ仕事を続けることができません。育児・介護費⽤を負担する経済的余裕がある、またはリモートワークができる⼥性であっても、在宅学習や介護など家族の世話をし、サプライチェーンが中断されるなかで⾷料品や最低限の⽣活必需品を購⼊しなければならないなど、より多くの時間を取られる状況にあります。