EYは、世界各国のビジネスパーソン15,316名(日本在住者1,009名を含む)に対してオンラインサーベイを実施しました。現在世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、企業のニューノーマルへの適応方法や、従業員側からの労働環境の志向性、またそれらの地域による差異の傾向をまとめ、労働環境の現状・未来に関して解説します。
オンラインサーベイの概要は下記の通りです。
コロナ禍における日本の労働環境に関する調査結果
日本企業における労働環境について、本年の調査結果の要点として以下の3点が示されています。
本年の調査結果のハイライト
1. コロナ禍における企業文化について
- 海外では、企業文化がコロナ禍に適応している傾向にある一方で、日本企業には大きな変化が見られない。
- 全回答者のうち47%が、パンデミックが始まってから企業文化が変化し、良くなったと回答しているが、日本では33%であった。

2. コロナ禍における生産性について
- 日本企業は、リモートワーク下での生産性向上に苦慮している傾向にある。
- 全回答者の64%が、オンサイト勤務とリモートワークの新しい組み合わせが自社の生産性を向上させると考えているが、日本では39%にとどまる。
- 全回答者の65%が、オンサイト勤務/リモートワークにかかわらず、マネージャーやリーダーは能力を発揮していると考えているが、日本では37%にとどまる。
- 全回答者の66%が「働く場所に関係なく、会社は、自分の仕事に対する生産性を測定できる」と回答している一方で、日本の回答者では29%のみにとどまっている。



3. 勤務形態の柔軟性について
- 日本企業に勤務している従業員は、勤務地の柔軟性よりも勤務時間の柔軟性を重視する傾向にある。
- 「労働時間の柔軟性が極めて/中程度の重要性を持つ」(88%)、「働く場所の柔軟性が極めて/中程度の重要性を持つ」(87%)と考える人の割合は、回答者全体では大きな差はなかったが、日本の回答者は、「働く場所の柔軟性」(74%)よりも「働く時間の柔軟性」(81%)を重視した。
- パンデミック後にフルタイムでオフィスに出社して、またはオフィス出社主体のハイブリッド型で働くことを希望する回答者は全体の34%にとどまったが、日本では46%にものぼる。


本調査を通じて、海外企業がコロナ禍を企業変革の契機と捉える一方、日本企業はあくまで一時的な事象として捉え、新たな働き方へのシフトが遅れているという現状が浮き彫りになりました。
このままの状況が続けば、海外企業に対し、一層の後れをとるという事態にもなりかねません。各企業において、早急にニューノーマルにおける労働環境を検討・整備していくことが求められています。
日本企業に関する調査結果サマリーは下記PDFをご覧ください。
この調査元であるグローバルサーベイ(Work Reimagined 2021)については下記のプレスリリース(英語)をご参照ください。
サマリー
EYは、世界各国のビジネスパーソン15,316名(日本在住者1,009名を含む)に対してオンラインサーベイを実施しました。企業のニューノーマルへの適応方法や、従業員側からの労働環境の志向性、またそれらの地域による傾向をまとめ、労働環境の現状・未来に関する詳細はPDFをご覧ください。