EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
より良い社会を共に創る未来のプロフェッショナルに向けた、アスリートたちからのメッセージをご覧ください。
要点
炭谷:私は入社するまで、EYについては「会計事務所や、コンサルティングの会社」ということくらいしか知りませんでした。その印象が変わったのは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けてEYがテレビでコマーシャルを流していた時です。驚きましたね。そのコマーシャルを見て、障がい者スポーツにとても理解のある会社なんだということを知り、入社を即断即決しました。スポーツへの理解度が他の企業より高いことがポイントでした。
廣道:僕も最初は、EYがどんな会社か知らなくて。毎年遠征に行くオーストラリアの街中にEYの大きなビルがそびえ立っているのですが、2015年にすでにEYに入社していた、同じ車いす陸上仲間の松本直幸選手が「あの会社だよ」と教えてくれて。「あんなに大きな会社なのか! すごい!」という会話からEYを知りました。私は2004年から、自分でスポンサーを見つけてプロ車いすアスリートとして活動し、競技主体の生活を送ってきました。そして2019年に新しい所属先を探していた時に、真っ先に連絡をもらったのがEYだったんです。条件面などを考慮するよりも、一番最初に声を掛けていただいたということで、ぜひEYに決めたいと思いましたね。仲間に入れて良かったです。
龍川:私はロゴが決め手でした(笑)。練習拠点を出身地の福井県から関東圏に移したばかりで分からないことが多かったのですが、障がい者アスリートの就業を支援してくれる会社から紹介いただいた企業の中で、EYのロゴが一番かっこよくて。EYの仲間に入りたいと思いましたね。ユニフォームにはロゴが入るので「EYのロゴが入ったユニフォームを着て大会に出場したい!」と思ったことが大きかったですね。EYのロゴを背負って大会に出場することで私自身、とてもプライドが持てます。実際に世界選手権でロゴ入りのウエアを見た海外の選手から、「私の友人もEYで働いているよ。良い会社だよね!」と話しかけられた時はとってもうれしかったです。
岩崎:私の場合、入社の決め手は何事にも誠実な会社であったことですね。入社してみても、アットホームで、温かみのある素晴らしいプロフェッショナルファームだと思いました。実際に東京の日比谷にあるオフィスにも行ったところ、先進的で、大人数で会議ができるスペースと、個人ワークスペースが見事に融合されていて。リモートワークも進んでいますが、このオフィスもコミュニティーの場として絶対に欠かせないものだと思いました。
オンライン上で実施した座談会(右上から時計回りに炭谷選手、廣道選手、岩崎選手、龍川選手)
廣道:EY所属のアスリート仲間から東京2020パラリンピック競技大会に出場する選手が2名いて、彼らの壮行会、応援会、祝勝会をパラ・デフアスリートたちと社員が一緒になってオンラインで開催しました。EYには17名のアスリートが所属していますが、これだけ多様な競技種目に取り組むアスリートが集まっている会社は本当に少ないと思います。障がい者競技の世界では、競技が違うと、本当に接点がありません。EYがハブとなって交流ができることで、お互いのモチベーションアップにもつながっていると感じますね。
龍川:コロナ禍においては、実際に会って話して語るという機会がなかなかありません。そんな中でも、EYではオンライン上であっても、今日のようにお話しできる機会がいくつもあります。すごくうれしくて楽しくて。早くリアルでみんなに会いたいなって思いますね。
炭谷:パラ・デフアスリート同士の交流だけでなく、ウェルビーイングの向上を目的とした「バーチャルラジオ体操イベント」というオンライン企画を社員の皆さんと一緒に開催しました。お昼休みの時間を使って体をリフレッシュさせるためのアドバイスや、自分が取り組んでいる競技や活動の紹介をさせてもらいました。社内交流プラットフォームを活用し、大会結果だったり、参加したイベントの報告ができる環境も整っていて、さまざまな視点を活用し、多様性の力を信じている雰囲気がありますね。もっともっと社員の方々と交流して、いろいろな活動をしていきたいです。
ウェルビーイングの向上を目的とした社内イベント「バーチャルラジオ体操」の模様
岩崎:社員の皆さんとの交流は、このような状況なので現在はオンラインとメールでのやりとりに限られています。それでも決して事務的なものではなく、お互いの違う世界を報告し合うことで、双方にとって新しい世界を発見したり、刺激を分かち合えたりしているかなと思いますね。
龍川:今後、私は社員の皆さんと一緒にトレーニングをしたいと思っています。私が取り組んでいるパワーリフティングという競技は誰でもできますし、道具もそれほど必要としません。社員の皆さんも一緒に気分転換として筋トレに取り組むことで、オフィスでのパフォーマンスも上がるんじゃないかな。
廣道:東京2020パラリンピック競技大会期間中に、僕たちの仲間であるパラ競泳の富田宇宙選手と車いすテニスの諸石光照選手の試合をオンライン上で一緒に応援する「バーチャル応援会」が開催されました。私はそこでMCをさせていただいたんですが、とても一体感を感じました。日本だけでなくAPACのリーダーも参加したんです。社員の皆さんが本当にスポーツに興味を持っていることを実感しました。そのうち、社員とパラ・デフアスリートが競う大運動会のようなイベントを開催したいですね。
龍川:私の障がいは見た目からは分かりづらいのですが、健常者と障がい者の「はざま」の人は、社会的にもスポーツ的にも中途半端な状態に追い込まれがちです。健常者の側にも行けず、障がい者の側にも行けないという人が、実はたくさんいます。例えば、競技者として健常者のカテゴリーへ行くと、障がい者の方へ行ってくださいと言われ、またその逆もあります。これは競技だけではなく、就職にも、障がい者用トイレにも関わってくる問題で、簡単には解決できませんから、そうした私の経験から伝えられるメッセージを発信していけたらと思います。
炭谷:僕は、インクルーシブな社会をみんなでつくっていき、誰も孤立させないことが重要だと思います。中でも、「声掛け」はとても大切で、同じマンションに住んでいる小学生が僕の姿を見て驚くのですが、「ここに住んでるんだよ」と話すと表情が和らぎ、そこから交流が生まれます。やはり、コミュニティーなり、あるいは企業の中でも孤立させない土壌づくりが大切だと思います。
廣道:僕自身は、高校生の時に事故に遭い、車いす生活を送るようになったので、健常者と障がい者の両方を経験しているわけです。健常者の時に知らなかったことがどれほどあったことか。そもそも、僕が負った脊髄損傷のことも知りませんでした。公園にある車いす用のトイレも、「障がい者は公園に遊びに来ないじゃないか」と思っていたんですよね。でも、公園に行くんです、僕も(笑)。全て、自分が経験できたから言えることなので、こうしたことを若い世代に伝え、学ぶ機会をつくっていきたいと思います。
岩崎:私は、障がいを持っている方たちに、もっとスポーツに触れる機会をつくるサポートをしたいですね。スポーツを通じて心豊かな社会を構築できると信じています。障がいを持った方たちの潜在的なニーズにスポットを当てることで、ダイバーシティ&インクルーシブネスの実現に近づくのではないでしょうか。
廣道:僕は最初に参加したEYのイベントで、社員一人一人がプロフェッショナルとしての自覚を持って働いていることが伝わってきました。そして「この人たちの仲間に入れたら、自分の知らない世界をもっと吸収できて、自分も成長できる」と実感したんですよ。僕は競技のプロフェッショナルとして競技を全力で頑張ってきましたが、EYの人たちのプロフェッショナルな姿勢に共通するものを感じました。さまざまな分野のプロフェッショナルと一緒に仕事ができることが自分の成長につながる第一歩だと思いますし、就職を考えている学生の皆さんには「いいよ、この会社」と伝えたいです。
炭谷:私もこれまでいろいろな組織に属してきましたが、EYはメンバーのポジティブな面を生かしていく会社だと実感しています。お互いに少しずつでもいいから、持ち味を発揮していけば目標を達成することができると感じられます。そうした姿勢の会社です。
龍川:私はネガティブに考えがちな性格だったのですが、一緒に仕事をしたいと思う人って、絶対にポジティブなんです。EYにはそういうポジティブな方が多くて、みんなとても温かいので、「ここにいたら私もポジティブになれるかも」と感じています。誰もが前向きに仕事に取り組める環境が整っている会社だと思います。
岩崎:私は、EYを気さくでフレンドリー、実にアットホームな素晴らしいプロフェッショナルファームだと思っています。ただし、プロフェッショナルとして結果を出していくための覚悟は必要でしょうね。
全国各地で活動するアスリートとこの日集まった1,000人以上のEYメンバーが一緒に仲間を激励(バーチャル壮行会)
炭谷:私は競技と並行して、社会貢献活動に取り組んでいきたいですね。廣道さんは一般社団法人スポーツ・オブ・ハートの名誉理事として、大きなイベントを主催されていて、パラスポーツと社会活動をミックスさせる活動を続けていますよね。パラスポーツとファッションショーを組み合わせるなど、さまざまな個性の人たちが集まるイベントの運営・開催などを、私もやってみたいですね。
廣道:パラ・デフスポーツにはいろいろな競技種目があり、人間の可能性につながっていくはずなのですが、新しい選手の発掘がなかなか進んでいないという問題があります。そのような問題解決のために、パラスポーツをやってみませんかと全国キャラバン的なことをEYのメンバーと一緒に展開し、パラ競技者を増やす機会をつくるようなことを企画していきたいですね。EYには17人ものアスリートがいますから、その強みを生かせることを実現したいと考えています。
岩崎:私は環境の整備という面で、聴覚障がい者の皆さんに、もっとゴルフと触れ合う機会をつくりたいですね。今後、自分の活動として継続した取り組みをしていきたいです。
龍川:私の競技はかなり生涯現役と言える競技なので、ギリギリまで現役を続けたいですね。先ほど「はざま」の難しさについて触れましたが、健常者の方と「新しいルールでみんなが出場できる大会をつくりたい」と話しています。誰もが参加できる、ユニバーサルスポーツの大会という意味です。子どももお年寄りも、本当に誰でも一緒に参加できるスポーツのイベントがどんどん増えていったら面白いと思います。
廣道:実は僕には今、楽しみにしていることが1つあります。今月から、EYの若手メンバーと一緒に長期的価値(Long-term value、LTV)をどう「自分ごと化」し、EY Japanの将来がどうあるべきかを考えるワークショップに参加するんです。さまざまな人と話し合うことでインクルーシブなカルチャーが生まれると信じていますが、何よりもEYにはこういった機会が日常的にあるので、これからも積極的に参加していきたいですね。
岩崎 善徳(いわさき よしのり)
デフゴルファー
主な成績:第24回日本デフゴルフ選手権優勝
大阪府生まれ。13歳の時に父親の影響でゴルフを始める。以降、ゴルフ一筋で今日に至る。平均飛距離290ヤードのドライバーショットと正確なアイアンショットが持ち味。デフリンピック強化指定選手。
2021年EY Japan入社。
炭谷 延幸(すみたに のぶゆき)
パラ陸上競技選手
主な成績:SUMMER DOWN UNDER2020 - シドニー大会400m3位、SUMMER DOWN UNDER2020 - キャンベラ大会100m3位
福岡県生まれ。高校3年生時に交通事故に遭い、車いす生活となる。競技生活は20年のベテランだが、自己ベストを更新し続けている。競技と並行して、スポーツ専門学校などで「車いす生活における留意点」と「脊髄損傷疾患に対するリハビリテーション」をテーマにした講義講師を務めている。
2020年EY Japan入社。
龍川 崇子(たつかわ たかこ)
パラパワーリフティング選手
主な成績:全日本パラパワーリフティング国際招待選手権大会61kg級2連覇
福井県生まれ。20代の時に特発性大腿骨頭壊死症(両脚)が発症しその後、車いす生活となる。2017年にパラ競泳からパラパワーリフティングに競技を転向し、日本選手権で連覇を達成。2021年度強化指定選手。
2020年EY Japan入社。
廣道 純(ひろみち じゅん)
パラ陸上競技選手
主な成績:シドニー2000パラリンピック競技大会800mT53銀メダル、アテネ2004パラリンピック競技大会800mT53銅メダル
大阪府生まれ。高校1年の時にバイク事故によって脊髄を損傷し車いす生活となる。
パラリンピックに4大会連続で出場し、2大会においてメダルを獲得。日本初のプロ車いすアスリートでもあり、現在も2種目で日本記録を保持。一般社団法人スポーツ・オブ・ハートの名誉理事。テレビコメンテーターやラジオ番組のパーソナリティーも務め、活動は多岐にわたる。講演テーマは、「どうせ、生きるなら」など。
2020年EY Japan入社。
生島 淳(いくしま じゅん)
スポーツジャーナリスト。宮城県生まれ。広告代理店勤務を経て、1999年にスポーツジャーナリズムの世界へ。オリンピック取材は8回、ラグビーワールドカップは6回を数える。著書に『エディー・ジョーンズとの対話』(文芸春秋)、『箱根駅伝ナインストーリーズ』『奇跡のチーム』(共に文春文庫)など多数。早稲田大学、鹿屋体育大学非常勤講師。
*1 パラアスリート:主に身体障がい者を対象とした競技種目の選手
*2 デフアスリート:主に聴覚障がい者を対象とした競技種目の選手
EYは 「Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)」をパーパスとして掲げており、社会にポジティブな影響を与えたいと考える文化があります。本稿では、パラ・デフアスリートの視点を通じ、その立場にあるからこそ実現できる社会貢献活動について語っています。
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