個が活き、協働する力が発揮される組織であるために:税務、監査、コンサルティングで培ったグローバルな経験から見えること

個が活き、協働する力が発揮される組織であるために:税務、監査、コンサルティングで培ったグローバルな経験から見えること


People Story

税務、監査、コンサルティングと異なるフィールドでグローバルな経験を持つ3名が、EYのグローバル連携の在り方、世界共通のEYのパーパス・価値観、一連の取り組みがクライアントをはじめとするステークホルダーにどのような影響を与えているのか語り合いました。


要点

  • 異なる環境に身を置くことで生まれる相互理解
  • 共通の価値観とパーパスの存在:一人一人の判断や行動にどう反映され、どう周囲に波及していくのか?
  • EYのメンバー、クライアント、社会全体がAll inで連携していく


EY Japanはバックグラウンドや考え方など、さまざまな個性のメンバーがつながり、時に意見をぶつけ合うことで、新しいアイデアが生まれ、組織が活性化すると考えています。そこで、海外駐在勤務を経験したメンバー2名と、海外で生まれ育ち現在は日本のEYで働くメンバー1名で鼎談を実施。EYのグローバル連携の実態や、世界共通のEYのパーパス・価値観との関係性、一連の取り組みがクライアントをはじめとするステークホルダーにどのような影響を与えているのか語り合いました。


写真左から)EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ストラテジー:平澤 祐輝、EY新日本有限責任監査法人 アシュアランスイノベーション本部 AIラボ:出口 智子、EY税理士法人 タックス・テクノロジー・アンド・トランスフォーメーション:甲斐荘 芳生

(写真左から)
Kylie Torossian:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 トランザクション・ストラテジー・アンド・エグゼキューション
後藤 美穂:EY新日本有限責任監査法人 第3事業部
梅本 祥弘:EY税理士法人 国際税務・トランザクションサービス部(ITTS)

税務、監査、コンサルティングと異なるフィールドでグローバルな経験を持つ3名が参加
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税務、監査、コンサルティングと異なるフィールドでグローバルな経験を持つ3名が参加

異なる環境に身を置いて見えてきたこととは?


ー まずは、これまでのキャリアと現在の所属先について、簡単に説明をお願いします。

梅本 私は2016年からEY税理士法人の国際税務・トランザクションサービス部(ITTS)に所属しており、移転価格税制を中心とした国際税務アドバイザリー業務に従事してきました。2022年11月からEYシンガポールのTax部門に出向し、約2年間にわたって現地のクライアントに税務アドバイザリーサービスを提供し、2024年10月に帰国しました。ちなみに、現職に就く前はEY新日本に在籍しており、実は後藤さんと同じ部署に一時期所属していました。

後藤 私は2008年に新卒でEY新日本有限責任監査法人に入り、今日まで一貫して会計監査業務に携わってきました。今梅本さんからお話をいただいてご一緒していたことを思い出しました(笑)。2021年の9月からはアメリカのシカゴに赴任し、夫と2人の子どもとともに現地で暮らしながら、監査を通じて日本企業の海外事業展開をサポートしてきました。3年間の駐在生活を終え、2024年8月に帰国しました。

Torossian 私は地政学、そしてファイナンス系のITを経験後、2019年にEYストラテジー・アンド・コンサルティングに入社しました。所属している部門では、M&Aを中心に経営戦略とプロジェクト管理の業務を担っています。オーストラリアで生まれ、その後育ったバヌアツではフランス語が公用語の一つでしたし、フランスでの暮らしも長かったので、現在の所属部署でもフレンチデスクを担当しています。日本語は母と話せていたものの、読み書きはフランス在住時代に頑張って習得しました。

グローバル共通の価値観に基づき、意見の「健全な衝突」を奨励する企業風土


ー 実際に海外で働いてみて、日本とは異なる仕事の進め方などに戸惑いを感じたことがありますか? Torossianさんの場合は、逆に日本における仕事の進め方で違和感を覚えたことについてお聞かせください。

梅本 他の国々・地域でも同じかどうかは定かでないのですが、少なくとも私の赴任先であるシンガポールでは、インストラクション(指示・指導)が驚くほど簡略でした。例えば、配属直後に自分が使うPCを受け取る際にも、どこへ出向けばいいのかだけの説明にとどまり、その後にどのような手続きをすべきかについては一切アナウンスがありませんでした。日本とは異なるルールに戸惑いながらも、知人などに聞いてどうにか手続きを済ませることができました。現地では、分からなければ必ず質問してくるはずだという前提のもとで物事を進めているようです。細かな段取りまで事前にきちんと説明を受けるのが当たり前だった日本とは対照的で、こうした文化の違いに馴染むまでには少々時間を要しましたね。

後藤 シカゴ赴任中に直属の上司からよく言われた言葉が「Do the right thing」で、私が働くうえでの心の支えにもなっています。おそらく、 ディベート文化が根づいていることがその背景にあるのでしょうが、職場の同僚たちの間では、上司などから批判的なコメントを投げかけられたとしても、それはあくまで自分のアクティビティ(行動)に対する意見であって、自分のパーソナリティ(人格)を否定しているものではないという切り分けができているように見受けられました。また、アメリカでの働き方は私のようなワーキングマザーにとって非常に好ましいものでした。午前8時頃から仕事を始めて午後5時には退社し、その後は家族と過ごす時間に充てられるケースが多かったからです。家族の就寝後、オンラインで残務に手をつけるかどうかも各自の裁量に任せられていました。

Torossian 来日した直後は、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)などで曖昧な言い方の指導をされることに戸惑いましたね。遠慮気味に遠回しな表現で指示を受け、何をどうしてほしいのかがすぐにはピンとこなくて、少し時間が経ってから、具体的に何を依頼したかったのかに気づくというケースが多かったと思います。なるべく相手を傷つけないようにとの配慮からなのでしょうが、ストレートに指示したほうが効果的な場面も少なくありません。現在、私が関わっているM&Aのようなプロジェクトでは、問題が発生したら速やかに解決することが求められ、そのためには個々の意見を率直にぶつけ合う必要があります。また、インターナショナルなプロジェクトでは海外の関係者から積極的な意見が寄せられる半面、その中には専門的知見が不足している内容のものもあります。その点、EYではグローバルに掲げている共通の価値観に基づき、意見の「健全な衝突」を奨励する企業風土が根づいています。ですので、私も意見交換の場で感じたことは、率直に発言できますし、部下にも言えるように取り組んでいます。


EY共通のパーパスや価値観に基づく行動が ステークホルダーにより良い結果をもたらす
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EY共通のパーパスや価値観に基づく行動が ステークホルダーにより良い結果をもたらす

共通のパーパスと価値観は、一人一人の判断や行動にどう結びつき、クライアントやその先にある社会にどう波及していくのか?


梅本 先ほど後藤さんが触れていた「Do the right thing」にも関連しますが、EY共通の価値観の一つに、「正しいことを実行することによる信頼関係の構築」というものがあります。EY内部における意見の「健全な衝突」もそれと同様で、結局はクライアントをはじめとするステークホルダーに対してより良い結果をもたらすことにつながると思います。EYでは経営陣のミーティングにおいても、「パーパスの観点から捉えてその判断は正しいのか?」といった言葉がよく出てくるという話も耳にします。単にEY共通のパーパスや価値観を掲げているだけではなく、現場におけるさまざまな意思決定やビジネス上の行動にもしっかりと落とし込まれていると非常に感じていますね。

後藤 私が従事している会計監査の仕事はリカーリング(継続的なサービスを提供するビジネスモデル)なので、長く繰り越しで踏襲していることが少なくありません。しかし、現実には外部環境の変化や世代交代とともに、踏襲すべきではないことも出てくるはずです。そして何より、EY共通のパーパスであるBuilding a better working worldを目指すうえでは、本当にフォーカスすべきポイントに絞って資源と時間を投下し、高品質のサービスを追求することが不可欠だと言えます。だから、リカーリングに当たっては意見の「健全な衝突」を通じて、本当に必要か否かを細かく検討する必要があると思っています。そういった点について突き詰めることは、クライアントにもBuilding a better working worldをもたらす結果につながると信じているからこそです。

Torossian  EYのパーパスであるBuilding a better working worldは、自分たちのチームの日々の行動から始められます。EYの職場環境はとてもインクルーシブで、健全な意見の衝突が奨励されています。健全な意見の衝突を通じて、個々の強みを生かすことで、チームメンバーとクライアント双方に価値を提供できていると思います。


失敗を恐れず果敢に挑戦できる環境で、上司にも遠慮のない相談や意見が可能


ー 海外と比べて、日本流のビジネスは慎重で堅実である半面、意思決定が遅いとも言われています。それぞれを比較できる立場として、実際にどのように感じていますか

後藤 日本的なビジネスの進め方は、アジャイルな対応を苦手としがちだという側面があるのは確かでしょうね。許容できるリスクか否かの判定も、相対的に保守的であるケースが多いかもしれません。海外ではまずは走り出すことが重要で、問題が発生した場合の対応については走りながら考えればいいというのが一般的だと思います。

Torossian リスクがあったとしても、チャンスも大きければアグレッシブに投資するというのが海外でよく見られる動きです。たとえ失敗したとしても、それは次の成功につながる貴重な経験になると前向きに捉えます。この失敗を恐れないという姿勢は、日本のEYでも根づいていると思います。

梅本 Torossianさんがおっしゃる通り、失敗を恐れず果敢に挑戦すること、そのための活力や情熱、勇気を持つことは、グローバルに共通するEYの価値観の一つです。日本においても部下の失敗を許容するというカルチャーが醸成されていたので、躊躇なく行動に移し、困ったことに直面したら、上司に気軽に相談できました。部下が上司に遠慮なく発言できる環境が整っていることは非常に大事なことなのだと、海外で働きながら再認識しましたね。

Torossian 上司が「誠実、相互の敬意、協働、インクルーシブな精神の実践」(EYの価値観の一つ)を強く意識していることも、現在の部門で働くようになって痛感しました。そのことは、人材の定着率にも結びついている気がします。私が所属する部門では、プロジェクトのメンバーを任命する際にも、個々のスキルや専門性、パーソナリティなどを細かく考慮して人選しています。私の場合は、海外で働いた経験が豊富であることを踏まえ、そのバックグラウンドを生かせるプロジェクトを任されています。

梅本 その点に関しては、EY税理士法人も同様ですね。多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まっており、それぞれの専門性などを踏まえたうえで、各クライアントにとってベストとなるサービスを提供できるチームを編成しています。そのようなチームが結成されれば、おのずとコミュニケーションも円滑になり、こうした組織力の高さも高品質なサービスに結びついていきます。


密な連携でグローバルに距離が近く、全世界のEYがAll inの組織になっている


ー 最後に、EYで働いていてよかったと感じていることについてお聞かせください。

Torossian まさに、インクルーシブな組織である点についてですね。単に多様なバックグラウンドを持つ人たちを広く採用するだけにとどまらず、それぞれが本当のバディ(仲間)として力を合わせられるのかを突き詰めたうえで、インクルーシブな組織が形成されていると思います。コンサルタントビジネスを通じて、積極的に変化を遂げようとしているさまざまなクライアントの動向を目の当たりにできることにも大きな意義を感じています。

梅本 やはり、組織の中で誰に気兼ねすることもなく自分の考えを素直に発言できるという「心理的安全性」が確保されていることに魅力を感じています。当然ながらシンガポールでは日本人スタッフの数は限られており、自分はマイノリティの立場で仕事を進めていました。逆に帰国後の自分は完全にマジョリティの存在であり、税務に関するキャリアも蓄積してきています。こうして両方の立場を経験したことで、国籍や人種、性別の違いなどはもちろん、さまざまなキャリアを経てきた人を幅広く受け入れ、お互いに敬意を払いながら協働できる土壌がEYに培われていることを改めて感じました。

後藤 私はEY以外で働いた経験がなく、他社との比較はできませんが、単に世界ビッグ4に数えられるプロフェッショナル・サービス・ファームであるだけにとどまらず、非常に連携が密でグローバルに距離が近いと思います。グローバルに共通のパーパスや価値観を掲げながら情報の共有がしっかりとなされているという意味で、全世界のEYはAll inである(ともに最善を尽くそうとしている)組織だと感じています。


EY Japan 統合報告書 2024

Integrated Report 2024

サマリー

多様なバックグラウンドを持つ一人ひとりが、EY共通のパーパス・価値観の下でコラボレーションしながら、日々切磋琢磨しています。



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