価値の循環を通じて未来をひらくには

EY Value Realized 2022は、EYの統合報告書です。この中で、私たちのステークホルダー、つまり、EYのメンバー、クライアント、そして社会にEYがもたらしている⻑期的価値についてお伝えします。

⻑期的価値をもたらすとは、どのようなことでしょうか。EYのメンバーに対しては、独⾃のキャリアを築くために必要な経験、トレーニング、スキル、サポートを提供することです。2022年度には、トレーニングに3億ドル超を費やし、1⼈当たり59時間を超えるトレーニングを実施しました。現在、AIからサステナビリティ、インパクト・アントレプレナー、サプライチェーン・プランニングまで、250種類以上のEY Badge(バッジ)を提供しています。2017年のプログラム開始以降、28万余りのEY Badgeが授与されています。

EYのメンバーに⻑期的価値をもたらすことには、メンバーの安全確保も含まれます。今年、ウクライナをめぐる情勢が悪化した当初に、EYは即時対応として国外退避を望むEYメンバーとその家族、そして留まらざるを得ない、あるいは留まることを選択した⼈々を⽀援しました。EYの危機管理チームとモビリティチームが連携し、移動⼿段、宿泊施設、⾷料、医療を提供しました。また、EYのメンバーファームは、EYメンバー、その家族、地域社会にさらなる⽀援を提供するため、総額180万米ドルを集めました。

さらにはウクライナ情勢を踏まえ、EYは、ロシアとベラルーシのメンバーファームをグローバルネットワークから切り離すという難しい決断を下し、既に完了しています

同僚や影響を被ったコミュニティを広く⽀援するために集まり、多⼤な貢献をしたEYのメンバーに対し、私は尊敬の念を禁じ得ません。この取り組みの中⼼となって尽⼒してきたEYのメンバーおよびリーダーに感謝します。

社会に⻑期的価値をもたらすということは、地球、そして私たちが暮らし、働いている社会にポジティブなインパクトをもたらすことです。EYは炭素排出量を、19年度のベースラインから地球規模で56%減少させ、2025年のネットゼロ⽬標の実現に向けて確実に前進しています。

22年度には、129カ国の9万1千人を超えるEYメンバーがEY Ripples(企業責任プログラム)のプロジェクトに時間とスキルを提供し、2,700万⼈の人々にポジティブな影響をもたらしました。2018年の⽴ち上げ以来の累計は8,100万人以上であり、2030年までに10億⼈の人々の生活にポジティブな影響を与えるという意欲的な⽬標に向かって、歩みを緩めることなく進んでいきます。

また、政府機関、⾮営利団体、多国籍企業、インパクト投資家など、志を同じくする組織と協⼒し、単⼀の組織では成し遂げられないことを共に達成しています。例えば今年はマイクロソフトとのパートナーシップを拡⼤し、デジタル経済における社会的公平の向上を⽬指します。2025年までに数百万⼈が就業・再就業あるいは起業できるように、トレーニングとスキル習得の機会を提供しています。

クライアントに対しては、ビジネスと資本市場における信頼の構築と透明性の向上、また、価値の増⼤、最適化、保護に向けた⽀援を通じて⻑期的価値をもたらしています。EYはイノベーションを実現し、グローバルに協働し、テクノロジーをあらゆる業務に取り⼊れています。現在6万⼈余りの技術者がTech@EYの旗印の下で働き、クライアントのためにテクノロジーとデータを基盤とするビジネス変⾰を推進しています。私たちは今後も能⼒(サービスライン、業界に対する知⾒、連携のエコシステム)を結集し、トランスフォーメーションに関する課題など、ますます複雑化するクライアントの要望に応え、急速に変化するダイナミックな世界に適応できるよう⽀援していきます。

記録的な1年

EYの各メンバーファームがステークホルダーのための価値創出に⼒を尽くしているからこそ、EYは組織として成果を挙げ、持続していけるのです。特に今年の成長は目覚ましく、EYメンバーの熱意と尽⼒により、過去約20年間で最⾼の成⻑を果たすことができました。今やEYは、業務収⼊(売上)454億⽶ドル、伸び率16.4%(現地通貨ベース)の組織です。

EYのパーパス(存在意義)、戦略、野⼼、および同僚、クライアント、社会に対する私たち一人ひとりのコミットメントについて組織として説明責任を果たすには、財務上の成果以外の点でも進行状況を測定し、報告することが重要です。また、これにより、改善が必要な領域も明らかになります。

Value Realized 2022では、世界中に広がる私たちのインパクトと、世界中で活動する36万5千⼈のEYメンバー、あらゆるセクターや地域のクライアント、そして私たちが暮らし、働いているコミュニティのためにEYが創出する価値についてのストーリーをお伝えします。

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)情報の開⽰をさらに充実させ、世界経済フォーラム国際ビジネス評議会(WEF-IBC)のステークホルダー資本主義指標および国連グローバル・コンパクト(UNGC)の活⽤、ならびに国連の持続可能な開発⽬標(UN SDGs)を通じて、価値の実現に対する進行状況報告を増強しました。EYが引き続きUNGCの参加企業であることを光栄に思っており、本報告書では、その10原則に対するコミットメントを再確認しています。

総合的にみてEYは素晴らしい⼒を発揮しています。私たちが達成したことすべてを私は誇りに思います。

今後に向けた展望

私たちにはエキサイティングな未来が待っています。9⽉初旬に発表したとおり、EYの経営陣は、EYをふたつの異なる複合サービス型(マルチディシプリナリー・モデル)組織に分離するという⽅針を決定するに⾄りました。今後、パートナーによる投票を実施する予定です。⼀⽅は、質の⾼い監査を提供し、公共の利益のために働き、CFOの課題とサステナビリティに取り組むために必要な能⼒をすべて備え、アシュアランス、税務、アドバイザリーのサービスに注⼒する多領域にわたるメンバーファームからなる、簡素化され、機敏性の増したグローバルネットワークになります。もう⼀⽅は、コンサルティング、税務、ストラテジー・アンド・トランザクションの⼤部分、およびマネージドサービスで構成され、クライアントの成⻑、リスク、変⾰の課題に焦点を定めたテクノロジーを基盤とする新しいグローバルな企業組織になるでしょう。23年度中に実施されるパートナー投票により、この⽅針に沿って進めるかどうかを決定します。

このような⼤胆な⼀歩を踏み出すことを提案したのは、⼀世代に⼀度しかないような、プロフェッショナルサービスの未来を一新する機会が訪れている今、この道を進むことにより、EYのメンバー、クライアント、そしてステークホルダーに対してより貢献できると考えているからです。

ふたつの異なる複合サービス型組織を通じて、さらに魅力的でダイナミックなキャリアの機会を提供できると信じています。EYメンバーは、より多く学び、新たな職務に就き、さまざまなモビリティオプションを検討することができるようになるでしょう。

また、⼈材やクライアント向けサービス・ソリューションに再投資するための資本の利⽤可能性が増し、クライアントやステークホルダーにとって最も重要な問題に重点的に取り組めるようになります。

クライアントにとっては、監査サービスとトランスフォーメーションサービスの双⽅に関して選択肢が増えることになります。また、ESGの優先課題への取り組みの強化や、「グリーン」プロジェクトへの共同投資などの新しいCR(企業としての責任)プログラムの開発機会の増加にもつながります。その結果、私たちは地域社会にさらに⼤きなインパクトをもたらすことができるでしょう。

もちろん、この提案は⼤きな変化が起こることを意味しています。しかし、変わらないものもあります。双⽅の組織は共に、価値を重視し、パーパスに主導されるでしょう。EYの⼒強いカルチャーと、ダイバーシティ、エクイティ、インクルーシブネス(DE&I)、協働、チームとして働くことに対するコミットメントは、双⽅の組織で堅持されていくでしょう。

私は、EYが⽬指している⼤胆な進路とリーダーシップを誇りに思います。未来に期待するとともに、より良い社会の構築にさらに貢献して参ります。

Carmineの署名
ゲスト編集者 Carmine Di Sibio

EYグローバル会長兼CEO

カーマイン・ディ・シビオ / クライアント、そしてEYのグローバルな組織が持つ力に情熱を注ぐ。成長とイノベーションの推進者であり、良好な人間関係の構築者。スポーツ愛好家。

オーストリア、カプルーンのスタウズ・ムーザー・ボーデン・ダムの端を歩く人々

すべてのステークホルダーに長期的価値をもたらすために

EYでは、財務上の業績とともに、EYのメンバー、クライアント、社会のために私たちが創出する価値によっても成功を測定します。続きを表示

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