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会計情報トピックス 吉田剛
平成27年4月14日付で、日本公認会計士協会(会計制度委員会)から「会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」及び「金融商品会計に関するQ&A」の改正について」(以下「本改正」という。)が公表されました。本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)において進められていた「ヘッジ会計の限定的な見直し」に係る検討の中で「異なる商品間でのヘッジ取引」及び「ロールオーバーを伴う取引に関するヘッジ会計の適格性」について対応が必要とされ、それに伴いASBJから日本公認会計士協会に対して改正の検討の依頼があったものに対応して、取扱いを明確化するために行われたものです。
本改正により、以下の事項が改正されています。
異なる商品間でのヘッジが認められる点が明確化されました。具体的には、「他に適当なヘッジ手段がない場合において、ヘッジ対象と異なる類型のデリバティブ取引をヘッジ手段として用いることができる」旨(企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第102項参照)が明示されています。
また、結論の背景においては、利用可能なデリバティブに制約がある場合に、ヘッジ対象と価格変動が類似する商品のデリバティブ取引をヘッジ手段として利用することが認められる旨が示され、具体例として、石油関連商品の価格変動リスクをヘッジする場合に、流動性が高く価格変動が類似する原油関連のデリバティブ取引を用いる場合などが該当するときがあるとしています。
デリバティブ取引のロールオーバー(ここでは、既存のデリバティブ取引を決済し、期限を延長した同一種類のデリバティブ取引を再度契約することを指します。)が行われた場合のヘッジ会計適用上の取扱いが新規Q&Aにより明らかにされています。
具体例として、半年後の商品輸入取引に係る価格変動リスクを商品スワップ取引によりヘッジしているケースが挙げられています。当該商品の仕入が船積みの遅延を原因として1カ月程度遅れることが明らかになった際に、当初契約の商品スワップ取引を当初の決済日において決済し、新たな商品スワップ契約を締結したときにも、ヘッジ会計の中止に該当する場合には、当初契約の商品スワップ取引に係る決済差額をヘッジ対象に係る損益が純損益として認識されるまで繰り延べることが示されています。
改正後の実務指針については、現行の取扱いを明確化するものであるため、公表日以後に適用されます。
特にありません。
なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。
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