旬刊経理情報 連載『女性リーダーからあなたへ』 ー 第62回 人生は一度きり。自分の幸せは自分で決める。

道村 弥生
株式会社ハグカム 代表取締役

Entrepreneurial Winning Womenの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2022年6月10日号に掲載された記事をご紹介します。

経営者になる人生とは思っていませんでした。小学校の私が今の自分を見たらさぞ驚くことでしょう。


幼少期はアトピー性皮膚炎に悩まされ、引っ込み思案な性格でした。何で自分だけが…と、悲観的に思うこともありましたが、両親からのコミュニケーションのおかげで、知らないことを知る喜びを感じ、創意工夫の気持ちを持つことができました。「辛い経験をしたからこそ、生まれてきた意味があるのかもしれない」…そんなことを考えた小学3年生でした。


知らないことを知る喜びは、未知へのワクワクへと変化し、小さな一歩を生み出します。引っ込み思案で、自信がなかった私が、女性経営者として日々奮闘するまでに至った4つの思考をお伝えさせていただきます。


小さな成功体験を積む

急に大きな成功は生み出せません。小刻みに成功体験を積み重ねることが大切です。例えば、とある打ち合わせで知らない用語や業界知識があったとします。それをすぐに調べて理解をしておくと、次の日の打ち合わせでその用語を使った話題が出たりします。知っていたからこそ次の新しい学びにつながります。

「自分なんてまだまだです」という謙遜の文化は素敵ですが、できたことは自ら認め、階段を一歩一歩登っていくことが大きな成長に繋がります。


決断経験値を増やす

決断することは怖いですが、それは経験が足りていないからです。レベル1ぐらいの決断からはじめて経験値を増やしていくと、徐々に大きな決断ができるようになります。どっちの施策をしたらいいのか悩んだら、上司に判断を仰ぐのではなく、まず自分だったらどうするかを考えてみてください。実行してみてうまくいかなくてもいいんです。自分で決断するからこそ、責任感が芽生え、次のアクションを考えられます。そしてまた新しい決断をするのです。


キャリアに遠慮は禁物

人と同じではないキャリアには不安がつきものです。ですが、ここで遠慮をしてしまうと新しいキャリアは築けません。周囲と比べてどうかではなく、自分の人生がどうありたいかを考えてみてください。ちょっとぐらい欲張ってもいいと思います。3年後や5年後になりたい自分像を描いたら、そこを目指すためにはどのようなスキル・経験・ネットワークが必要かを洗い出し、逆算して目標を立てましょう。


ポジティブなコミュニティに属する

人生の価値観は人それぞれです。だからこそ、誰かに相談をするときは、ポジティブな言葉をかけてくれる人を選びましょう。「いいね!」「あなたならできる」「こういう人に話を聞いてみたら?」と、背中を押してくれたたからこそ、今の自分がいます。キャリアは多くの人の支援や引上げによってスピードが上がります。その波に乗るためにもポジティブなコミュニティに属しましょう。


何かひとつでもできることがあれば取り組んでみてください。そこが未知のチャレンジであっても小さな一歩が大切です。あなたの人生を幸せにするかはあなた次第なのです。

道村弥生

道村 弥生(みちむら・やよい)
株式会社ハグカム 代表取締役

略歴

両親祖父母が教員という家庭で育つ。幼少期はアレルギー体質で引っ込み思案だったが、両親の好奇心を育む対話で前向きになれた原体験から教育に興味を持つ。明治大学商学部卒業後、サイバーエージェントに入社。子会社経営や新規事業などを経験したのち退社し、2015年に株式会社ハグカムを設立。「思考は現実化する」を座右の銘に、経営者・教育者・1男1女の母という3つの目線から子どもの好奇心教育の提供を目指している。