旬刊経理情報『女性リーダーからあなたへ』 ー 第75回 強みを活かしてチャレンジしよう!―夢を諦めずにナイストライの精神で―

大槻 祐依
株式会社FinT
代表取締役

Entrepreneurial Winning Womenの企画・協力で、旬刊経理情報に『女性リーダーからあなたへ』を連載しています。2023年7月10日号に掲載された記事をご紹介します。

昨今は、女性が働きやすく、自由にキャリアをデザインできる時代になりつつありますが、依然として育児と仕事の両立など課題はあるように感じます。女性は結婚や妊娠といったライフイベントの影響を受けやすいがために、そのような未来を考えると、仕事に消極的になってしまう人も少なくないでしょう。

私自身、女性起業家としてチャレンジし続けることで、誰かの背中を押したり、挑戦する人が少しでも前向きになれるようなロールモデルとなるべく努めています。今回は、自身の体験も踏まえながら、「挑戦したいものの、その一歩が踏み出せない人」に向けて、アドバイスをお送りします。

その1 . 女性ならではのバイアスを取り除く

Facebook COOのシェリル・サンドバーグ氏もTEDでお話されているように、女性は、男性より「自己評価が低い」傾向にあるようです。さらに、成功と社会的好感度の間には、男性は正の、女性は負の相関関係があるといわれ、「女性は成功すればするほど社会的好感度が下がる」研究もあるのだとか。私自身、女性リーダーがなかなか増えない最大の理由は、"女性が自分を過小評価してしまう"ことにあると感じます。事実、こうしたデータを知って以来、あえてその傾向に逆らって行動したからこそバイアスなく会社経営をすることができました。「女性だから」という思い込みをなくすことがまずできる最初の一歩だと考えます。

その2 . 自分の強みを知り、発揮していく

かつての日本は労働環境の整備が不十分だったこともあり、「長時間働き、成果を出す」ことが正とされていたのではないでしょうか。しかし、今の時代はデジタル化やAIの発展により、機械に任せられる範囲の広がりや、労働環境整備の動きも強まり、「自分にしかできない仕事で成果を出すこと」がより重要になっています。だからこそ、自分の強みを知り、伸ばしていくことが肝要だと言えるでしょう。

私は、FinT創業後の事業として金融事業を扱っていましたが、自分の「得意」の領域ではなかったこともあり、事業は伸び悩んでしまいました。一方、「得意」を起点として立ち上げたメディアや、SNSを主体とした事業では成功を収めた体験があり、市場性よりも得意なことでチャレンジすることの大切さを感じます。

その3 . 夢を諦めずに挑戦する

最も大事なのは、自分の夢を諦めないこと。夢への途中や挑戦を重ねるなかで、壁にぶつかることもあると思いますが、継続が何より大切です。また、最後までやり遂げられるよう、自分がワクワクすることや、楽しいと思う領域でチャレンジすることも忘れてはいけません。

誰しも、初めからよい結果に到達することは難しく、失敗を繰り返した先に成功はあるものです。失敗は成功への過程の一部。私も、失敗した際には「ナイストライ」と自分を鼓舞しています。失敗を歓迎しながら学び続け、新たなチャレンジを続けて夢を実現させましょう。

大槻 祐依

大槻 祐依(おおつき・ゆい)
株式会社FinT 代表取締役

略歴

1995年生まれ。早稲田大学在学中の2017年3月に起業。「みんなの強みを活かして、日本を世界を前向きに」というパーパスのもと、Sucle(シュクレ)というブランドで若年層女性向けSNSメディア(総合約90万フォロワー)の運営や、SNSマーケティング事業展開。主要事業であるSNSマーケティング事業にて、大手企業を中心に累計200社以上の企画、撮影から運用までサポート。