EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
公認会計士 芦田 千晶
5回にわたり、「これだけは知っておきたい!管理入門」シリーズを掲載しています。このシリーズでは、皆さんが会社を経営していくに当たって、日々、直面されるような身近な管理上の問題を取り上げて、どんな解決方法があるのかについて、ご紹介していきます。
このシリーズに登場するWWN社は、こんな会社です。
それでは、第3回「在庫管理」の中身に入っていきましょう!
WWN社では、決算月の2月末に工場および銀座の直営店とO百貨店の2店舗において実地棚卸を行い、その結果に基づいて期末在庫金額を確定しています。
決算作業を進めていた3月前半のある日のこと。経理担当取締役のとおるさんからひろ子社長に連絡が入りました。
とおるさん:「ひろ子社長、実地棚卸の結果を見ていたところ、帳簿上は12百万円あるはずの棚卸資産が実地棚卸の結果では10百万円しかありません! 2百万円少なくて変ですね。原因を調査します。」
ひろ子社長:「えっ!・・・どうして? 店舗では毎日、閉店後に在庫数量をちゃんと管理しているはずよね?」
とおるさんが、営業担当社員のよし子さんと実地棚卸の状況を詳しく調べてみたところ、2月にH百貨店にて期間限定出店をした際に工場から出荷した商品について、帳簿上の払い出し処理を行っていなかったことが判明しました。
皆さんの会社では、こんなことはありませんか?
→WWN社では、営業のよし子さんが期間限定店舗も含めた場所別の在庫リストを作成し、実地棚卸時には各棚卸担当者が場所別の在庫リストと現物の突合を行うことにしました。
→WWN社では、店舗や工場の現場担当者のみならず、経理部門や営業部門の担当者が二人一組で実地棚卸を行うことにしました。
→WWN社では、営業のよし子さんが実地棚卸の結果を集計して在庫リストとの差異を分析し、結果をとおるさんとひろ子社長に報告することにしました。
日々、商品を生産、または、仕入れ、販売されなかった分が在庫となります。在庫は今後、販売して利益を稼ぐための会社の大切な財産です。同時に価値のある資産であるために、盗難や横領などの不正によりロスが発生するリスクがあります。
また、長期にわたって販売できない場合には、販売価格の下落により在庫の資産としての評価を下げる必要性も生じます。
今回、取り上げたケーススタディー以外にも、在庫管理のポイントはたくさんあります。
皆さんの会社では、どのくらい管理体制が整っているか、ぜひ一度チェックしてみてください。
項目 |
内容 |
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受払管理 |
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実地棚卸 |
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在庫分析・評価 |
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