CRS及びFATCAの最新動向

CRS及びFATCAの最新動向

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EY 税理士法人

2016年8月10日

Japan tax alert 2016年8月10日号

共通報告基準(CRS)の適用を開始する国の増加に伴い、海外に拠点を有する金融機関においては、各国の制度要件及びアップデートの有無などの情報収集、さらに運用に向けての実務対応に対して、多くのリソースの投入が必要となっています。EYでは、CRS及びFATCAの各国における制度の詳細情報を含む最新動向のモニタリングを実施されている金融機関向けに、各国の法制度の要件及びFATCAモデル政府間協定、及びOECDによるCRSとの差分が把握できるデータベースを整備しております。EYでは、本データベースのご提供に加え、各国の専門家がCRS及びFATCAの態勢構築を支援します。

本データベースの活用における、主なメリットは以下の通りです。

  • 世界中のCRS及びFATCAの動向並びに規制要件の変更に関する最新情報を入手することができます
  • 効率的に網羅的な各国の法令情報の収集を実現することができます
  • 情報収集及び態勢構築に関与するご担当者様の負担軽減を実現することができます

主要国におけるCRS及びFATCAの最新動向を以下に要約します。

英国
  • 口座保有者に関する自動的情報交換の対象国リストを更新
    2016年6月20日、英国歳入関税庁(HMRC)は、口座保有者に関する自動的情報交換の対象国リストを更新しました(2016年6月8日にインドを、2016年6月20日にコロンビアを追加)。

  • バミューダに対する英国と英国王室属領・海外領土間における金融口座に係る自動情報交換(CDOT)代替的報告制度
    2016年6月13日、HMRCはCDOT代替的報告制度に基づき、バミューダの金融機関に対し、2015年4月終了課税年度の報告を2016年9月30日までに、2016年4月終了課税年度の報告を2017年9月30日までにHMRCに直接提出することを義務付けることを発表しました。

  • HMRCがFATCA及びCDOTに基づき、既存口座に対するデューデリジェンスの期限を延長
    2016年5月11日、HRMCは、既存法人口座及び個人低額口座に対するデューデリジェンスの期限を2016年12月31にまで延長することとしました。

  • HMRCが不記録法人口座の取扱いを明確化
    2016年5月11日、HMRCは、不記録法人口座を受動的NFEEとして取扱い、支配者を特定するための追加的手続きを義務付けることを明らかにしました。
米国
  • FATCAオンライン登録システムの登録情報を更新するよう通知
    2016年7月19日、内国歳入庁(IRS)は、FATCAポータルの利用者に対し、IRSからの通知をタイムリーに受け取るため、連絡先などを含むFATCAオンラインシステムの登録情報を最新のものに更新するよう通知しました。

  • FATCA XMLスキーマv.2.0のドラフト版が完成
    2016年6月3日、IRSは、旧スキーマ(v.1.1)に代えて、2017年1月1日以降から用いられるFATCA XMLスキーマv.2.0のドラフト版を公表しました。v.2.0における主要な変更点は、ゼロ報告、口座の閉鎖、提出者の区分に係るストリングの定義及び要素です。

  • FATCA IDES Technical FAQsを更新
    2015年5月27日、IRSは、データ暗号化とセキュリティに焦点を当てた年次報告に係るFAQ(FATCA IDES TechnicalFAQs)を更新しました。
カナダ
  • FATCAのFAQを更新
    2016年6月23日、カナダの税務当局は、CRS及びFATCAに関するFAQを更新しました。
ケイマン諸島
  • AEOIポータルのユーザーガイドの更新版を発表
    2016年7月7日、ケイマンの税務当局は、FATCA及びCDOTの報告手続きに関するガイダンスを示すAEOIポータルのユーザーガイド(v.2.0)の更新版を発表しました。

  • FATCA及びCDOTの報告期限を延長
    2016年6月8日、ケイマンの税務当局は、FATCA及びCDOTに基づく通知・報告期限を2016年8月10日まで延長すると発表しました。再延長は行われない予定です。

  • AEOIポータルのユーザーガイド(v.2.0)の更新版を発表
    2016年5月26日、ケイマンの税務当局は、AEOIポータルのユーザーガイド(v.2.0)の更新版を発表しました。
香港
  • FATCAに関するFAQを公表
    2016年6月22日、香港の税務当局はFATCAに関するFAQの更新版を発表しました。
韓国
  • FATCAの報告期限を延長
    2016年7月1日、韓国政府は、2016年7月31日のFATCAの報告期限を延長し、新たな期限については追って通知すると発表しました。

  • CRS報告様式を公表
    2016年6月16日、韓国政府はCRSに基づく報告様式を公表しました。
インド
  • 高額口座のFATCA報告期限を延長
    2016年6月22日、インドの税務当局は、既存の個人口座の報告期限を2016年12月31日まで延長すると発表しました。一方、既存低額口座のFATCA報告期限については、2016年6月30日に据え置くとしています。

  • FATCA及びCRSのガイダンス(Clarification Notice)を発表
    2016年5月26日、インドの税務当局は、FATCA及びCRSに関するガイダンスを発表しました。本ガイダンスでは、納税者番号(TIN)の取得、カストディ口座の残高の算出、及び報告提出に係る要件が含まれています。
シンガポール
  • 報告書の暗号化に関する更新
    2016年5月25日、シンガポールの税務当局は、データセキュリティを強化するため、2016年7月9日から、IDES(報告用サイト)においては、CBC暗号モードを用いたFATCA報告書の作成が義務付けられると発表しました。

 

※以下の国の詳細については、PDFをご参照ください。

メキシコ
ブラジル
オーストラリア
マレーシア
ベトナム

※本アラートの全文は、下記PDFからご覧ください。

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