
新日独租税条約が批准される
Japan tax alert 2016年10月4日号
2015年12月17日、日独双方の代表は1966年に発効した現行の租税条約に代わる新租税条約(新条約)及び議定書(議定書)に署名しました(参考:Japan tax alert 2015年12月28日号)。
2016年9月30日付の日本の外務省のプレスリリースによると、新条約の効力発生のために必要な国内手続きが日本とドイツにおいて9月28日に完了しました。
新条約は本年10月28日に発効し、次のものについて適用されます。
- 日本
- 課税年度に基づいて課される租税については、平成29年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
- 課税年度に基づかないで課される租税については、平成29年1月1日以後に課される租税
- ドイツ
- 源泉徴収される租税については、平成29年1月1日以後に支払われる租税の額
- その他の租税については、平成29年1月1日以後に開始する各期間について課される租税
配当に関する源泉税については、新条約の発行日以前に生じた利益剰余金からなされた配当も第10条の特典を受けることができるものと考えられます。
弊社の2015年12月28日付のニュースレターで詳しくご説明したように、新条約のその他の重要な条項は以下を含みます。
- 税務上透明な団体・仕組みのコンセプトの導入(第1条)
- 個人以外の双方居住者について租税条約上の居住性を決定するタイブレークルール(第4条)
- 恒久的施設に帰属する所得の決定に関するOECD承認アプローチ(AOA)の導入(第7条)
- 配当、利子及びロイヤルティに関する源泉税(第10、11、及び12条)
- 特定の株式譲渡に係る源泉国キャピタルゲイン課税(第13条)
- 特典を受ける権利のための客観性基準及び主目的基準(第21条)
- 相互協議手続(MAP)における強制仲裁(第24条)