
NAFTA再交渉、第4回会合が終了 次回会合は11月17日まで持ちこし
Japan tax alert 2017年11月7日号
2017年10月17日、カナダ・メキシコ・米国はNAFTA再交渉で予定されている7回の会合のうち、第4回目となる会合を終了しました。ワシントンDCで行われ7日間に及んだ会合は、過去3回と比較しても最も紛糾した会合となりました。その要因となった米国側の提案は、下記の通りです。
- 自動車のRVC(域内生産割合)を62.5%から85%に引き上げ
- 自動車に米部材の50%以上の使用を求める"US Content条項"の導入
- 自動車部品のトレーシングリスト1の拡大
- 全加盟国が5年ごとに合意しないと協定が失効する「サンセット条項」の導入
第5回会合は当初10月後半にメキシコシティで開催される予定でしたが、11月17日まで延期されることになりました。これにより交渉関係者には、第4回会合での提案などについて検討する時間的な猶予が与えられたことになります。また、交渉参加国は追加の会合について、2018年初頭に行うことに合意しました。
交渉と並行して、カナダ・メキシコ・米国ではロビー活動が活発に続けられています。メキシコと米国の産業界のリーダーたちは国境を越えて、NAFTAの重要性と米国がNAFTAから脱退した際の負の影響について警鐘を鳴らしています。
企業には、再交渉のプロセスに積極的に関与していくことが求められます。そのためにはまず、NAFTAのどの規定・基準によって自社が恩恵を受けているのかを把握した上で、変更がされた場合の影響分析を事前に行うことが不可欠となります。そして、当該影響分析の結果から導かれる個々の戦略に基づき、再交渉プロセスへの参加方法を検討することが必要となってくるでしょう。
1. 原産材であっても、その中に含まれる非原産材の割合は非原産として取扱い、RVC(域内生産割合)を算出するという「トレーシング規定」が適用となる自動車部品のリスト