メキシコ上院、納税者の繰越損失に関する特定取引を税務当局が「違法」とみなすことが出来る新法案を承認

メキシコ上院、納税者の繰越損失に関する特定取引を税務当局が「違法」とみなすことが出来る新法案を承認

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EY 税理士法人

2018年5月15日

Japan tax alert 2018年5月15日号

2018年4月18日、メキシコ上院は、納税者が税務上の繰越損失(以下、「NOL」)を計上した場合、メキシコ税務当局がある条件の下「違法な損失移転」とみなすことが出来る法案を承認しました。(以下、「みなし違法移転」)本法案は税務当局が納税者に対して以下の様な取引を行なった場合にのみ、この「みなし違法移転」が適用される可能性があります。すなわち、(1)納税者が再編、分割又は合併に関与した、又は(2)納税者の株主が変更された結果、所属する企業グループから脱退した場合に適用される可能性があります。さらに、納税者が「みなし違法移転」とみなされ
るには、以下に定められた6つの条件のいずれかに該当する場合になります。

法案には、以下6つの追加条件が列挙されています。

  • 設立後3年以内に納税者の総資産を上回るNOLが生じ、NOLを発生させた控除額の半分以上が関連者間取引から生じた場合。
  • 控除額の半分以上が関連者間取引から発生したことにより、設立後3年後以降にNOLが生じ、かつその関連者間取引から発生した控除額が前事業年度より50%超増加した場合。
  • NOLが発生した事業年度以前に、納税者が(1)再編、分割もしくは合併、又は(2)関連者への移転により、全資産又は資産の一部が譲渡され、その結果、納税者が行う主な事業活動が50%超減少した場合。
  • 再編、分割、合併等に伴い資産譲渡が行われた場合、NOLにより税務上資産評価が減少した、もしくは資産評価なし(すなわち、用益権評価のみの評価が行なわれた場合)として扱われ、資産取得コストを計算する際にNOLを除いた資産譲渡額自体が考慮されていなかった場合。
  • 納税者にNOLが発生し、控除額の内50%未満をNOLとして控除する前に、メキシコ所得税法に基づく投資控除の税務上取扱い額を変更したと税務当局より判断された場合。

もしくは

  • 納税者にNOLが発生した場合、税務上控除の源泉が与信によるものであり、これら源泉となる与信がメキシコ所得税法で認められた支払方法(例:送金、小切手、クレジットカード等の支払方法)以外で清算されたとメキシコ税務当局が判断した場合。

※本アラートの全文は、下記PDFからご覧ください。

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