DX投資・脱炭素の税優遇を含む改正産業競争力強化法が成立

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2021年6月17日 PDF
カテゴリー 税制改正関連

Japan tax alert 2021年6月17日号

2021年6月9日に、参議院本会議において改正産業競争力強化法が可決・成立しました。以下、新設されるDX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制やカーボンニュートラルに向けた投資促進税制などについて、2021年6月16日時点で明らかになっている制度概要と今後の見通しを説明します。

改正概要

1)DX投資促進税制の創設

国から認定を受けた事業計画に基づき、クラウド型システム等の導入により事業変革デジタル設備投資を行った場合に、取得価額の30%の特別償却あるいは3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合は5%)の税額控除の選択適用ができる税制となります(令和5年(2023年)3月31日までの時限措置)。対象となる設備投資額の上限は300億円です。

なお、税制適用要件の一つである、「クラウド技術(を活用すること)」については、インターネット等を介してオープンにデータの処理・保管等を行うことができる技術と整理されました。当該クラウド技術を活用する場合は、自社のシステムであっても税制適用要件を満たすことや、そのシステムが構築当初は社内のみアクセス可能なクローズドなものであった場合でも、他者とのデータ連携の必要が生じた際にインターネット等を通じてデータ連携が容易なシステム構成となっていれば、税制適用要件を満たすことが、国会における経済産業省の担当者による答弁で言及されています。

2)カーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設

国から認定を受けた事業計画に基づき、脱炭素につながる設備投資を行った場合に、当該設備の取得価額の50%の特別償却あるいは5%(一定の要件を満たせば10%)の税額控除の選択適用ができる税制となります(令和6年(2024年)3月31日までの時限措置)。対象となる設備投資額の上限は500億円です。

なお、連結納税の適用を受けている法人がこれらの税額控除を適用する場合には、グループ全体で連結法人税が発生することのみならず、認定を受けた法人においても連結法人税個別帰属額が発生している必要がありますので、ご留意ください。

今後の見通し

改正産業競争力強化法は、2021年6月16日に公布され、公布の日から3ヶ月を超えない期日で施行することとされています。バーチャルオンリー株主総会の開催を可能とする特例の創設など一部の制度については6月16日に施行されましたが、税制関連については現時点では施行されていません。パブリック・コメントなどを経て施行されるものと見込まれます。なお、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制などについて関連省令のパブリック・コメントが開始されています。

EYのサポート体制

DXに関する税制のメリットを効果的に享受するためには、適切な税務戦略を立て、デジタル戦略面とガバナンス面から取り組むことが重要です。

EY Japanでは、EY税理士法人が持つ豊富な税務アドバイザリーの知見・経験と、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が持つデジタルガバナンス関連の支援経験を融合させ、DX投資促進税制等への対応を支援する包括的なサービスを提供いたします。

また、カーボンニュートラル投資促進税制への対応についてもご支援いたしますので、お気軽にお問い合わせください。