EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律(以下「改正法」という。)が、2021年8月2日に施行されました。
これに伴い、経済産業省のHPにおいて、概要・ガイドライン等が公表されるとともに、事業適応計画の申請受付が開始されました。
公表資料のうち、特に重要と思われる項目についてご紹介します。詳細は各資料をご参照ください。
【全体】
(1)事業適応計画全体概要資料
重要項目 |
内容 |
参照頁 |
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実施指針と事業分野別実施指針について |
認定を受けるためには、実施指針および事業分野別実施指針に適合することが必要(事業分野別実施指針がない場合は実施指針のみ) |
P.9 |
「課税の特例」の要件について(①繰越欠損金の課税の特例、②DX投資促進税制) |
①成長発展事業適応、②情報技術事業適応を実施する者は、「課税の特例」の要件を満たすことで、それぞれ①繰越欠損金の課税の特例、②DX投資促進税制の適用を受けることが可能。「課税の特例」の要件を満たすことで、一部の事業適応計画の認定要件を満たす仕組みになっているため、満たすべき要件が増えるわけではない。 |
P.14 |
申請手続のスケジュールイメージ |
計画の認定(計画開始)を予定している時点から、約2カ月程度前に事業を所管している省庁への事前相談が必要。 |
P.45 |
計画認定後の対応 |
計画の実施状況(終了を含む)の報告が必要。計画を大きく変更する場合、変更後の計画について再度認定の取得が必要。 |
P.47 |
計画認定の各省庁窓口 |
計画認定は事業を所管している省庁が行います。 |
P.48 |
【DX投資促進税制】
(1)事業適応計画全体概要資料
重要項目 |
内容 |
参照頁 |
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DX投資促進税制の措置の内容 |
中古設備、①試験研究、②ソフトウェア業、③情報処理サービス業、④インターネット付随サービス業の事業の用に供する資産および国内にある事業の用に供しない資産は対象外 |
P.25 |
DX投資促進税制の要件一覧 |
生産性の向上や財務の健全性など一定の要件充足が必要。 |
P.26 |
事業適応計画の共同申請パターンと要件 |
親会社や子会社(機能会社)が、ITシステムを一元的に所有し、保守・管理する形態が想定されるが、この場合、資産取得をするのは親会社や機能会社である一方で、事業の実施主体は他の会社となる。こうした場合にも事業適応計画を共同申請(連名での申請)し、一方のグループ会社が生産性向上等を満たす場合には、当該親会社や機能会社の資産取得について、本税制の適用を受けられる可能性がある。 |
P.31 |
親会社・機能会社と事業会社の関係性 |
事業会社が同一グループの親会社・機能会社が取得等するシステムを利用して情報技術事業適応を行う場合、①共同申請により事業会社が生産性向上等目標を掲げ、親会社・機能会社の取得等に係る資産に適用するケース、または②事業会社に発生する親会社・機能会社のシステム利用に係る初期費用(繰延資産)に適用するケースが存在。重複適用は認められないため、いずれかを選択することとなる。 |
P.32 |
(2)DX投資促進税制Q&A
No |
質問 |
回答 |
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5 |
DX投資促進税制の適用を受けるための要件のうち、前向きな取組は全て満たす必要があるのか |
(一部抜粋)なお、経理、財務、人事、総務、法務、情報システム等の管理部門における取組は対象に含みません。 |
6 |
店舗を複数保有しており、一部の店舗ではDX投資を完了済みである。残りの店舗における同様のDX投資は対象になるか。 |
新たな投資であっても、既存の取組に基づくものは、「前向きな取組」に該当しないため、対象外となります。また、本税制の施行が明らかになる日(2021年3月31日)より前に行った意思決定に基づく投資も対象外です。具体的には、事業適応計画に記載する取組に関する具体的な投資に係る組織的な意思決定が同日より前になされている場合などが該当します。 |
9 |
会計クラウドサービスを導入するので、DX投資促進税制の適用を受けたい。 |
DX投資促進税制の適用を受けるためには、新たなソフトウェアを導入することに加え、いくつかの要件を満たす必要があります。特に、「前向きな取組」を実施していただく必要があり、バックオフィス関連のソフトウェア導入と事業適応計画に定める「前向きな取組」の内容との関係性を御説明いたいだく必要があります。 |
13 |
「取得」とは、具体的にどのタイミングを指すのか。 |
ソフトウェアや機械等の所有権を得たこと、つまりソフトウェアや機械等の購入等をしたことを指します。例えば、検収が終わっていない設備については、引渡しが済んでいないことから一般的に未取得の状態と考えられます。個別ケースにおいて判断に迷われる場合には、所轄の税務署等までご確認ください。 |
26 |
課税の特例の対象となるソフトウェアとは、具体的にどういうものか。 |
本税制措置の対象となるソフトウェアとは、電子計算機に対する指令であって一の結果を得ることができるように組み合わされたものを言い、システム仕様書その他の書類を含みます。このため、独立したアプリケーションソフトだけでなく、機械装置や電子計算機(PC等)に組み込まれているもの(OS、ミドルウェア、アプリケーションソフト等の区分なく一体として機能するものなど)であっても、上記機能を有するものであれば、本税制措置の対象となるソフトウェアに該当します。 |
46 |
事業適応計画に記載する対象資産等の投資予定額の根拠資料とはどのような資料を指すのか。 |
本税制適用の前提となる投資計画の策定段階においては、通常、対象設備の発注や契約書の締結といった段階まで至っておらず、投資計画策定に用いる投資見込金額策定のための見積書等を入手しているにすぎないことを想定しています。したがって、ここで必要となる対象資産等の投資予定額は、金額が確定しているものに限定されるものではありませんので、投資利益率の分母金額の算定根拠となった見積書等を根拠資料とすることで足りるものとしています。 |
【カーボンニュートラルに向けた投資促進税制】
CN税制Q&A
No |
質問 |
回答 |
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3 |
炭素⽣産性の向上要件について、1%、7%、10%はそれぞれ何が違うのか。 |
事業適応計画の認定を受けるためには、原則として事業者全体で炭素⽣産性を7%以上(税額控除10%を利⽤する場合は炭素⽣産性を10%以上)向上させる⽬標を設定する必要があります。計画に記載された炭素⽣産性向上に向けた取組のうち、設備投資を実施する事業所(⼯場や店舗)の炭素⽣産性を1%以上向上させる設備が税制の対象になります。 |
4 |
炭素⽣産性の向上要件について、事業者全体を⽤いる場合と事業所を⽤いる場合の違いは何か。 |
事業適応計画の炭素⽣産性向上⽬標は、原則として事業者全体のものとして設定します。ただし、年間のエネルギー使⽤量が3,000kl以上の事業所である場合⼜は申請者が中⼩企業者である場合は、事業所を単位として⽬標を設定することができます。また、計画に記載された設備投資が税制対象となるかは、その設備を導⼊する事業所単位で計算します。 |
6 |
⼆酸化炭素排出量の計算はどのようにすれば良いか。 |
⼆酸化炭素排出量の算出⽅法は、省エネ法の定期報告における算出⽅法を準⽤しています。詳細は「⽣産⼯程効率化等設備に関する命令(以下「設備命令」という。)」をご確認ください。なお、省エネ法の定期報告における算出⽅法と同様ですので、同報告の対象事業者は既に計算している値をそのまま⽤いることが可能です。また、省エネ法の定期報告の対象外の⽅などは、以下のURLに掲載している「エネルギー起源⼆酸化炭素排出量等計算ツール」を活⽤いただくことも可能です。エネルギー起源⼆酸化炭素排出量等計算ツール:事業適応計画(産業競争力強化法)(METI/経済産業省) |
16 |
「取得」とは、具体的にどのタイミングを指すのか。 |
機械等の所有権を得たこと、つまり機械等の購⼊等をしたこと(請負契約に基づく建物については、⼀般的には引渡しを受けたこと)を指します。例えば、検収が終わっていない設備については、引き渡しが済んでいないことから⼀般的に未取得の状態と考えられます。個別ケースにおいて判断に迷われる場合は、所轄の税務署までご確認ください。 |
【繰越欠損金の控除上限の特例】
繰越欠損金の控除上限の特例ガイドライン
重要項目 |
内容 |
参照頁 |
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申請主体の考え方 |
【単体納税法人の場合】青色申告書を提出し、成長発展事業適応に係る投資を行う法人が申請主体【単体納税法人以外の場合】連結親法人および成長発展事業適応に係る投資を行う当該連結親法人の連結子法人が申請主体(注)連結納税法人の場合、欠損金が生じている個々の子会社を全て申請主体とする必要はありません。 |
P.9 |
特例事業年度(定性) |
特例事業年度は、➀新型コロナウイルス感染症による外部環境の変化によって、②事業活動に影響が生じたことで、③企業収益が悪化し欠損が生じたまたは生じる見込みの事業年度です。特例事業年度として認定された期間(最大2事業年度)に発生した欠損について、本税制の特例で最大100%まで控除が可能となります。 |
P.12 |
特例対象投資 |
特例対象投資は、①事業適応計画を実施するために必要であって、②新商品・サービスの開発、新生産方式の導入、商品またはサービスの新販売方式・新提供方式の導入のいずれかの取組(P10参照)に資する、③研究開発投資、固定資産投資(有形・無形)、企業の合併・買収その他戦略的取組への出資、人的投資、構造改革投資に該当する投資です。 |
P.16 |
(Q3)本税制の適用を受けるための申請に締め切りはありますか。また、施行日から1年を超えた時点で申請および認定は拒否されるのですか。 |
(A)本税制の適用を受けるためには、産業競争力強化法の施行日から1年を経過する日までの間に計画を開始する必要がありますので、それ以前に認定を受ける必要があります。事業適応計画の認定は、基本的には正式申請から1ヵ月以内に行うこととされていますが、事前相談に約2ヵ月程度かかることが予想されますので、お早めにご相談いただくことをお勧めいたします。施行日から1年を超過した場合、本税制の適用を受けることはできませんので、ご留意ください。 |
P.20 |
改正法の施行により、事前相談・申請等の受付が始まります。DX投資促進税制・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制については、認定等を受けてから取得したものが対象になり、また、繰越欠損金の控除上限の特例については、産業競争力強化法の施行の日から1年を経過する日までの間に認定等を受ける必要がありますので、これらについては特にご留意いただきながら、対応を進めていただくことが重要となります。なお、事前相談から認定等を受けるまでに2~3ヵ月程度の時間を要しますので、その点もご留意ください。
EY税理士法人では、同一のチーム(テクノロジー専門家、国税当局出身者、経済産業省出向経験者、SDGsカーボンニュートラル支援オフィスのメンバーなど)で、DX投資促進税制※、研究開発税制、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制、繰越欠損金の控除上限の特例について対応することにより、各省庁への認定手続支援のノウハウを集約の上、サービス提供を実施します。
※DX戦略策定・DX認定取得支援を専門とするEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社と協働し、DX投資促進税制等への対応を支援する包括的なサービスを提供いたします。
また、EY Japanにおいても、DX(2021年7月付でEY新日本有限責任監査法人がDX認定を取得)やカーボンニュートラルへの取り組みを推進しています。
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