監査法人が行うショート・レビューとはどのようなものでしょうか?

Question

監査法人が行うショート・レビューとはどのようなものでしょうか?

Answer

監査法人が行うショート・レビュー(短期調査、クイック・レビューとも言います)は、株式上場を検討している会社に対して、株式上場の課題を検討し報告する調査を言います。

株式上場に際しては、上場しようとする証券取引所の審査基準をクリアすることが必要となりますが、その内容は利益額や流通株式数などの形式要件のほか、予算管理など社内管理体制の整備や、適切なディスクロージャー体制の整備など多様なものとなります。そのため、それら多くの課題について株式上場を目指す早い段階から網羅的に検討し、解決のスケジュールを策定しながら対処していくことが重要になります。

監査法人が実施するショート・レビューには、上場に際して重要とされるコーポレート・ガバナンスや組織・規程の整備などの経営管理制度や、中期経営計画や予算、月次決算制度などの利益管理制度、また、関連当事者等との取引に関する考え方などが含まれます。

これらは、会社が個人的経営を脱却し、組織的な経営に移行するために必要な要素であり、株式上場のためだけでなく、企業経営の基盤を盤石にしたいと考えているすべての経営者の方々にとっても参考になるものです。

このように考えると、ショート・レビューは、経営管理にお悩みの経営者の方、上場は考えていないが上場会社と遜色のない利益管理制度を構築したいと考えている経営者の方にも有用な調査となり、いわば「企業の診断カルテ」となっています。