EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
上場申請するにあたっては、予算・事業計画の見込みの精度を上げる必要があると聞いたのですが、どれぐらい精緻なものが必要ですか?
上場申請するにあたっては、事業計画の合理性が重要となってきます。事業計画は、単なる見込み、目標ではなく、そのビジネスモデル、事業環境、リスク要因等を踏まえて、遂行可能な計画として適切に策定する必要があります。
上場審査上も、事業計画の基礎となるビジネスモデルに経済的合理性があるだけでなく、業界の現状や展望、競合他社の動向、対象市場の規模や成長度合い、製品等の需要動向、法的規則の動向など、様々な要素の検討、分析が行われているかがチェックポイントとなります。
では、事業計画の合理性といっても、「どれぐらい計画と実績が乖離するといけないのか?」という疑問が湧いてくると思います。
上場すると、「決算短信」という決算速報を上場市場に提出する必要があり、その中では今期の業績だけでなく、翌期の業績予想も開示することになります。内容としては、売上高、営業利益、当期純利益及び1株当たり当期純利益を開示します。
ここで、売上高については、実績との乖離が10%以上見込まれる場合、各利益については、30%以上の乖離が見込まれる場合には、業績予想の修正をしなければならないルールになっています。よく、「上方修正」、「下方修正」という言葉を聞くかと思いますが、予算と実績の幅が上記を超えているケースがそのほとんどといえます。そのため、上場後の適時・適切な情報開示が行える体制となっていることを確認する上でも、上記の幅が1つの指標になると考えられます。
もちろん、上記の枠組みに収まることができればベストですが、乖離する可能性があることを適時に把握することも必要となり、月次で、予算と実績及びその比較分析を行う業績管理が重要となってきます。