EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
3年前は当時DACが所属していたMarkets部門の業務がほとんどでしたが、現在は監査やコンサルといった他のサービスラインと連携する業務が多くなりました。特に思い出深いのは、公認会計士向けの社内資格の認定業務で、EY新日本有限責任監査法人のマネージャーのもと2024年2月から半年ほど担当しました。データを細かくチェックし、1日あたり30~40件の承認可否を決定する作業は正確さと量の両立が求められ、私の障害特性上は苦手分野にあたります。それでも、マネージャーが「いつでも連絡してください」と声をかけてくれて、実際に困って連絡すると言葉どおりに快く対応してくれたので、安心して業務に集中することができました。
この業務では、監査法人側の研修担当チームと足並みをそろえて連携することが重要でしたので、コミュニケーション不足によるミスが生じないよう、自分なりに報告方法を工夫していました。マネージャーにはこのことを伝えていませんでしたが、フィードバックの段階で高く評価してくれたので、とても印象に残っています。リモート勤務の中で部下の見えない努力に気づくことは難しいことですよね。良い上司に恵まれて幸運だったと思いますし、このような上長がいる職場なら、障害者雇用も広がっていくだろうなと感じました。
最近は社内全体を巻き込む仕事のサポートを依頼されることが増え、信頼されるようになったと感じています。DACの新メンバーに対するオンボーディングの際も、「あなたから教えてあげてほしい」と指名の声をかけられるようになりました。2025年8月には、人事部が主導する障害を持つ大学生向けのインターンシップ「ACE」が実施され、私も障がい当事者としてサポートメンバーに選ばれ、学生の方々と交流する機会に恵まれました。DACの枠を超えて業務依頼を受けると、仕事を任せられている実感が湧き、やりがいを感じます。私はどちらかと言えばジェネラリスト型だと自認しているのですが、上司や同僚からさまざまな業務に対して前向きに取り組む姿勢を評価されることが多いので、「発達障害の人は際立った得意分野がある」という一般論とは少し違う形のモデルケースになれていればうれしいです。
この3年でDACは独立した部署となり、メンバーの人数も第一期の倍程度にまで増えました。現在のDACはコミュニケーションが盛んになって活気があると感じますし、多様なメンバーが増えたことで私も良い刺激を受けています。
コロナ禍が収束したことを理由にリモート勤務を廃止する企業も多い中、EYはフレックス&リモート制度を継続しているため、自分の体調に合わせた働き方ができます。私の場合、障害特性に由来する入眠困難や急な体調不良もありますが、フレリモ制度のおかげで勤務時間の調整や中抜けによる通院がしやすく、体調管理に役立っています。上司や業務に関係するメンバーも柔軟に対応してくれるので、言い出しづらいと感じることもありません。単に制度が整っているだけでなく、心理的安全性が担保されている職場だからこそ、長く働き続けることができているのだと思います。
以前から人事領域の業務に関心があり、今年からは人事部と連携してDAC内定者に向けた採用オファーの業務に関わりました。期日厳守かつ個人情報の取り扱いがあり緊張しましたが、やりたかった仕事だというモチベーションがあったので、乗り越えることができました。人事関連の書類チェックは集中力を生かせる得意分野なので、今後は入社や退職に関する手続きも経験したいと考えています。より幅広い業務を担当し、タレント・プロフェッショナルとしてのキャリアを構築することが今の目標です。
2022年のインタビューでは「突出した強みがなくても、弱みの分析ができていればやっていける」とお話ししましたが、その考えは今でも変わりません。たとえ応募段階で卓越したスキルや経験がなくても、入社してから学べることはたくさんあります。3年間、アドミンチームのメンバーとしてDAC全体の様子を見てきましたが、新しい知識や経験を積極的に吸収しようとする姿勢を持つ方であれば、十分にDACでのキャリアを積むことができますし、他の部署に異動しても活躍できるのではないでしょうか。
「EYに興味はあるけれど、説明会に行くか迷っている」という方がいらっしゃれば、ぜひ一度参加していただきたいと思います。説明会に参加している先輩は気さくにいろいろと教えてくれるので、まずは情報を収集されて、ご応募の判断に役立ててほしいですね。
私は大学卒業後、理化学機器を扱う商社で国内営業やユーザーサポートや貿易関係の業務を3年ほど経験しました。その後ITベンダーに転職しましたが、半年ほどたった頃に適応障害を起こし、休職。療養中にADHDの診断を受け、そのまま退職しました。自宅療養を続ける中で就労移行支援事業所Kaienの存在を知り、8カ月ほど通所した後、EYに転職しました。
1つ目は、フルリモート勤務が可能な点です。私には聴覚過敏があり、オフィス環境では集中しづらいため、在宅勤務ができるEYの環境に引かれました。指導員・支援員が常駐していて、日常的にサポートが受けられる体制であることも魅力のひとつです。
とはいえ、同じタイミングで別の会社からも内定を頂戴しており、業務内容の点で迷いがあったことも事実です。結果的に入社を後押ししたのは、説明会で聞いた「DACは新しくスタートするチームなので、カオティックな部分があると思う。そんな中で一緒にチームをつくっていけるメンバーを募集している」というメッセージでした。これまでずっと、成熟した組織で働いてきたので、一からつくり上げることのできる環境が面白そうだと思い、入社を決めました。
大きく4種類の業務を任せていただいています。1つ目は日程調整です。DACも所属するMarketsという部署が行う、営業活動に関連する会議について、参加者の日程確認、会議日時や場所などのコーディネートを行います。海外のEYメンバーと英文メールでやりとりする機会も少なくありません。2つ目はアドミン業務と呼ばれるもので、主に社内の人事異動に関する案内を作成し、イントラサイトに掲載しています。3つ目は経費精算で、直属の上司の交際費などを精算する業務です。最後に、DACの業務に必要な各種マニュアルなどの文書作成も行っています。障害の特性上、ルーティンワークが苦手なので、瞬発力を生かしていろいろな業務を経験できる現在の仕事は、自分に合っていると感じています。
発達障害や精神障害のある人を中心に構成されているチームなので、心理的安全性があるという点でしょうか。他のメンバーの困りごとが人ごとにならず、相談された時にも共感しやすいと感じています。また、週2回のショート面談で、業務について考えていることをこまめに言語化・整理できることも助かっています。業務の進め方や、仕事相手の方の時間が限られている時にどのようにリクエストを出すかなど、ちょっとしたことでも気軽に相談し、アドバイスをいただいています。
職階に関わらず意見を言える、オープンな雰囲気が魅力だと感じています。これまでは保守的な文化の日系企業に勤めてきたので、入社して、「平社員でもこんなに意見を聞いてもらえるのか」と、いい意味でのカルチャーショックを受けました。個人を大切にする考えが根底にあり、「バックグラウンドが違うのは当たり前」という意識の方が多いことが、風通しのよさにつながっているのだと思います。
「自分を認めて受け入れる」ことです。私は社会人になってから自分の障害に気付きましたが、診断から1、2年のあいだは、発達障害に関する勉強が足りず、障害受容もできていなかったように思います。その結果、自分の「できない」部分に対して敏感になってしまい、「周りの人にできることが、どうして自分にはできないのだろうか?」と思い悩んで体調を崩すこともありました。自分の障害に対する理解を深め、「できる」ことから着々と進めていくことで、仕事で「できない」ことに出合ってもショックを受けず、冷静に対応できるようになったと感じています。自分を受け入れ、強みを大切にすることが、社会貢献にもつながっていくと考えています。
現在アサインされている業務に関しては、全体の流れをつかめたので、今後はクオリティーを上げたいと思っています。障害の性質上ケアレスミスがあるので、減らしていきたいです。また、各タスクにおいて「こうすれば依頼主はもっとうれしいだろうな」という観点を持ち、より配慮の行き届いた仕事を目指したいと考えています。
仕事そのものよりも、自分のEYでのキャリアそのものが、Building a better working worldにつながればと思っています。
EYが掲げるLong-term value (LTV)のKPIに、「最良の人材」という指標があります。発達障害のある人材としてキャリアを積んでいくことが、EYという組織にとっての貢献になると考えていますし、それが日々働くためのモチベーションになっています。
就活中は自己分析や書類の作成などやることが多く、とても大変だと思います。個人的には、発達障害だからといって「強み探し」をする必要はなく、せめて自分の弱みを把握していればいいのではないかと考えています。私はどちらかというとジェネラリストタイプなのですが、卓越した分野がなくても、自分の苦手なことや、配慮が必要な点を分析しておけば、ストレスなく働くことができると実感しています。
成人してから発達障害の診断を受けて、気落ちしてしまう人も多いと思いますが、まずは何よりも、体を大切にしていただきたいと思います。時間をかけて障害受容をしていければ、必ずうまく働いていけるようになりますよ!