タイ、民商法典及び違反行為を定める法律の改正

タイJBS タックスアラート 2022年11月18日

2022年11月8日、民商法典(Civil and Commercial Code、以下C&CC)に基づき株式会社を規制する一部の規定を改正する法律、ならびに登録パートナーシップ、有限パートナーシップ、株式会社、協会及び財団に関連する違反行為を定める法律(「違反行為を規定する法律」)を改正する法律が官報に掲載され、発行日から90日後(すなわち、2023年2月7日)に施行されます。

1)民商法典に対する改正点

トピック改正前改正後
1. 発起人数(第1097条)株式会社を発起し、設立するためには、最低3人の個人が必要である。株式会社を発起し、設立するためには、最低2人の個人が必要である。
2. 登記された基本定款(Memorandum of Association、以下MoA)の失効(第1099条)有効期限なし1基本定款の登記日から3年以内に会社が登記されない場合、基本定款は失効する。
3. 取締役又は株主間の問題又は対立を解決する方法を指定する要件(第1108条第1項)「取締役又は株主間で解決できない問題又は対立を解決する方法を指定することができる「取締役又は株主間の問題又は対立が解決されない場合、又は投票によって解決されない場合、その解決方法を指定しなければならない
4. 株券(第1128条)全ての株券は、少なくとも1人の取締役によって署名されなければならない。全ての株券は、(もしあれば)社印を押印し、少なくとも1人の取締役によって署名されなければならない。
5. 電子的手段による取締役会(第1162条の1)適用されない

取締役会は、取締役の物理的な出席を必要とせず、オンラインミーティングとして開催することができる。ただし以下を要件とする。

  • 定款で禁止されていない。

及び

  • オンラインミーティングは、オンラインミーティングに関する法律に従って開催される。
6. 株主総会招集通知の発行(第1175条)株主総会招集通知は、全ての場合において、国内新聞に掲載する必要がある。株主総会招集通知は、会社が無記名株式を有している場合、国内新聞又はデジタルメディアチャンネルに掲載する必要がある。
7. 株主総会の定足数(第1178条)定足数を構成するには、資本金の4分の1を代表する最小株式数が必要である。定足数を構成するには、合算して資本金の4分の1以上の株式を代表する少なくとも2人の株主又は委任状保持者が必要である。
8. 配当分配の期限(第1201条)配当分配は、株主総会又は取締役会により関連する決議が可決された日から1カ月以内に行われなければならない配当分配は、株主総会又は取締役会により関連する決議が可決された日から1カ月以内に完了しなければならない
9. 裁判所命令による解散の理由(第1237条第4項及び第5項)

裁判所は以下の場合に会社の解散を命じることができる。

(4)株主が3人未満となった場合

又は

(5)会社が事業を継続することが不可能な状況にある場合

裁判所は以下の場合に会社の解散を命じることができる。

(4)株主が1人のみとなった場合

又は

(5)会社が事業を継続できない状況にある場合

10. 企業結合(カテゴリー4「株式会社」、第9部「合併」)合併に関する第9部は、第1238条から第1243条までと併せて削除

企業結合に関する新しい第9部に差し替え

企業結合は、特別決議により承認される。以下の2つの企業結合方法が認められる。

(1)新設合併:全く新規の会社が設立され、全ての被合併会社は消滅する。

(2)吸収合併:合併する会社の1社が存続し、他の会社は消滅する。

この新しい部では、企業結合に関して満たすべきその他の要件と基準が規定される。

11. 企業結合の移行期間合併を承認する株主総会が改正の発効日前に開催された場合、合併は改正前の既存の民商法典の適用規定に従って進めることができる。

1 商務省事業開発局の申請に基づいて、会社が基本定款の登記日から10年以内に登記されない場合、基本定款は失効します。


2)登録パートナーシップ、有限パートナーシップ、株式会社、協会及び財団に関連する違反行為を規定する法律(「違反行為を定める法律」)の改正

違反行為

改正前

改正後

1. 配当に関する違反行為(第19条)

2万バーツ以下の罰金

株式会社が株主総会の決議なしに配当を支払うことは違反行為である。

新改正により、以下のように、株式会社に対する3つの違反行為が既存の法律に追加される。
 

1)会社の取締役が十分な利益のない状態で中間配当を承認する。
 

2)利益以外の収入源泉からの配当分配、又は会社が損失ポジションにある場合の配当分配の承認。
 

3)株主総会又は取締役会において関連する決議が行われた日から1カ月以内に配当が行われなかった場合。

2. 企業結合手続に関連する違反行為(第24条)
 

2万バーツ以下の罰金

債権者が通知日から60日以内に会社に異議を申し立てることができるように、合併に関する情報を国内新聞に掲載しなかったり、債権者に通知しなかった株式会社

企業結合を承認する特別決議の通知を当該決議日から14日以内に債権者に通知せず、国内新聞に掲載することを怠り、当該通知の受領日から1カ月以内に債権者が会社に異議を提出することができるようにしなかった株式会社

※このタックスアラートの目的は提案事項の理解を容易にすることであり、事前に専門家に相談せず、税務計画のためだけに使用しないようご留意ください。

 

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※所属・役職は記事公開当時のものです

日付:2022年11月18日
Date: 18 November 2022

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