EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EY新日本有限責任監査法人 品質管理本部 会計監理部 公認会計士 久保 慎悟
会計処理及び開示に関して相談を受ける業務、ならびに研修・セミナー講師を含む会計に関する当法人内外への情報提供などの業務に従事しつつ、大手通信業や大手食品製造業のIFRS連結決算支援業務に従事している。主な著書(共著)に『M&A・組織再編会計で誤りやすいケース35』(中央経済社)などがある。
本稿では、2024年3月期の有価証券報告書の作成にあたり、会計基準等や開示規則の主な改正などによる開示への影響、金融庁による有価証券報告書レビュー(以下、有報レビュー)の審査項目を踏まえた留意事項を解説します。文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめ申し添えます。
24年3月期から原則適用又は任意適用可能となる会計基準等や24年3月期において公表されている会計基準等が開示に与える影響について解説します。なお、これらの会計処理等の詳細については、情報センサー24年4月「2024年3月期 決算上の留意事項」をご参照ください。
23年4月1日以後に開始する連結会計年度及び事業年度の期首より、実務対応報告第43号「電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い」(以下、実務対応報告43号)が原則適用となりました。「電子記録移転有価証券表示権利等」とは、「金融商品取引業等に関する内閣府令」(平成19年内閣府令第52号)1条4項17号に規定される権利をいい、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)2条2項に規定される有価証券とみなされるもの(以下、みなし有価証券)のうち、電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値に表示される場合に該当するものをいいます。実務対応報告43号の適用により、当該電子記録移転有価証券表示権利等を発行又は保有する場合における表示及び注記が求められることになりました。
電子記録移転有価証券表示権利等は、その発行及び保有がいわゆるブロックチェーン技術等を用いて行われる点を除けば、従来のみなし有価証券と権利の内容は同一と考えられるため、実務対応報告43号では、基本的に従来のみなし有価証券と同様に取り扱うこととされています(実務対応報告43号27項)。
このため、電子記録移転有価証券表示権利等を発行又は保有する場合の表示方法及び注記事項は、みなし有価証券が電子記録移転有価証券表示権利等に該当しない場合に求められる表示方法及び注記事項と同様となります。具体的には、電子記録移転有価証券表示権利等は、従来のみなし有価証券に含めて貸借対照表に表示し、金融商品に関する注記事項においても従来のみなし有価証券に含めて注記することになります(実務対応報告43号11項、12項)。
また、この24年3月期から実務対応報告43号は原則適用され、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として注記することになります(企業会計基準第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(以下、企業会計基準24号)10項)。なお、実務対応報告43号には、特定の経過的な取扱いが定められていないため、従来から電子記録移転有価証券表示権利等を保有する場合には、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することになります(企業会計基準24号6項(1))。
23年11月17日に実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」(以下、実務対応報告45号)、企業会計基準第32号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正」(以下、キャッシュ・フロー作成基準一部改正)及び会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」の改正(以下、改正キャッシュ・フロー実務指針)が公表され、同日より適用されています。
22年6月に改正された「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号)(以下、資金決済法)において、いわゆるステーブルコイン(実務対応報告45号BC1項)のうち、法定通貨の価値と連動した価格で発行され券面額と同額で払戻しを約するもの及びこれに準ずる性質を有するものが新たに「電子決済手段」と定義されました。実務対応報告45号の適用により、このうち特定の電子決済手段を発行又は保有する場合における表示及び注記が求められることになりました。
なお、実務対応報告45号が対象とする電子決済手段の範囲については、情報センサー24年4月「2024年3月期 決算上の留意事項」をご参照ください。
実務対応報告45号が対象とする電子決済手段は、いずれも同一の資産項目として取り扱い、現金又は預金そのものではないが現金に類似する性格と要求払預金に類似する性格を有する資産であるとされています(実務対応報告45号BC18項)。
このため、実務対応報告45号が対象とする電子決済手段を保有している場合には、貸借対照表上、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、財務諸表等規則)15条1項1号に定められている「現金及び預金」の範囲に含めず、財務諸表等規則17条1項12号に定められている「その他」に区分することになります。なお、重要性が認められる場合には、財務諸表等規則19条に基づき、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記する必要があります。
なお、実務対応報告45号が対象とする電子決済手段を発行している場合の表示について明示的な定めはありませんが、当該電子決済手段を金銭により払い戻す義務は、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」216項における「将来一定期日に他の企業に対し現金を引き渡す契約上の義務」であり、金銭債務に該当すると考えられるとされています(実務対応報告45号BC31項)。このため、このような考え方を参考にして、適切に表示区分等を判断する必要があります。
キャッシュ・フロー作成基準一部改正により、キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲について、実務対応報告45号が対象とする電子決済手段を現金に含めることとされ(キャッシュ・フロー作成基準一部改正2項)、また、改正キャッシュ・フロー実務指針においても、現金の定義に「特定の電子決済手段」が追加され、これには実務対応報告45号が対象とする電子決済手段が該当します(改正キャッシュ・フロー実務指針2項)。このため、キャッシュ・フロー計算書上、実務対応報告45号が対象とする電子決済手段は現金及び現金同等物に含めて表示されます。
実務対応報告45号の対象となる電子決済手段及び実務対応報告45号の対象となる電子決済手段に係る払戻義務に関する注記については、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」40-2項に定める金融商品の状況に関する状況に関する事項及び金融商品の時価等に関する事項について注記を行います(実務対応報告45号14項)。
なお、当該注記にあたっては、例えば、金融商品の時価等に関する事項を注記するにあたり、実務対応報告45号の対象となる電子決済手段については、預金に関する取扱いに準ずることが考えられるとされ、実務対応報告45号の対象となる電子決済手段に係る払戻義務は、金銭債務に関する取扱いに従うことになると考えられるとされています(実務対応報告45号BC45項)。
また、実務対応報告45号の対象となる電子決済手段はキャッシュ・フロー計算書における資金の範囲に含まれることから、資金の範囲に含めた現金及び現金同等物の内容並びにその期末残高の貸借対照表科目別の内訳の注記が必要となります(「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」第四1)。
さらに、実務対応報告45号を適用する場合には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として注記することになります(企業会計基準24号10項)。なお、実務対応報告45号には、特定の経過的な取扱いが定められていないため、従来から実務対応報告45号の対象となる電子決済手段を発行又は保有している場合には、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することになります(企業会計基準24号6項(1))。
23年3月31日に実務対応報告第44号「グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い」(以下、実務対応報告44号)が公表され、同日より適用されています。また、24年3月22日には、グローバル・ミニマム課税制度の導入の進展に併せて行われる法人税法の改正を見据えて適用範囲を拡大しつつ、名称を「グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する取扱い」とする改正がなされ、同日より適用されています。実務対応報告44号は、いわゆるグローバル・ミニマム課税制度に関する税効果会計の適用に関する取扱いを定めています。
実務対応報告44号により、当該実務対応報告44号の適用が終了されるまでの間、連結会計年度及び事業年度の決算における税効果会計の適用にあたっては、グローバル・ミニマム課税制度の影響を反映しないこととされています(実務対応報告44号3項)。
また、グローバル・ミニマム課税制度の適用が見込まれるか否かの判断を適時にかつ適切に行うことについて懸念があるとの意見があることから、グローバル・ミニマム課税制度の影響が見込まれる企業において実務対応報告44号を適用した旨を注記することも求められていません(実務対応報告44号16項)。
22年10月28日に、税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)及びグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等(子会社株式又は関連会社株式)の売却に係る税効果の取扱いを定める改正企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(以下、改正法人税等会計基準)等が公表されています。改正法人税等会計基準は、24年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から原則適用することとされ、23年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期適用することができるとされています。このため、以下では、改正法人税等会計基準を早期適用している場合と早期適用していない場合とに分けて開示に対する影響を解説します。
なお、改正法人税等会計基準の内容については、情報センサー22年8月・9月合併号の「株主資本又はその他の包括利益に対する課税及びグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いに関する改正案の解説」をご参照ください。
改正法人税等会計基準に基づき、税金費用の計上区分に関する定めが改正され、当事業年度の所得等に対する法人税、住民税及び事業税等については、以下のそれぞれごとに計上区分が異なることになります。なお、ここでいう「所得等に対する法人税、住民税及び事業税等」には、所得に対する法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)のほかに、住民税(均等割)及び事業税(付加価値割及び資本割)を含むとされています(改正法人税等会計基準5項)。
A 企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引のうち、損益に反映されないものに対して課されるもの
B 資産又は負債の評価替えにより生じた評価差額等(以下、評価差額等)に対して課されるもの
C A及びB以外のもの
A 企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引のうち、損益に反映されないものに対して課される当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等
純資産の部の株主資本の区分に計上します。具体的には、当該法人税、住民税及び事業税等を株主資本の対応する内訳項目から控除することになります(改正法人税等会計基準5-5項(1))。
B 評価差額等に対して課される当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等
個別財務諸表においては、純資産の部の評価・換算差額等の区分に計上し、連結財務諸表においては、その他の包括利益で認識した上で純資産の部のその他の包括利益累計額の区分に計上します。具体的には、当該法人税、住民税及び事業税等を、個別財務諸表においては評価・換算差額等の対応する内訳項目から控除し、連結財務諸表においてはその他の包括利益の対応する内訳項目から控除することになります(改正法人税等会計基準5-5項(2))。
C A及びB以外の当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等
法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)については、損益計算書の税引前当期純利益(又は損失)の次に、法人税、住民税及び事業税などその内容を示す科目をもって表示します(改正法人税等会計基準9項)。また、事業税(付加価値割及び資本割)については、原則として、損益計算書の販売費及び一般管理費として表示します(改正法人税等会計基準10項)。
なお、A又はBに該当する当事業年度の所得に対する法人税、住民税及び事業税等についても、その金額に重要性が乏しい場合や課税の対象となった取引や事象が、損益にも関連しており、かつ、A又はBに該当する法人税、住民税及び事業税等の金額を算定することが困難である場合には、損益に計上することができるとされ、結果として、損益計算書の税引前当期純利益(又は損失)の次に、法人税、住民税及び事業税などその内容を示す科目をもって表示することができます(改正法人税等会計基準5-3項)。
改正法人税等会計基準の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用することとされていますが(企業会計基準24号5項(1))、本稿で解説している税金費用の計上区分に関する改正については、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を、適用初年度の期首の利益剰余金に加減するとともに、対応する金額を資本剰余金、評価・換算差額等又はその他の包括利益累計額のうち、適切な区分に加減し、当該期首から新たな会計方針を適用することができることとされています(改正法人税等会計基準20-3項、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」65-2項)。
改正法人税等会計基準は、既に公表されているものの、未だ適用されていない新しい会計基準等に該当することから、以下の事項を注記する必要があります(企業会計基準24号22-2項)。
改正法人税等会計基準を早期適用していない場合においても、その適用による影響を注記することが求められていることから、改正法人税等会計基準の内容を適切に理解し、適用により重要な影響が生じる場合にはその適用による影響の記載を検討する必要がある点に留意が必要です。なお、適用の影響について定量的に把握していない場合には定性的な情報を注記し、財務諸表の作成時点において影響を評価中であるときは、その事実を記述することになると考えられます(企業会計基準適用指針第24号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」(以下、適用指針24号)12-2項)。
金融庁では、開示の充実化に向けた実務の積上げ・浸透を図る取組として、18年から毎年、「記述情報の開示の好事例に関する勉強会」を実施した上で、「記述情報の開示の好事例集」を公表、更新しています。
「記述情報の開示の好事例集」の公表は、投資判断にとってより有益な情報が提供されることを念頭に、以下を目的として取組が進められています。
23年12月には、サステナビリティに関する考え方及び取組の開示例を取りまとめた「記述情報の開示の好事例集2023」が公表され、その後、24年3月に、新たに以下が追加されています。
出典:金融庁「『記述情報の開示の好事例集2023』の更新」(www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240308.html <2024年4月1日アクセス>)
有価証券報告書の記載内容の適正性を確保する目的の下、毎年、金融庁と財務局等との連携により有報レビューが行われています。
出典:金融庁「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等(サステナビリティ開示等の課題対応にあたって参考となる開示例集を含む)及び有価証券報告書レビューの実施について(令和6年度)」(www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240329-9/20240329.html <2024年4月1日アクセス>)
24年度の有報レビューの概要は<表1>のとおりです。
項目 |
対象会社 |
審査内容及び方法 |
24年度の対象項目 |
---|---|---|---|
(1) 法令改正関係審査 |
すべての有報提出会社 |
毎年の法令改正事項に関して、調査票*1に回答し所管の財務局等に提出 |
23年1月に施行された企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令及び識別された課題に関連する開示項目(「従業員の状況」における女性管理職比率並びに「コーポレート・ガバナンスの状況等」における取締役会・監査役会等の活動状況及び政策保有株式に関連した開示を含む)*2 |
(2) 重点テーマ審査 |
審査対象会社 |
特定の重点テーマに着目して審査対象会社を抽出し、個別の質問を送付 |
サステナビリティに関する企業の取組の開示*3 |
(3) 情報等活用審査 |
審査対象会社 |
適時開示や報道、一般投資家等から提供された情報等を勘案して審査を実施 |
|
*1 23年度の有報レビューで識別された主な課題について審査結果を踏まえた留意すべき事項等に従って開示が行われているかについて確認する調査項目が含まれている。主な調査項目の概要は以下のとおりである。
*2 「コーポレート・ガバナンスの状況等」における監査役会等の活動状況及び政策保有株式に関連した開示された事項ではないが、23年度の有報レビューにおいて識別された課題のうち特に留意すべき事項であることから、24年度の審査対象に含められている。
*3 23年1月に施行された企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令の適用にともない、有価証券報告書において開示される「サステナビリティに関する考え方及び取組」に関する記載内容について自主的な改善に資するよう審査している。
過去の有報レビューの重点テーマ項目は<表2>のとおりです。
対象年度 |
重点テーマ |
---|---|
21年度 |
① 新型コロナウイルス感染症に関する開示 |
22年度 |
収益認識に関する会計基準 |
23年度 |
サステナビリティに関する企業の取組の開示* |
* 重点テーマ以外の有価証券報告書の記載項目(政策保有株式に関する開示等)についても適宜審査を実施
23年度の有報レビュー結果を踏まえた留意事項及び改善の方向性として記載された内容のうち主なものは以下のとおりです。なお、留意事項及び改善の方向性と併せて、サステナビリティ開示等の課題対応にあたって参考となる開示例集も掲載されています。
なお、23年1月に改正され施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令」及び「企業内容等の開示に関する留意事項について(開示ガイドライン)」の内容については、情報センサー23年3月「改正企業内容等の開示に関する内閣府令の解説」をご参照ください。
サステナビリティに関する企業の取組の開示に係る審査結果として、識別された主な課題は以下のとおりです。
なお、金融庁ウェブサイトでは、個別項目それぞれについて事例も交えて、「法令等に準拠した開示を行うにあたって留意すべき事項」と「開示の充実に向けて参考になると考えられる事項(投資家・アナリスト・有識者の期待・コメント等)」を解説しています。ここでいう「開示の充実に向けて参考になると考えられる事項(投資家・アナリスト・有識者の期待・コメント等)」とは、法令等に準拠したうえで、さらに投資者の投資判断や投資者との対話に有用な情報を提供する観点から、開示の充実を検討する際に参考になると考えられる事項であるとされています。詳細は、金融庁ウェブサイト「有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等(サステナビリティ開示等の課題対応にあたって参考となる開示例集を含む)及び有価証券報告書レビューの実施について(令和6年度)」をご参照ください。
課題① |
サステナビリティ関連のガバナンスに関する記載がない又は不明瞭である |
課題② |
サステナビリティ関連のリスクを識別、評価及び管理するための過程に関する記載が不明瞭である |
課題③ |
サステナビリティ関連の機会を識別、評価及び管理するための過程に関する記載がない |
課題④ |
戦略並びに指標及び目標のうち、重要なものについて記載がない |
課題⑤ |
サステナビリティ関連のリスク及び機会の記載がない又は不明瞭なため、サステナビリティに関する戦略並びに指標及び目標に関する記載が不明瞭である |
課題⑥ |
人人的資本(人材の多様性を含む)に関する方針、指標、目標及び実績のいずれかの記載がない又は不明瞭である |
課題⑦ |
人的資本(人材の多様性を含む)に関する指標、目標及び実績が連結会社ベースの記載になっていない |
課題⑧ |
「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載すべき事項を有価証券報告書内の他の箇所に記載して参照する場合において、記載上の不備がある |
課題⑨ |
「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載事項について、公表した他の開示書類等に記載した情報を参照する場合において、記載上の不備がある |
なお、開示の充実に向けて参考になると考えられる全般的事項も掲載されており、以下のとおりです。
従業員の状況及びコーポレート・ガバナンスの状況等の開示に係る審査結果として、識別された主な課題は以下のとおりです。
なお、金融庁ウェブサイトでは、サステナビリティに関する企業の取組の開示に係る審査結果と同様に、個別項目それぞれについて事例も交えて、「法令等に準拠した開示を行うにあたって留意すべき事項」と「開示の充実に向けて参考になると考えられる事項(投資家・アナリスト・有識者の期待・コメント等)」を解説しています。
課題① |
女性管理職比率を女性活躍推進法の「管理職」の定義に従って算定・開示していない |
課題② |
取締役会、会社が任意に設置する指名・報酬委員会、監査役会等の開催頻度、具体的な検討内容、出席状況等の記載がない |
課題③ |
内部監査が取締役会に直接報告を行う仕組みの有無に関する記載がない |
課題④ |
政策保有株式の銘柄ごとの保有目的が具体的に記載されていない |
課題⑤ |
政策保有株式縮減の方針を示しつつ、売却可能時期等について発行者と合意をしていない状態で純投資目的の株式に変更を行っており、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっている |
課題⑥ |
政策保有株式縮減の方針を示しつつ、発行者から売却の合意を得た上で純投資目的の株式に区分変更したものの、実際には長期間売却に取り組む予定はなく、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっている |
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