OSINTを活用した経済安全保障意思決定支援コンサルティング

今やOSINT(Open Source Intelligence)プラットフォームの活用は、経済安全保障に係る意思決定に不可欠です。 EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)の ストラテジック インパクトでは、これまでに培ってきた日本や諸外国の経済安全保障に関連する政策情報とOSINTを活用して、企業・政府の意思決定を支援いたします。

OSINTが経済安全保障意思決定に不可欠な理由

米中の地政学的対立が長期化する中で、企業に経済安全保障対策が当然のように求められるようになりました。とりわけ日本として戦略的自律性と不可欠性を確保するためにも、産業スパイや懸念国による支配を通じた重要情報の漏えいや、経営への影響に対する分析と対応が重要になっています。

例えば、日本では2025年から運用開始となったセキュリティクリアランス制度において、認定事業者を目指す企業に対して自社の実質株主の明確化が課されます。また、同年に公表された外為法に基づく対内直接投資審査制度の改正案においては、新たに「特定外国投資家」およびそれに準ずる者がカテゴリとして定義され、懸念国による投資のスクリーニングが一層厳しくなる見込みです。

米国においては、対米外国投資委員会(CFIUS)および大統領の判断により安全保障上の理由で日本の企業による米国企業の買収が一度は停止されるなど、グローバルに事業を展開する企業は自社が諸外国の政府からどのようにリスク視されているかを分析する必要にも迫られています。

また、輸出管理の領域においては、特に域外適用がされる米国のEAR(Export Administration Regulations)について、EARの付属文書である“Know Your Customer” Guidance(Supplement No. 3 to Part 732)に基づき、輸出者に取引の際のレッドフラグ(注意すべき危険信号)の検知と分析が求められています。その分析の際には規制違反が確実に発生するという事実のみならず、将来的に高い確率で発生するという判断に寄与する事実に対しても求められています。そのため、本サービスで活用するようなOSINTプラットフォームが普及することにより、輸出者における対応事項の範囲も拡大することが見込まれます。
 

EYができること

こうした環境の中で、EYSCは自社、顧客、サプライヤーの真の支配者、輸出先のエンドユーザー、サプライヤーの最上流工程、各法人の役員の兼務および真の関係企業や関係者を明らかにし、それらの主体に対する制裁リストへの掲載や懸念国とのつながりを分析するツールを提供します。そのようなリスクを可視化した上で経済安全保障の観点から適切な意思決定(取引の解消、資本関係の解消、従業員の配置換えなど)の判断を支援する新たなサービスを提供します。

本サービスのユースケース

本サービスのユースケース

EYの強み

私たちは、長年の経済安全保障領域のコンサルティング経験や、日本を含む各国の政府関係者との定期的な意見交換を通じて、今後制裁対象になる可能性の高い主体の傾向や、当局が懸念を示す観点に関する豊富な知見を提供可能です。

米国の投資審査機関も活用しているOSINTプラットフォームを活用し、その分析結果と私たちの知見を組み合わせることで、経済安全保障対応において今後常識となる可能性の高い取り組みについて、迅速にサービス提供をします。

※OSINTについて
OSINT (Open Source Intelligence:オープンソースインテリジェンス)。公開されている情報を収集・分析し、インテリジェンスとして活用する手法。

ニュースリリース

EY Japan、OSINTを活用して、経済安保に関するクライアントの意思決定を支援するコンサルティングサービス提供開始

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡)は、7月1日より経済安全保障に関連する政策情報とOSINTプラットフォームを活用して、企業や政府などクライアントの意思決定を支援するコンサルティングサービスの提供を本格的に開始します。

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