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EY新日本有限責任監査法人
公認会計士 桑澤 明
令和7年法務省令第5号「会社計算規則の一部を改正する省令」(以下「本改正」という。)が2025年2月28日に公布され、同日に施行されました。
本改正は、企業会計基準委員会(ASBJ)において、実務対応報告第46号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示の取扱い」(以下「実務対応報告第46号」という。)が公表されたことを受け、会社計算規則について所要の改正を行うものです。
実務対応報告第46号では、損益計算書において、グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)を表示した科目の次にその内容を示す科目をもって区分して表示するか、法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)に含めて表示し、重要性が乏しい場合を除き当該金額を注記することとされています。
また、連結損益計算書において、グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)を示す科目に表示することとされています。このときグローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等が重要な場合は、当該金額を注記することされています。
これを受けて会社計算規則において、以下(1)(2)の改正が行われました。
(1) 損益計算書の開示について(会社計算規則第93条)
グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等については、損益計算書において、法人税等の金額に含めて表示することに加えて、法人税等の次にその内容を示す名称を付した項目(以下「国際最低課税額項目」という。)をもって表示できることとされました。
(2) 国際最低課税額に対する法人税等に関する注記について(会社計算規則第98条、第115条の3)
損益計算書において国際最低課税額項目を法人税等に含めて表示した場合には、重要性が乏しいものを除いて、個別注記表に当該金額を注記することとされました。
また、連結損益計算書においては国際最低課税額項目を法人税等に含めて表示しますが、重要なものに限り、連結注記表に当該金額を注記することとされました。
(3) 収益認識に関する注記について(会社計算規則第115条の2)
収益認識に関する注記事項の一部を省略することのできる会社に、会社法第444条第3項に規定する株式会社以外の株式会社に加えて持分会社も加えることとされました。
2025年2月28日に公布され同日に施行されました。本改正による改正後の会社計算規則の規定は、2024年4月1日以後に開始する事業年度に係る計算書類及び連結計算書類について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例によるものとされています。
改正案からの変更点はありません。
なお、本稿は本改正の概要を記述したものであり、詳細については本文をご参照ください。
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