自治体向け感染症危機管理訓練アドバイザリー

各都道府県では、感染症危機を念頭に置いた国の方針、ガイドラインの改定に伴い訓練実施、評価の報告とその実効性の向上が必要となっています。EYでは、訓練の企画段階から、計画、準備、実施、評価のご支援をプロフェッショナル集団が実施可能です。

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自治体向け感染症危機管理訓練アドバイザリー

自治体における感染症対応の現状

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の教訓を踏まえ、わが国の感染症危機管理は制度面で大きく進化しました。令和5年9月、政府全体の司令塔として内閣感染症危機管理統括庁が発足し、平時には政府行動計画の充実と実践的な訓練、各府省庁の準備状況のチェック・改善というPDCAサイクルを推進する役割を担うこととなりました。令和7年4月には国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが統合され、科学的知見の提供を担う国立健康危機管理研究機構(JIHS)が発足しました。

計画の面では、令和6年7月2日、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」が2013年の策定以来初めて全面改定されました。対策項目は6項目から13項目へ拡充され、実施体制、情報収集・分析、サーベイランス、リスクコミュニケーション、水際対策、まん延防止、ワクチン、医療、検査、保健、物資、国民生活・国民経済までを体系化。時間軸も準備期・初動期・対応期の3期に整理され、特に準備期、すなわち「平時に何を準備しておくか=平時の備え」の記載が充実しました。これを受けて各都道府県の行動計画改定も進み、統括庁が各県の改定状況を公表する段階まで来ています。感染症法においても、令和4年12月の法改正により予防計画の充実と医療措置協定が法定化され、令和6年4月に施行。病床確保、発熱外来、自宅療養者等への医療提供、後方支援、人材派遣という措置類型ごとに、平時のうちに県と医療機関が役割を確認し合う仕組みが動き出しました。制度としての「備え」は、これまで以上に整備が進んでいます。

国の訓練支援も具体化しています。統括庁は発足以来毎年度、感染症危機管理対応訓練を実施しており、総理・閣僚が出席する政府対策本部会合(訓練)、全47都道府県との情報連携訓練、知事が出席するオンラインの緊急連絡会議(訓練)を組み合わせた全国規模の枠組みに成長しました。令和6年度は国内1例目の確認を想定し、空港での機内検疫から指定医療機関への患者搬送・受け入れまでを関係機関が実地に確認する現場対応訓練も行われています。令和7年度は焦点を海外発生期に移し、同年4月に示された「新型インフルエンザの国内発生時等のタイムライン」に沿って、発生覚知から政府・都道府県の初動までの流れが検証されました。年度ごとに想定場面を変えながら、国と地方の連絡体制を確認する運用が継続的に実施されています。

さらに令和6年8月30日に整備された政府行動計画ガイドラインは、都道府県の平時における訓練の在り方を具体的に示しています。都道府県等には、年1回の情報伝達訓練や対策本部設置訓練を基本として、全庁的な訓練の実施が求められています。また、保健所の有事体制を構成する職員については、全員が年1回以上、初動対応や情報連絡等に関する実践型訓練を受講できる体制の整備が求められています。地方衛生研究所についても、有事体制への移行から検査実施までを確認する実践型訓練を定期的に実施することが求められています。さらに、保健所や地衛研が策定する健康危機対処計画には、研修・訓練の実施方針を盛り込むこととされています。加えて、協定締結医療機関には年1回以上の研修・訓練と対応フローの点検が求められ、その実施状況は国がG-MIS(医療機関等情報支援システム)を通じて把握する枠組みです。予防計画にも研修・訓練回数やIHEAT(感染症のまん延等の健康危機が発生した場合に、地域の保健師等の専門職が保健所等の業務を支援する仕組み)要員確保数が数値目標として位置付けられました。厚生労働省も新興感染症対応の訓練シナリオや保健所向け講習会資料を公開し、教材面の支援を行っています。今後は、「計画があるか」ではなく、「改定した計画の実効性向上、そのための関係機関連携の強化、訓練実施とその評価・改善、関係者との顔の見える関係性の構築」に移っています。

自主的に実施することが不可欠な訓練とその実効性

政府実施の訓練は本部運営と情報連携の確認に主眼があり、それ自体は不可欠であると同時に、県内の保健所・地方衛生研究所・協定締結医療機関・消防・市町村を貫く一連の動きは県が独自に訓練を実施する必要があります。ガイドラインが求める実践型訓練を毎年度実施するには、全庁で、保健所ごとに、さらに数百に及ぶこともある協定締結医療機関を視野に入れる必要があります。その上で、訓練企画・実施・振り返り・改善を図ることが重要です。一方で、平常時の感染症対応の実務と訓練運営の両方を円滑に実施する人材は、どの自治体でも限られています。結果として訓練が「実施したという記録」にとどまり、せっかく改定した行動計画や締結した協定が有効に機能するか、各自治体固有の事情や地域性、地理的要因等を十分に考慮されているかの観点まで検討することが難しいとの声も聞かれます。EYでは、この「計画と現場の間」をつなぎ、次の感染症危機に対する実効性を向上する支援が可能です。

実効性のある訓練支援4つのポイント

EYでは、実効性のある訓練の実施支援として4つのポイントがあると考えます。

ポイント1:現状診断と訓練計画づくり

改定済みの行動計画・予防計画・協定と貴県の訓練実績を突き合わせ、ガイドラインが求める水準に対しどこに検証の空白があるかを可視化し、無理のない年間・複数年の訓練計画に落とし込みます。統括庁訓練の年間サイクルやタイムラインと連動させることで、国の訓練を「受ける行事」から「県の検証機会」としての役割を付加します。

ポイント2:図上訓練の企画・運営

国のタイムラインと貴県の計画に沿った意思決定演習を設計し、当日の運営と進行をEYが支援します。県職員の皆さまには、評価される側ではなく、考え、判断する側に専念していただきます。

ポイント3:実動訓練・多機関合同訓練

感染症の覚知から搬送、受け入れまでの流れを、保健所・医療機関・関係機関と共に実動訓練で確かめます。災害医療分野での経験を生かし訓練運営の手法を感染症対応に応用することで、連絡確認にとどまらない検証を実現します。協定締結医療機関の年1回以上の研修・訓練と点検を県の訓練体系に組み込み、G-MIS報告に耐える実施記録として残す設計も可能です。

ポイント4:検証と定着

訓練は課題が見つかってこそ意味があると考えます。見つかった課題を計画やマニュアルの改善につなげます。あわせて、職員ご自身が訓練を企画・評価できるようになる人材育成にも寄与します。


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