EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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エリア別パフォーマンスの概要:すべてのエリアでIPO後の株価が上向きに
Americasでは、2023年1Qから3Qまでの調達額が193億米ドルに達し、前年同期比159%の大躍進となりました。2023年の現時点までに行われた113件のIPOのうち、96件が米国で行われたものでした。米国はまた、クロスボーダーIPOが増加した唯一のマーケットであり、待望の超大型IPOが行われる舞台となる見通しです。SPAC(特別目的買収会社)によるIPO活動は、2023年の時点で、調達額が7年ぶりの低水準に達し、2016年以来見られなかったレベルまで落ち込んでいます。従来型のIPO市場が回復基調にあるのに対して、SPACによるIPO活動は、ここしばらくは静かな状態が続く可能性があります。なぜなら、SPACにおける焦点が、目標企業との合併が終わっていないSPACの合併を完了させること、またはそうしたSPACを解散することへシフトしているからです。
Asia-Pacific(アジア・パシフィック)の2023年9月末までのIPO活動は、前年同期比で件数が8%、調達額は41%の減少となりましたが、世界全体のIPOの約60%がAsia-Pacificで行われるという、プラスとマイナス要素が混在した複雑な状況となっています。Asia-Pacificの大多数の国では、印紙税の低減などの施策を通して、政府が経済成長やIPO活動の活性化を引き出すため努力を続けています。また、Asia-Pacific主要国で経済問題により、IPO活動が弱まっているため、Asia-Pacificで過去2年間に行われたディール数はそれまでと比べて減少しています。しかし全体的には、大規模ディールがパイプラインにあるというプラスの見通しが存在しており、2023年4QにはIPO活動がわずかに増加することが期待されています。
EMEIA(欧州、中東、インド、アフリカ)では、2023年の現時点までに、286件のIPOが219億米ドルを調達しました。これは、前年同期比で件数が2%の上昇、調達額が44%の減少となっています。EMEIA内にある証券取引所は、金融情勢と市場の流動性の引き締めという「ニューノーマル」に適応しており、投資家の信頼が高まっていることで、驚くほど堅調で安定した状態を保っています。EMEIAで目立った傾向として挙げられるのが、エネルギーセクター企業のESG(環境、社会、ガバナンス)関連のエクイティストーリーを受けて、投資家のIPOへの関心が高まっていることです。