持続可能な地域交通の将来像をどう描いていくべきか?

地域一体でのビジョン・戦略づくりと地域活性化に向けた取り組みの重要性

地域交通は、住民のウェルビーイングや地域経済の活性化を支える重要な社会インフラですが、近年の急激な事業環境の悪化から、今や崩壊の危機に瀕(ひん)しています。

この危機を脱し、さらに地域社会の発展につなげていくためには、地域交通の維持のみを目的とした交通分野に限定した議論のみならず、「何のための地域交通か」という観点に立ち返ることが求められます。そのためには、医療・福祉、教育、観光、経済など多様な分野の関係者が一体となって、地域交通を地域全体の目線で活用していくビジョン・戦略を構築した上、長期的かつ本質的な視点に基づいた対応策と試行錯誤の道筋を示すことが、より一層重要となってくるものと考えられます。

本セミナーでは、このような視点から地域交通・地域づくりの取り組みに造詣の深い有識者、コンサルタント、そして地域の事業者の皆さまと共に、地域一体でのビジョン・戦略づくりと地域活性化に向けた取り組みを進めていくための要点を議論します。

日時:2025年6月24日(火)13:30〜15:30

受講料:無料

主催:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社


プログラム

13:30~13:33

イントロダクション

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー ディレクター
竹内 稔
 

13:33~13:40

地域公共交通計画に関する共同研究の結果報告

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー マネージャー 
白石 俊介

全国の地方自治体において、将来目指すべき地域交通の姿やロードマップを明らかにするための「地域公共交通計画」が策定されています。昨年度、中国地方5県の地方自治体における地域公共交通計画について調査研究を行った結果、計画内容や策定プロセスに関する傾向や課題が明らかになったため、その概要を報告します。
 

13:40~15:10

ディスカッション「持続可能な地域交通の将来像をどう描いていくべきか?」

共同研究で明らかになった課題も踏まえ、今後、地域交通を地域づくりと一体でどう活用するかという観点から、地域において取り組みを進めていくためのポイントを議論します。

トピックス:
①地域公共交通計画のアップデートに向けて
②地域交通を起点とした地域づくりに向けて必要な発想と取り組み
③地域交通を活用した地域づくり、地域活性化の取り組み 

 

パネリスト:

  • 備北交通株式会社 代表取締役会長
    山根 英徳 氏
  • 庄原商工会議所 専務理事
    本平 正宏 氏
  • 呉工業高等専門学校 環境都市工学分野 教授
    神田 佑亮 氏
  • 復建調査設計株式会社 東京支社第二技術部 社会基盤計画課
    吉野 大介 氏

 

ファシリテーター
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー ディレクター 
竹内 稔

 

15:10~15:25

Q&A
 

15:25~15:30

総括

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー ディレクター 
竹内 稔
 

ゲストスピーカー:

  • 山根 英徳 氏
    備北交通株式会社 代表取締役会長
    広島経済同友会 備北支部副支部長

1979年備北交通株式会社入社。2017年に代表取締役社長に就任し、中山間地域のまちづくりに関わる公共交通について、社会実験等も実施して検討を行い、地域一体となって取り組みを進めている。2024年からは現職に就任。

  • 本平 正宏 氏
    庄原商工会議所 専務理事

地元の地方銀行にて35年間勤務。その後、庄原の地域活性化に携わるため早期退職し、Iターンによって庄原市へ完全移住。
現在は商工会議所における業務のみにとどまらず、観光振興や地域活性化に向けたさまざまな活動を、多様な関係者と推進中。

  • 神田 佑亮 氏
    呉工業高等専門学校 環境都市工学分野 教授

民間コンサルタント、京都大学准教授を経て現職。専門は交通マネジメント。特に災害時・非日常時の交通マネジメントでは、2018年の西日本豪雨、2023年のG7広島サミットでは最前線で対応。最近はバス事業の共同運営や地方鉄道の再構築にも携わる。国土交通省 国土審議会地域生活圏専門委員会委員、国土交通省 交通政策審議会 地域公共交通部会 臨時委員等。

  • 吉野 大介 氏
    復建調査設計株式会社 東京支社第二技術部 社会基盤計画課 主任エンジニア

2008年、復建調査設計株式会社に入社。博士(工学)。東京大学協力研究員(兼務)として、岩手県陸前高田市における東日本大震災後の復興支援に携わり、「まちづくり」や「足づくり」を通じて地域交通の実務に深く関与。以降、地域に根ざした交通計画の立案から実装・評価に至るまで、各地の移動課題の解決に取り組む。現在は、全国の地方公共団体や交通事業者と連携し、地域の活力を引き出しつつ、持続可能な地域交通の実現に尽力。

 

EY登壇者:

  • 竹内 稔
    EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー ディレクター

EY新日本有限責任監査法人を経て、2021年9月よりEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社に転籍。インフラに関連した公共セクター等の再編・経営統合支援業務、地域交通に関する経営・財務分析やスキーム構築アドバイザリー等、経営/会計/官民連携の知見を基に、多数の公共・民間向けアドバイザリーをリード。

  • 白石 俊介
    EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 インフラストラクチャー・アドバイザリー マネージャー

地方自治体、国内大手監査法人、EY新日本有限監査法人を経て、2021年9月よりEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社に転籍。地域交通を中心とした公共インフラ事業の再編、経営、財務分析、スキーム構築、地域交通の社会的価値・インパクト算出など、多数のプロジェクトを担当。


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※オンデマンド視聴期限:2026年6月23日

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関連イベント・セミナー

地域公共交通の将来像2025 データ&エビデンスによるサービスレベル設定とマネジメント

近年、地域公共交通のあり方や存廃議論が各地で行われている中で、公共交通事業の収支改善だけに着目するのではなく、渋滞削減、交流機会増加や健康増進など、外部効果を定量化することによる公的投資の拡大を目指す取組みが進んでいます。 この度、EYでは 「地域公共交通の将来像2025 ~データ&エビデンスによる サービスレベル設定とマネジメント~」(兼PACサミット第2回)と題して、わが国の地域公共交通の将来像について、皆さまと考えるセミナーを開催いたします。 皆さまにおかれましては、ご多用中とは存じますが、ぜひともご参加くださいますようご案内申し上げます。

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