EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
2023年5月に実施された本セミナーでは、国⼟交通省を始め、⼤学、⾦融、⾃治体、コンサルの関係者が集まり、地域交通の現状や課題、施策、今後の展望、リ・デザインに求められるものとは何かについてディスカッションが展開され、共創・DX・GXによる地域交通のリ・デザイン実現には産官学連携による信頼の連鎖を創り出すことの重要性、地域でのビジョンの重要性が⽰唆されました。
要点
セミナー開催に当たり、冒頭、EYストラテジー・アンド・コンサルティング リード・アドバイザリー ディレクターである竹内稔は、「地域交通は今、危機的状況に陥っており、『10年先の未来』が現実となっています。交通事業者の赤字は年々拡大し、内部補助や補填型公的補助の日本型地域交通の事業構造は限界を迎えており、将来的な持続可能性が危ぶまれています」と説明します。その上で「業界の人手不足も極めて深刻化しており、サービス水準の悪化を招き、より利用者が離れてしまうという負のスパイラルに陥っています」と指摘します。
そのような中でも、地域交通は、地域の社会課題解決、地域の「ウェルビーイング」を支える基礎となる重要インフラであり、持続的な活用が求められるとして、「地域交通があることによって、高齢者や子ども、観光客の移動手段ほか、家族を自家用車で送迎する社会全体の機会損失を軽減する効果もあります。また、都市としての魅力向上や街づくりも実現できます。結果、輸送効率が向上すれば地域のGXにもつながっていくのです」(竹内)
このように地域交通の社会的役割は広く大きいからこそ、今後の地域交通はどうあるべきなのでしょうか。国でも地域交通のリ・デザインを掲げており、多様な関係者による「共創」がキーワードとなっています。今後は、これらを地域で具体化していく「実装」がカギとなる中で、実装における留意点や課題をどう乗り越えていけばよいのでしょうか。また、関係者の関心をどう高めていけばよいのでしょうか。このような、実務的なポイント、考え方を共有したいという問題意識からセミナーがスタートしました。
次に国の施策の観点から、国土交通省総合政策局地域交通課長(セミナー開催当時)の倉石誠司氏は「地域交通のリ・デザイン」をテーマに課題についてこう語ります。
「国土交通省では、2022年2月からローカル鉄道のあり方についての検討会を設置し、同3月には地域交通全体をどう考えるのかという有識者検討会を立ち上げています。以降、そこでの提言は現在の法律・制度・予算にも盛り込まれています。その一番のポイントは、地域交通について地域でビジョンを描き、そのための議論の場である協議会を自治体が設置することが大原則となっています(ただし、ローカル鉄道については、例外的に国が再構築協議会として地域での協議の場を直接設置でき、そこで議論し最終的に地域の結論を導くというスキームになる)」
その上で、倉石氏は「地域交通全体については、人口減、少子高齢化を前提に、官民、交通事業者(間)、医療教育農業など他分野(との連携)による『3つの共創』が必要となっているのです」と強調します。
そこで国の施策としては、バスタクシーなど地域交通の再構築に関する仕組みの拡充として、新たに「エリア一括協定運行事業」を掲げています。具体的には、一定のエリア内で交通を「線」ではなく「面」で、一括してネットワークサービスと捉える取り組みについて、自治体だけでなく、国も複数年で支援していくとしています。
「自治体は広域の一定エリア内のあらゆるモビリティの全体最適を地域経営の観点から捉え、交通事業者は複数年での経営計画を立てることで、長期的な持続可能性を担保していく。これを国として後押ししていきたいと考えています。今回、社会資本整備総合交付金の中に、初めて地域公共交通再構築事業を創設したほか、まちづくり関連の都市・地域交通戦略推進事業も拡充し、この2つをセットに地域交通を支援していきたいと考えています」(倉石氏)
また、共創モデル実証プロジェクトも始まっており、「対象はボランティア輸送、離島航路、鉄道、バス、タクシーなど広範囲で、医療介護などさまざまな分野の担い⼿とタッグを組んで、プラットフォームを作ってもらい、地域の⾜を⽀えていく。かつ⾃治体、⾦融機関もこれに参画していく。また、官⺠、交通事業者間で共創、イノベーションを起こし、ビジネスとしてマネタイズしてほしい。さらに、⼈材育成事業も創設しており、街づくりや地域交通をコーディネートする⼈材を育成していってほしい」と倉⽯⽒は語ります。
これを受け、⽵内は「国では今年度(2023年)を、地域公共交通再構築元年と位置付けています。法改正によって各地でのさまざまな取り組みを実施していく⼟壌も整い始めています。今回、特に、政策・予算に込められた思い、各地でフォーカスしてほしいポイントが説明の中でも出てきました。『地域経営』、『全体最適の視点』、『ビジネスとしての⻑期のマネタイズ』、『コーディネート⼈材の育成』といった点がポイントと⾔えるでしょう。これらを踏まえ、地域交通の実情や課題の中で、共創の取り組みを進めることが求められているのです」と言及しました。
続いて、福島大学経済経営学類准教授兼前橋工科大学学術研究院特任准教授の吉田樹氏は、地域交通のリ・デザイン実現に向けたポイントとして「再構築=縮小均衡以外の解」が必要だと指摘します。実際、公共交通運賃などへの支出は一貫して減少傾向にあり、コロナ禍以前から2割減少しています。
そこで吉⽥⽒は「協議会の場で⼤事なことは、利⽤者減に合わせて供給を縮⼩させるのではなく、地域交通の再構築を地域(都市)戦略に転換する発想である」と⾔います。特に⾃家⽤⾞への依存度が⾼い地域では、家計にも⽣活時間にも余裕が⽣まれず「地⽅創⽣」がより難しくなっている現状にあり、だからこそ「選ばれる地域交通を『地域(都市)戦略』として創ることが⽋かせない」と吉⽥⽒は強調します。
では、どうすれば選ばれる地域交通をつくることができるのでしょうか。そこでは住民から「信頼される」ことが重要になってきます。それには地域のコミュニティを支える「葉の交通」や都市鉄道や幹線バスなど「枝の交通」、そして、新幹線・飛行機などの「幹の交通」の有機的な連携・接続が不可欠です。その上で増便なども含めた「品質保証」と生活の用足しを可能とする「性能保証」を両立し、「楽しさ」も提案することが必要だと指摘します。また、この「楽しさ」についても「空間やコンテンツ」と「モビリティ」を両輪で考えることが大切で、地域拠点をターミナル化した事例もあると吉田氏は言います。
「こうした地域交通の戦略的マネジメントを行うには「ガバナンス」が必要です。そして、「おでかけ」による付加価値を収益に変え、地域交通のファイナンスとコミュニティを活性化していくことが大切となってくるのです。地域交通はビジネスなのか、(地域の社会)インフラなのか。実は、それが重なり合う領域こそが「共創」であり、これが「エリアで交通を一括してネットワークサービスとして捉える動きにつながっていくのです。どうインフラをビジネスのトリガーにするのか。そして、共創領域をどう高めていくのか。それが今重要になっているのです」(吉田氏)
これを受け、⽵内は「メディアでは鉄道の再構築が注⽬されがちですが、鉄道だけではなく協議会でできることをどこまで増やせるのか。すでにコミュニティバスなどで協議会の議論に基づいてサービスが提供されていますが、鉄道、バス、タクシーと横断型に地域の協議会で議論することが⽋かせません。それだけ協議会は重要であり、⾃治体、交通事業者の役割などをしっかりと協議することが必要でしょう。⼀⽅で、交通事業者の経営はかなり深刻な打撃を受けており、協議会を活⽤しようにもそこに踏み込むだけの余⼒がない実情があります」と指摘します。
では、どう議論し、どのように取り組みを活発化させていけばよいのでしょうか。金融機関の視点から多くの地域の現場に関わってきた菱谷氏が次の説明を続けました。
⽇本政策投資銀⾏(DBJ)都市開発部課⻑の菱⾕琢治⽒は、地域交通の主要な担い⼿であるバス会社の多くがコロナ禍で深刻な経営打撃を受けており、未来予想図を考えるポイントとして「潜在的な需要をしっかりと捉え、サステナブルな形で、サービスをアジャストさせていく、創造していくことが⼤切になっているのです」と強調します。そのためにも、利⽤者、事業者、⾏政がベクトルを合わせ、三位⼀体となって、交通だけでなく、まちづくり、環境、医療を含めた広い視点で取り組んでいく必要があると菱⾕⽒は⾔います。
地⽅バス業界は2000年以降、⼈⼝がピークアウトしていく中で、不採算路線の撤退、廃業が続き、今後もなだらかに輸送⼈員の減少が予想されています。ただ、⼀⽅で「これから⾼齢者が増えれば、バスの分担率は⾼まり、全体のボリュームは減少していくものの、バスの重要性はますます⾼まっていく」という難しい局⾯にあると菱⾕⽒は指摘します。
地⽅バス業界はコロナ禍前から営業⾚字が続いており、⾚字幅も拡⼤しています。補助⾦で⾚字補填していますが、運賃が硬直的であるほか、⼈件費などのコストも増加し、板挟みになっている状況にあります。菱⾕⽒は「特にバスのコスト構造は極端な例ではタクシーとの⽐較で⾛⾏キロ当たりの営業費が倍となっており、需要が少ない中で、どのようにサービスを⾏っていくかが課題となっています。しかし、そこには必ずしも共通解はなく、⼈⼝密度や街のかたちなど地域ごとの解決策を模索せざるを得ないのです」と⾔います。
こうした中、菱⾕⽒は「⼤型バス⼀辺倒ではなく、⼩型との組み合わせなどサービスのモードを変え、運賃の硬直性からの脱却のほか、⾞両への投資についても共通化や⾃治体との連携が重要になっています」と指摘します。
負のスパイラルに歯止めをかけ、いかに逆回転(正のスパイラル)に持っていくのか。そこで重要になってくるのが、補助金制度等の再考です。現状の仕組みでは、いくら赤字を補助金で縮減しても手元資金は増えず、なかなか企業のインセンティブが盛り上がらないという実情があります。その打開策として菱谷氏が注目するのが、インセンティブが付与された官民連携スキームの構築です。
「これは⾃治体・事業者間の受委託契約に業績連動要素を加えることで、事業者の収益改善も⽬指すもので、PFS(成果連動型⺠間委託契約⽅式)などの制度を活⽤することも考えられます。投資についても、⾃治体と⾦融機関との連携による⾞両リース官⺠⾦融連携スキームや、路線再編やダイヤ⾒直しに向けたデータ利活⽤、運送対象を拡⼤する貨客混載なども視野に⼊れるべきでしょう」(菱⾕⽒)
⽵内は、「これからは需要を⾒極め、サービスをフィットさせていく発想の転換が必要である」とし、負のスパイラルから脱するアクションプランを進めるためには、「協議会では利害が対⽴する場合もあるものの、PFSなどの枠組みもコミュニケーションツールにしながら、互いのベクトルを合わせていく。そのときに必要になってくるのが、データによる『⾒える化』なのです。データは今後の交通DXにもつながりますし、幅広い関係者と予断なく議論することが⽋かせないのです」と指摘します。
ここまでの議論を受け、具体事例として参考になる話が必要になる中で、次にEYが伴走支援している先導的な事例である塩尻市のケースが取り上げられました。
現在、塩尻市では官民共創による自動運転、MaaS、地域DXの推進、地域デジタル人材の活用などを推し進めています。その推進役である塩尻市産業振興事業部先端産業振興室長兼一般財団法人塩尻市振興公社理事の太田幸一氏は「そもそも自動運転の取り組みを始めたきっかけは、自動運転をトリガーに地方のDX化に向けて先進的な技術やサービスを導入できる企業を集積させたいという動機からでした」と言います。しかし、それに際し、「なぜ交通DXに取り組むのか。自分たちで考え、とことん議論を突き詰めたことが成功の要因となりました」と太田氏は振り返ります。
⾃家⽤⾞所有前提の社会から脱却し、公共交通サービスに転換していく。その最⼤のミッションは、⾏政として地域に住む⼈の暮らし・⽣命を守ること。そのために、塩尻市では産学官⺠共創による既存サービスの⾼度化と新たなサービス創出に取り組むことになりました。
「塩尻市には担い⼿が不⾜しており、地域交通も限定的。しかし、私たちには強みがありました。1つは ⺠間企業と共創できるプラットフォームを持っていたこと。そして、もう1つが、まちの規模からも⾃動運転がしやすく、地域でDXを担う⼈材が存在していたことでした」
もともと塩尻市が⽬指していたのは「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク構想」。そこで地域住⺠の⽣活利便性の向上を図るために発想したのがMaaSの活⽤でした。太⽥⽒はこう⾔います。
「問題は、MaaSはコストが⾮常にかかることでした。そのため、クロスセクター効果を狙い、⾃動運転の適⽤範囲を拡張するほか、2022年からは国交省、経産省、内閣府からの補助⾦を活⽤することにしました」
こうして人口6万6000人の地方都市が産学官民共創体制によって生まれ変わっていきます。太田氏が心掛けたことは、「とにかく腹を割って話し、民間企業と本気でアライアンスを組んで、Win-Win関係をつくろうとしました。また、交通DXには自治体の広域連携も必要であり、他の自治体と組んでいく方策も採りました」(太田氏)
塩尻市の取り組みをサポートしたEYパルテノン ストラテジー パートナーの早瀬慶も「広域連携は重要であり、その⽬線においては⾏政⾃⾝が求めるかどうか、すなわち、⾏政がイニシアティブをとることがポイントになります。地域経営を⾃分たちだけで考えるのではなく、近隣の⾃治体と連携していくことが⼤切になってくるのです」と⾔います。
さらに、地域住民が地域DXに参画してくれたことも大きく、その担い手のアセットとなったのが「KADO」でした。これは公設のクラウドソーシングと言うべきもので、「子育て、介護、障がいなど就労に時間的な制約のある人が好きな時間に好きなだけ安心してテレワーカーとして働ける仕組みです。現在350人が働き、年間で総額約4億円の仕事を担当しています。ここで大事なことは、地域住民の皆さんが交通DXの過程から参加してくれたことであり、それがDX推進の大きな原動力となったのです」(太田氏)
塩尻市では今、2025年までに自動運転を社会実装していくことを目指しています。すでにクロスセクター効果として、自動運転で仕事が生まれ、教育分野でも探究型学習などに活用されています。太田氏も次のように言います。
「今後も色々なサービスをつくっていく中で、私たちは塩尻市が全国のテストベッドとなれればいいと考えています。塩尻市から他の地域にも拡げていきたい。⾰新的な都市機能の創出をもたらす地域DXの拠点として地域DXセンター『core塩尻』も開設しました。『最先端の技術を活⽤し、まちに変⾰を起こし続ける場所』となることを⽬指しており、ぜひ多くの皆さんにお越しいただきたいと思っています」。
交通DX推進のために必要なポイントとは何かという⽵内の問いに対し、太⽥⽒は「キーになるのは地域のビジョンです。だからこそ、⾃ら課題を抽出し、⾃分事としてスタートすることがポイントになります。その⼀⽅で、テクノロジーありきの実証実験だけはやめた⽅がいい。住⺠の課題やニーズに沿わないものは、社会実装に⾄りません。私たちが⼤事にしてきたことは常に社会実装できるかどうか。だからこそ、住⺠のニーズを本質まで深掘りし、住⺠との信頼関係を築き上げていくことが重要になってくるのです」と答えました。
最後に視聴者からの質問も踏まえたディスカッションが⾏われました。まず「特に共創におけるコーディネート⼈材をどう確保していくか」という問いに対し、太⽥⽒は「塩尻市では⾏政職員がコーディネート役を担っています。それには地域の課題を把握し、⺠間企業と視座を合わせながら、共創していくことが⽋かせません。そこで質のいいパートナー企業をいかに確保できるのか。⾏政、⺠間、⼤学と皆が腹を割って話せる環境をつくっていくことが重要になっているのです」と述べます。また、産官学⾦連携について菱⾕⽒は「産官学⾦の連携では⾏政がリードしていくことが⼤切であるほか、⺠間コンサルともタッグを組んで、新たな好事例をつくり、横展開していくことも⽋かせません。私の会社でも全国ネットワークや地域を超えた連携、業種を超えた連携などのサポートを働きかけています」と語りました。
また、「政策実現のためにどう予算を確保していくのか」という問いに対し、太田氏は「志を持ってストーリーを組み立てられる人材がいるかどうかが大事になってきます。その上で重視しているのが、バックキャストに基づく視点やロジックモデル、社会的インパクト効果を自分の言葉で語れるか。地域交通で予算を確保するときも、地域活性化をプラスさせるなど発想の拡がりは必要です。その一方で、自分たちでいかに解像度の高い将来像をつくり、現状と将来像のギャップを正しく判断し、どう施策を打つのかも大事になってきます」と語りました。さらに「市の意思決定者やパートナー企業といったステークホルダーに対するプレゼンでは、事業に精通していない方でも理解できるような提案になっているのか。あらゆる場面で力を抜かずに作り込んでいくことがポイントになります」と語りました。
一方、菱谷氏も「コスト削減していくだけでは、サステナブルにはなりません。交通分野だけを見るのではなく、幅広い分野で統合的に考えていくことが必要です。その上で、金融機関の投融資となれば、行政と民間の信用力をどう活用していくのかも求められているのです」と指摘しました。
吉田氏は「地域交通を起点にどんな街づくりを目指すのか。その根本には信頼の連鎖が必要です。共創には他分野との共創、交通事業者間との共創、交通事業者と行政の共創という3つの共創があります。信頼に基づいた座組みがなければ、取り組みは進みません。信頼感を広く皆さんと共有していくことで結果として投資が集まり、新しい信頼の連鎖も生まれていく。この信頼の連鎖がカギになると思っています」と語りました。
早瀬は「今⽇の話を聞いて、改めて地域交通は単純に交通の話ではなく、その先にある地域づくり、社会づくりであることを感じました。その源になるのが、どんな社会をつくりたいかというビジョンやミッションです。将来どんな暮らしを実現したいのか。そこからパートナーを集め、課題を⾒つめ、⾃分事化していく。皆さんのモチベーションが⾼ければ⾼いほど、いろんなことができると思っています」と述べました。
最後に⽵内は「それぞれの街に⽬指したい姿があり、色々な課題があり、ニーズがあります。そこに唯⼀絶対の解といったものはありませんが、連携に取り組み、議論を進めていくことを重ねてこそ、信頼の連鎖が⽣まれ、魅⼒ある地域社会、それを⽀える地域交通の未来が拓けていくのではないかと感じています。今回のセミナーが皆さんの地域の議論に少しでもお役に⽴てれば幸いです」と締めくくりました。
地域交通の課題は、その先にある地域づくり、社会づくりにつながっています。地域交通の共創・DX・ GXの取り組みにおいては、場作りやコーディネート⼈材をどう確保するかが課題となってきますが、ここでは、それぞれの街の⽬指したい姿やニーズについて、⾏政がリードしつつ、産官学の多様な関係者が腹を割って議論を重ねていくことで、信頼の連鎖を⽣み出すことがポイントとなります。
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ニュースリリース
EY Japan、鎌倉市の新たなセミオンデマンド式交通システム運行に向けて支援
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:近藤 聡)は、鎌倉市の交通不便地域における新たな交通システムの導入において、その利用促進に向けた施策と、実証実験の概要および体制をまとめました。これにより、鎌倉市は今後、新たな交通システム導入に向けた実証実験の実施が可能となる見込みです。