第4回は、保険料を事後的に徴収するP2P型保険を手掛ける、株式会社justInCaseの代表取締役畑加寿也氏へのインタビューです。同社は、規制のサンドボックス制度を活用し、実際に支払われた保険金を事故発生後に保険加入者で負担するP2P型保険スキームの実証を行いました。保険料を事後的に徴収する保険スキームは、国内ではその実例がないため、本実証を通じて当該スキームが公正妥当であり、かつ運営可能であることを確認し、InsurTechの先駆けとなることを目指しました。
今回のインタビューは、実際に制度を利用したご経験を踏まえ、申請にあたり直面した課題などについて語っていただきました。
株式会社justInCase代表取締役 畑加寿也氏のコメント:
「真にユーザーのためになり、法律の解釈が難しい新たな技術やビジネスモデルであれば、規制のサンドボックス制度は、非常にマッチする仕組みだと感じています。ユーザーのためになるんだという信念を崩さず、あきらめずに何度でもチャレンジする気概を持って、規制のサンドボックス制度の活用にチャレンジしていただければと思います」
EY新日本有限責任監査法人 金融事業部 パートナーであり、EY Japan RegTech リーダー 小川恵子のコメント:
「保険という金融ビジネスに大きく風穴をあける新たな仕組みは、まさに規制対応と表裏一体での開発になると考えています。社会実装において立ちはだかる規制の壁にどう対応するか。そこであきらめることなく規制対応を重要な事業戦略として取り込むことで、結果、社会課題を解決する全く新しいビジネスモデルの創造に至ると考えています。こうした観点からも、規制のサンドボックス制度に大きく期待を寄せています」
規制のサンドボックス制度とは
規制のサンドボックス制度は、期間や参加者などを限定し、今までにない新しい技術などの実証を行うことができる環境を提供する新たなる規制改革を後押しする制度です。イノベーションを試みた際に、既存の規制が想定していないことが多くありますが、法律改正には数年を要したりすることもあり、イノベーション推進の足かせになることがあります。「規制のサンドボックス制度」を活用することで、実証実験を規制当局の了解のもとで実施し、そのプルーフをもって早期に社会実装することが期待されています。
これまでに実施した「規制のサンドボックス制度」関係者インタビュー