EYは、Polygonのプロトコルとフレームワークを活用して、パブリックなイーサリアムブロックチェーンのエコシステムにEYのブロックチェーンソリューションを展開していくことをお知らせします。
ブロックチェーンを導入する企業が増加するにつれ、イーサリアム上のトランザクション量も増加し、その結果、トランザクションコストも高額になっています。こうした状況を鑑み、EYはPolygonのコミットチェーンソリューションを採用し、処理可能なトランザクション量の拡大を図るとともに、トランザクションコストや決済にかかる時間などを予測可能にします。さらに、本ソリューションは、トランザクションをイーサリアムのメインネットへ移行することを可能にします。
EY OpsChainやEY Blockchain AnalyzerなどをはじめとするEYの主要なブロックチェーンソリューションは、Polygonのパーミッションレスなコミットチェーンにすでに接続されています。従って、EYのクライアントは、blockchain.ey.com上で簡単な設定変更を行うだけで、自社のシステムをPolygonのネットワークにつなげることができます。Polygonの本番環境やテスト・開発環境は、blockchain.ey.comから直接ご利用いただけます。
Polygonのコミットチェーンとblockchain.ey.comの連携に並行し、EYでは、トランザクションの検証のためのパーミッション型の企業向けプライベートチェーン「Optimistic Rollup」をPolygonと共同開発しています。これは、トランザクションの効率性向上とトランザクションコスト削減に向けた取り組みで、クローズドシステムの快適さと安全性だけでなく、パブリックなイーサリアムのメインネットとの高い親和性の維持が期待されます。こうしたプライベートチェーンを構築できれば、トランザクションを迅速かつ低リスクにパブリックネットワークへ移行することが可能になります。
EYグローバル・ブロックチェーン・リーダーのPaul Brodyは、次のように述べています。
「EYは、Polygonとの協業を通じて、トランザクションの拡大を実現する強力なツール群を活用し、パブリックなイーサリアムのメインネットに接続するためのロードマップをクライアントに提供します。EYとPolygonは、オープンシステム/ネットワークに関する優先事項に対し共通認識を持っており、イーサリアムのエコシステムがこの領域でのコラボレーションを容易にすると考えています」
Polygonの共同創業者であるSandeep Nailwal氏は、次のように述べています。
「パブリックなイーサリアムのエコシステムやオープンスタンダードに対するEYのコミットメントは、両社が協業する上で大きな原動力となりました。また、ブロックチェーン分野においてEYほど深いケイパビリティを持っている組織は他にはないと思います」
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 ブロックチェーンビジネスリーダー&フィンテックリーダーであるパートナーの荻生泰之は、次のように述べています。
「この度のEYとPolygonの協業により、運用面・費用面において、企業がより使いやすいブロックチェーンサービスを提供することが可能となります。EYではブロックチェーンのツール開発に留まらず、Layer2の研究・開発にも携わることで、ブロックチェーンによる社会経済活動の効率化および発展に資する取り組みを推進していきます」
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社デジタル&エマージングテクノロジーのアソシエートパートナー 松尾康男は、次のように述べています。
「Polygonは、取引を確定させるためのマイニング処理にプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しています。従来イーサリアムやビットコインなど主要なブロックチェーンプラットフォームが採用していたプルーフ・オブ・ワーク(PoW)では、大量のコンピューティングパワーと電力消費を必要とすることが、SDGsに関心が高まるなか問題視され始めていました。Polygonの登場により、サステナブルにブロックチェーンを活用する時代が始まろうとしていると言えます」
EYとPolygonは、エンタープライズ向けの機能をイーサリアムのエコシステムに優先的に導入するためのロードマップを策定しています。その取り組みの中で、両社はコンプライアンスを遵守し、プライバシーを保護する技術を開発し、洗練されたユースケースを実現していきます。