- 企業のプライバシー保護を念頭にゼロから構築されたものとしては初となるパブリックブロックチェーン対応サプライチェーントレーサビリティ・在庫管理アプリケーション
- Polygon Nightfallネットワークに対応
EYは、ゼロ知識証明を活用したEY OpsChain Supply Chain Managerのベータ版をblockchain.ey.comでリリースしたことをお知らせします。EY OpsChain Supply Chain Managerは、拡張サプライチェーンエコシステム全体で製品のトレーサビリティと在庫管理を一体的に実現することに焦点を当てて開発された画期的なソリューションです。パブリックブロックチェーン対応のエンタープライズ向けトレーサビリティソリューションは、以前より広く利用されてきましたが、トランザクションのプライバシーが担保されないため、一部のアプリケーションの企業による採用は限定されていました。
EY OpsChain Supply Chain Managerは、メインネット上のベータ版としてリリースされているPolygon Nightfallのゼロ知識証明をベースとするプライバシー保護技術を使用しています。これにより、企業は、トークンの移動や追跡を低コストかつスケーラブルに実行することができるだけでなく、在庫管理などのエンタープライズ向けアプリケーションに求められるプライバシーも確保できます。さらに、資産や在庫を表すファンジブル・ノンファンジブルトークンを作成し、拡張サプライチェーンのネットワーク全体でトークンを転送することも可能になります。
Polygon Nightfallのゼロ知識証明をベースとするプライバシー保護技術とオフチェーンでの情報管理を組み合わせたソリューションを活用することにより、プライバシーが担保された状態でサプライチェーンネットワーク内の資産を移動させることができます。これら資産の全ての取引履歴を確認できるのは特定の人に限定されています。一般的なエンタープライズ向けシステムとは異なり、原材料や製品がサプライチェーンのエコシステムや組織間で移動しても、在庫の状況や場所などに関する情報は保持されます。
EYのプリンシパル兼ブロックチェーンリーダーJames Canterburyのコメント:
「組織の枠を越えて複雑なオペレーションを管理できるようになったことは大きな前進です。EY OpsChain Supply Chain Managerの登場で、クライアントが適用できるユースケースの幅が大きく広がります」
Polygonのエンタープライズ・リードAntoni Martin氏のコメント:
「Polygon Nightfallのネットワーク構築・展開に取り組み始めた際に構想していたのが、まさに今回のような商用ユースケースです。金融サービス以外のセクターでの活用は、まだ広く進んでいないのが実情です。Polygon上でのプライバシーツールの登場は、サプライチェーンエコシステムの景色を大きく塗り替えるきっかけとなるでしょう」
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 デジタル&エマージングテクノロジー アソシエートパートナー松尾 康男のコメント:
「イーサリアム利用時の手数料であるガス代を回避するためにレイヤー2ソリューションであるPolygonが広く使われていますが、EY OpsChain Supply Chain Managerを利用することで、さらに取引内容に秘匿性を持たせることが可能になります。これによってイーサリアムの企業での利用がますます増加していくと期待しています」
EY OpsChain Supply Chain Managerのベータ版に関する詳細は、blockchain.ey.comをご覧ください。本ソリューションのご利用を開始するには、まず、ユーザー登録をして、開発用テストネット(テスト・開発環境)へのアクセス権を取得します。その後、EYのクライアントアクセプタンス・プロトコルに従って、メインネットへのアクセス認証・承認が行われます。