EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYは9月13日、2018年度(以下、FY18)の業績を発表しました。全世界の業務収入は348億米ドル、売上は前年比7.4%(現地通貨ベース)増加、11%(米国ドル建て)の成長率を記録しました。EYのすべての事業分野における売上は堅調で、前年比の成長率は、現地通貨ベースでアシュアランス(監査・保証)が4.4%、アドバイザリーが10.1%、税務(以下、TAX)が6.4%、トランザクション・アドバイザリー(以下、TAS)が13.9%となりました。2013年に長期ビジネス計画となる「Vision2020」を発表して以来、この5年間で強固な年間成長率8.5%を記録しています。
EYのグローバル会長兼CEOのマーク・ワインバーガーは次のように述べています。 「FY18では、EYの中核サービスである監査や税務だけでなく、デジタルやトランスフォーメーション戦略において、これまで以上にクライアントから支援の依頼がありました。EYが多額の資金を投入しているイノベーティブな投資は、成長を加速させ、高品質なサービスの提供を支えています。そして何より、EYの成功は、全世界26万人のEYの構成メンバーの貢献によって実現されています。」
イノベーションとテクノロジーがEYの従来のサービスを変革し、成長を促進
EYはすべてのビジネス部門で従来および新しいサービスの両方を変革し強化するために、労働集約的な手作業のプロセスに、ブロックチェーン、人工知能(AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を活用するなど、テクノロジーの新たな活用法を構築しています。現在、2,000以上のボット(RPA)がEYのビジネス部門とクライアントサービスの全般において活用されています。そのうち700のボットがEY内部での作業に活用され、210万フルタイム当量以上の労働力節約と、手作業より正確度の高い作業が実現しています。
EYが支援したブロックチェーンのプロジェクト数は、FY18に倍増し、数多くの画期的なソリューションやパイロット運用が開始されました。EYのアシュアランス部門では、「EY Blockchain Analyzer」と呼ばれるブロックチェーンを活用した監査テクノロジーをパイロット運用していますが、これによって仮想通貨を使ったビジネス取引に対する深度あるレビューを行う能力が向上しています。この「EY Blockchain Analyzer」は、スマートコントラクトやブロックチェーンアセットの監査上の試査の自動化へ向けた礎となるものです。
EYはまた、マイクロソフト社と提携し、コンテンツの権利やロイヤリティの管理を行うための世界初のブロックチェーン・ソリューションを立ち上げました。本ソリューションは現在、世界最大のコンピューターゲーム開発・販売会社の1つであるUbisoft社がテスト使用しています。今後はゲーム業界だけでなく、音楽業界や出版業界でも本ソリューションが使用されることが見込まれています。さらに、EYはブロックチェーン関連会社Guardtime社と提携し、海上保険業界のためのブロックチェーン・プラットフォームを商業的に運用していますが、これは世界で初めての試みです。また、ウィーン市と協働で、市選挙の投票結果から公共交通のスケジュールや運行ルートの管理に至る、幅広い領域のデータの保証と安全確保のためにブロックチェーン技術を活用しています。
ターゲットを絞った戦略的買収と提携もまた、EYのイノベーションの取り組みを支えています。FY18に21件の企業を買収しましたが、これによってデジタル、データ、アナリティクス、戦略、サイバーなどの領域におけるプロフェッショナルスキルとケイパビリティを向上させました。BlackLine Systems社、JDA Software社などと新たな提携契約を締結したことで、クラウドテクノロジー、サプライチェーン、フィンテックなどの領域で、クライアントに提供可能なサービスの範囲やスキルを拡大しています。
EYはイノベーションを加速させる取り組みの一環として、新しいテクノロジーソリューションとケイパビリティを、金融サービス、サイバー、リスクマネージメント、マネージドサービス、ソフトウェア、デジタル税務、デジタル監査などの分野で確立させるために、今後2年間で10億米ドルを投資していきます。FY18には、EYのイノベーションセンターであるEY wavespace™のフラッグシップ拠点が、新たにミラノとテルアビブの2ヵ所でオープンし、グローバル規模でつながったEY wavespace™フラッグシップ拠点の数は合計18ヵ所になりました。FY19には新たに6ヵ所のEY wavespace™を、オープンさせる予定です。これらの取り組みにより、クライアントの皆様が、モビリティ、顧客体験、データアナリティクスだけでなく様々な分野でソリューションを生み出し、立ち上げる支援をします。
EYのグローバル・マネージング・パートナー(クライアントサービス担当)のカーマイン・ディ・シビオは次のように述べています。
「EYは、新しいテクノロジーの最良のユースケースの活用に全力で取り組むことによって、クライアントの皆様が、現在のビジネス界で起こっているディスラプションについていくだけでなく、その一歩先を進む後押しをします。私たちが過去数年間にわたって、EYの構成メンバー、テクノロジー、他企業との提携に大きな投資を行ったことで、EYの伝統的なサービスと新しく台頭しているサービスの両方に変革が起きています。クライアントの皆様が、現在の複雑化したビジネス環境で成功し、成長するお手伝いをしていることを、誇りに思います。」
高品質な監査への真摯な取り組み
EYは複合的なサービスを提供するプロフェッショナルファームとして、監査品質を組織の最優先事項としており、この姿勢は今後も何ら変わりはありません。EYのサービスを通して長期的な価値を提供するために、アシュアランス部門は、監査品質を確保するよう監査の実施における思考力や判断力をさらに向上させてまいります。「EY Sustainable Audit Quality(持続可能な監査品質)」プログラムは今年で4年目を迎えており、このプログラムではEYの構成員がグローバル全体において共通で実行されている一連の項目に責任を果たすことによって、監査品質の継続的な向上を図っています。EYはデジタル監査に関する組織的能力、人材およびグローバル共通の監査メソッドに対して、複数年にわたり5億米ドルを投資する予定です。
未来の働き方
EYは構成メンバーの人材育成の取組みを引き続き強化しており、有意義なキャリアの機会を提供し、テクノロジー関連のスキルを開発することを支援しています。FY17では、「EY Badges (EYバッジ)」と呼ばれるデジタル知識の習得を証明する資格制度を導入しました。これは、エマージングテクノロジー(台頭している新テクノロジー)、イノベーション、様々なセクター関連のスキルを開発することを支援するものです。現段階で、EYバッジ認定のための挑戦が15,000件以上行われており、すでに2,800のEYバッジが認定され授与されています。最も多くのバッジが授与されたのが、データビジュアライゼーションおよびRPAの分野です。FY19には、さらに50,000のバッジ認定のための挑戦を奨励することを目指しています。
EYは世界中で人材の採用と人材育成のリーダーになることを目指しています。FY18におけるEYへの応募数は、全世界で200万人近くに上りました。そのうちの65,000人が新たなEY構成メンバーとなりましたが、中核となる監査や税務のスキルを持つ人だけでなく、STEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)や技術分野のバックグラウンドを持つ人たちも新たなメンバーとなりました。EYには、データアナリティクスの専門家が2万人以上、データサイエンティストが2,000人以上在籍しています。経験を通した人材育成や体系化されたメンタリングを受けられるだけではありません。年間で約5億米ドルが研修学習のために投資され、1300万時間に相当する公式な研修が行われています。
EYの人員数は全体で5.7%上昇し、全世界では26万人を超えました。FY18にEY内部では747人がパートナーに昇進、400人超のパートナーが外部から新たに採用されました。パートナーの昇進や採用は、EYの最優先事項でもあります。昇進したパートナーの29%がアシュアランス所属、新たに採用されたパートナーの32%が新興国出身で、女性パートナーは全体の30%近くを占めています。今年、EYの最高レベルの意思決定機関であるGlobal Executiveでもジェンダーダイバーシティが進み、女性の比率が26%以上にまで上昇しています。
EYの「GigNow」と呼ばれるグローバルな人材発掘ネットワークは、現在10ヵ国で利用されています。これまでは米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドでの利用に限られていましたが、今ではカナダ、中国、インド、オランダ、シンガポールにまで広がっています。FY18末の時点で、短期間の仕事(gigs)を請け負うためにGigNowに登録している人の数は16,000人で、EYが世界中で行っているプロジェクトの1,300以上のポジションはこうした登録者によって担われました。
EYの素晴らしい文化は世界で広く認められており、名誉あるランキングにEYは継続してランクインしています。例えば、EYはユニバーサム社(Universum)による「世界で最も就職したい企業」では常連となり、現在はGoogle、Goldman Sachs、Appleに続き4位にランクインしています。また、フォーチュン誌(Fortune)が毎年発表する米国の「働きがいのある企業100社」に、20年間連続でランクインするという記録も持っています。さらに、DiversityIncが今回初めて行ったランキング「Top 50 Hall of Fame」において、EYが掲げる価値と文化およびダイバーシティとインクルージョン(D&I)に対する長年の真摯な取り組みが称えられました。
EYの4つのエリア、主要セクター、主要国マーケットのすべてにおいて成長
EYの全4エリアにおいて売上は増加し、Americas で7.4%、 EMEIA(ヨーロッパ、中東、インド、アフリカ) で6.9%、アジアパシフィックで10.5% 、日本で3.1%の前年比成長率を記録しました。
先進国においては、米国で引き続き好調な成長を遂げ、売上げは前年比で7.3%増加、140億米ドルに達しました。米国では好調なM&Aの動きがトランザクション事業の成長を牽引し、戦略的コンサルティング、統合(インテグレーション)、デリジェンスなどのサービスに対する需要が伸びました。米国のアドバイザリー部門は、サイバー、デジタル、アナリティクス、テクノロジートランスフォーメーションなどの領域における成長によって二桁台の成長を遂げました。一方、米国のアシュアランス部門は、Fortune500ランクイン企業2社から新たなエンゲージメントを獲得しています。他の先進国ではドイツが好調な成長を遂げていますが、これはTASとアドバイザリーの二桁台の成長率が牽引したものです。また、オーストラリア、カナダ、イタリア、オランダ、スペインといった国々も堅調な伸びを見せました。
新興国でも強固な成長傾向が続いており、前年比の成長率が10%(FY17の前年比成長率は8.9%)となりました。EYの中でトップ5に入る売り上げを誇るマーケットである中華圏(Greater China)は、3年連続で二桁台の成長を遂げ、前年比11.6%の成長率を記録しました。中華圏ではEYのすべての事業分野で売上増加があり、大きく成長しました。インドは8年連続で二桁台の成長を遂げていて、前年比の成長率は16.3%となりました。メキシコもまた、前年比の成長率が15.3%という、二桁台の成長を記録しました。
EYはまた、Wealth & Asset Managementセクターおよび保険セクターで二桁台の成長率を記録するなど、様々なセクターでも堅調な売上を記録しました。Wealth & Asset Managementセクターの成長を牽引したのは、テクノロジー、ビジネストランスフォーメーション、顧客体験、ビジネスオペレーションの効率化といったサービスへの強い需要でした。保険セクターの二桁台の成長に貢献したのは、アドバイザリーとTax部門におけるテクノロジーおよびビジネストランスフォーメーションのサービスに対する需要があったことに加えて、IFRS 17に関連してファイナンス、リスク、規制当局などのアドバイスをクライアントに提供したことが挙げられます。
ビジネスにおける投資および成長
より良い社会の構築に向けて
EYは、理念を大切にする組織であり、「より良い社会を構築する」という理念に真摯に取り組んでいます。これは、世界中の政府、企業、そしてコミュニティーが最も困難な課題を解決するための支援をすることによって、実現されます。EYの理念にインスパイアされたEYの構成メンバーは、自分たちが生活し働いている地域社会で、知識、スキル、経験を活用しながら貢献しています。EYは地域社会の強化に向けたプロジェクトに、約1億2500万米ドルを投資し、EYの構成メンバーは様々な施策や現物支給プロジェクトに対して74万時間に相当する貢献を行いました。それらの例は下記をご覧ください。
人々や新しいテクノロジーへの投資は、EYのマーケットにおける成功を手助けするだけではなく、より良い社会の構築に向けたEYの役割を持続的なものにします。
長期的な価値創出に向けた取り組み
より良い社会を構築するためのEYの理念の一環として、EYは資本市場、EYの構成メンバー、そしてEYが事業を行っている地域社会を含む、すべてのステークホルダーの皆様のために、長期的な価値を創出することに注力しています。今年初めて、EYは、ステークホルダーの皆様に向け、長期的な価値を創出する方法を示すため、財務情報だけでなくそれ以外の幅広い指標を年次報告書に取り入れています。この指標はEYのGlobal Reviewに掲載されており、下記の分野を扱っています。
EY FY18 global revenues
上記の表に関する基本的な事項:掲載されている売上高は、プレゼンテーションの便宜上、個々のEYメンバーファームの売上高の合計で、クライアントに請求した経費も含まれています。また、連結された合計のグローバル売上高として報告する便宜上、各メンバーファームの売上高は除外されています。人員数は、各会計年度の6月末時点のものが掲載されています。
[1] Global Delivery Services (GDS)は、EY内部のシェアードサービスを提供する組織であり、EYメンバーファームが最終的には所有しているいくつかの法的エンティティによって構成されています。GDSエンティティは、内部の業務補助サービスを提供するだけではなく、クライアントに従事するアカウントチームにもサポート業務のケイパビリティを提供し、全世界のEYのメンバーファームを支援しています。
[2]には、グローバルとエリアのリーダーシップ、テクノロジー、タレント、ファイナンス、BMC、ナレッジ、マーケッツとリスクマネージメントなどのEY内部のサポートサービスを含んでいます。
※本プレスリリースは、2018年9月13日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版プレスリリース:
EY reports record global revenues of US$34.8b in 2018
※EYのトップメッセージや業績の詳細、取り組みなどは、以下ウェブサイトからビデオやグラフィックでご覧いただけます。
Global review 2018: How do we create value and build trust in this transformative age?
EYについて
EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い社会の構築に貢献します。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバル組織のメンバーファームであるアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EYGM)によって発行されています。EYGMは顧客サービスを提供していません。
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