ニュースリリース
2020年3月30日  | Tokyo, JP

EY調査:5G向け投資急増、しかし大半の企業は導入に慎重

プレス窓口

・15 %の企業が現在5Gに投資していると回答、今後3年以内には69%まで増加する見込み
・52%が5GベースのIoT導入体制に自信が持てないと回答
・今後12カ月間およびそれ以降も、米国が5G投資を牽引すると予測

EYは、1,000社超の企業を対象にグローバルで実施した「5G(第5世代移動通信システム)の機会」に関する調査の分析結果などをまとめた報告書「Maximizing the 5G opportunity for enterprise(日本語 / 英語 )」を発表しました。本調査によると、現在、回答企業の15%が5G向けに投資しており、今後3年以内にはその割合が69%に急増する見込みです。しかし、5Gベースのモノのインターネット(IoT)に移行する自信があると回答した企業は半数に届かず(48%)、導入するためにはオペレーティングモデルを整備する必要があると74%が回答しました。

今後5年間の展望では、ほとんど(74%)の組織が、5Gはビジネス活動の根幹となっているだろうと回答しました。しかし、現在5Gに投資している企業の67%が、パイロット運用中、又はサプライヤーと協議中であり、5GベースのIoTの本格的運用には至っていません。

企業が5G導入への一歩を踏み出せない主な理由として、「ユースケースに関する情報がない」(75%)、「5Gは単に4Gを高速化したものであると捉えている」(69%)などの回答がありました。その他、「5Gを社内で採用するにあたって既存テクノロジーとの融合が最大の障壁になっている」(37%)と回答した企業もありました。外的理由で最も多かったのは、「5Gテクノロジーはまだ成熟していないと思う」(35%)でした。

EYグローバル・テレコミュニケーションズ・セクター・リーダーであるTom Loozenは、次のように述べています。
「"5Gは組織を根本から変革することができるということ"を企業は認識しています。これを実現するためには、テクノロジー・トランスフォーメーションの現状と将来の展望を広範に考慮して、5Gの採用に向けたロードマップを策定することが不可欠です。しかし、テクノロジーの融合や成熟度、サイバーセキュリティなどの懸念が立ちはだかり、企業の5G導入にブレーキがかかってしまっています。このような状況から脱するには、5Gベンダーが5Gの機会について説得力のある見解をより明確に示すことが必要であり、企業側も、効率性の向上だけにとどまらずビジネスに革新をもたらす可能性を自発的に探っていくことが求められます」

適切なパートナーシップを組むことも5Gの潜在的価値を引き出す重要なアプローチになり得るということが本調査で明らかになりました。回答組織の79%が、5Gの有望なユースケースを作成するためには、外部のサポートが必要であると感じています。一方、77%が、純粋な費用便益を提供してくれるベンダーよりも、パートナーとして5Gによるビジネス成果の創出をサポートしてくれるベンダーを重視すると回答しました。しかし現実には、60%の回答企業が、目的に叶った5Gベンダーをなかなか見つけられない状況に直面しています。ベンダーとの関係性についても、概ね、人材交流や便宜的なものになっていると回答した企業が67% ありました。

EY グローバル・テレコミュニケーションズ・リードアナリストであるAdrian Baschnongaは、次のように述べています。
「明白なのは、企業は今、様々なソリューションを適用してビジネスで成果を出すために必要な助言・協議を求めているということです。5Gのサービスプロバイダーは、5G機能の大規模な提供を可能にするコンピテンシー・エコシステムへのアクセスを重視しながら、企業から信頼されるパートナーになるために自己改革が必要でしょう。ユースケースの作成からサイバーセキュリティに至るまで各企業のあらゆるニーズに対応できる実用的なソリューションを提供することは、長期的にみても、非常に重要です」

EY Japan アドバイザリー・テレコミュニケーションズ・セクター・リーダーの尾山哲夫は次のように述べています。
「日本でも5Gの商用化がスタートし、通信会社は顧客向けに高精度動画、VR、ARを使ったサービスのキャンペーンを始めていきます。一方でハイテク企業においては、5Gマーケットに対しての強い期待はあるものの、ユースケースの少なさ、オペレーションモデルの対応力についての不安などから二の足を踏んでいる企業も見受けられますが、他社が二の足を踏んでいるこのタイミングだからこそ、エンターテイメント領域に限らず、生産現場、自動運転、ヘルスケア領域でのビシネス開発を先んじて進めることで競争優位を確立することができると考えます」

地域・国別の傾向では、米国の企業が5G採用でリードしています。現在5G向けに投資している企業の割合は、欧米が13%であるのに対し、米国は19%です。アジア・パシフィック地域の場合、今後1年間の5G関連の支出予定額が全世界の中で最も大きいにもかかわらず、現在5G向けに投資している回答企業は、わずか10%です。概して、米国の半数近い(48%)企業が、今後12カ月間で5G投資を予定していると回答していることから、アジア・パシフィック地域の43%、欧州の38%と比較しても、5G向け投資は米国の企業が牽引していくと思われます。

セクター別では、現在、エネルギー(23%)とテクノロジー(22%)が5G向け投資をリードしていますが、今後3年以内にはヘルスケア(61%)と金融サービス(58%)が追い上げ、5G投資の首位を占めると予想されます。

※本プレスリリースは、2020年2月25日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版プレスリリース:
5G investment set to soar, yet more than half of enterprises lack confidence to implement, finds EY study

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