EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
・テクノロジー企業の経営層の47%が収益は2021年に完全に回復すると予想
・世界全体のテクノロジーセクターで2020年に行われたM&A買収額の59%がメガディール案件
・テクノロジー企業の経営層の77%が長期的価値提供のより広い全体像を伝える計画
各企業がコロナ禍からの復興を目指している今、自社の成長を加速させるカギとして、合併と買収(M&A)がますます重要になってきていますが、テクノロジーセクターでは、コロナ禍による継続的な不確定性にも関わらず、過去一年間でトランスフォーメーションを行うためのM&Aディール(transformative deal)案件数が急上昇したことが、EYがテクノロジー企業の経営層を対象に実施した「第23回EYテクノロジー・グローバル・キャピタル・コンフィデンス調査」(以下、「本調査」)により判明しました。本調査は、テクノロジー企業経営層の景気の先行きに対する自信度を調査したものです。
2020年に世界全体のテクノロジーセクターで行われたM&A買収額の59%を占めていたのが、買収価格50億米ドル以上のメガディール案件でした。これは、2019年の47%から上昇しています。本調査の結果も、こうした傾向と一致しています。テクノロジーセクターの経営層の16%が、今後近いうちに、買収価格50億米ドル以上の、トランスフォーメーションを行うためのM&Aディールを検討する予定だと回答しています。また、本調査によると、テクノロジー企業の株主総利回り(total shareholders return)は市場の平均をはるかに上回っており、多くのテクノロジー企業は、売上と収益性の成長がわずかだとしても、大きなリターンを生み出すことが可能となっています。
EY Global ストラテジー・アンド・トランザクションTMT リーダーのBarak Ravidは次のように述べています。
「テクノロジー企業のM&Aディール案件数は、2019年に史上最高と史上最低の乱高下を経て、2020年になるとほぼゼロの状態になりました。しかし、企業はいち早く方向転換し、2020年後半にテクノロジー企業によるM&Aの案件数が爆発的に増加しました。テクノロジー企業は現在、さらなる売上成長を目指すため、M&A戦略を修正して、買収対象企業のビジネスのレジリエンス、デジタルテクノロジーの進化への適応、M&Aを通した市場シェアの拡大により大きな焦点を置くようになっています」
本調査に参加したテクノロジー企業の経営層は、全体的に将来について楽観的で、約半数(47%)が収益は今年完全に回復すると予想しています。(テクノロジー企業以外も含めたCCB調査結果では23%が年内の完全回復を予想) そして、テクノロジー企業経営層は、短期の自律的成長(オーガニック成長)は難しいと予想している一方で、彼らの51%は成長を維持するため今後1年間でM&Aを行う計画があると回答しています。
しかし、こうした楽観論に影を落としているのが、競争が激化しているM&A市場、および現在も続く地政学的緊張です。回答した経営層の78%が、今後1年間で対象アセットの入札プロセスにおける競争、主にプライベートキャピタルからの競争が、より激しくなると見込んでいます。一方、経営層の81%が、地政学的な難題によって自社の戦略的投資を変更せざるを得なかったと考えています。
テクノロジー人材確保および長期的価値創造に向けた施策が最優先課題
コロナ禍によって、優秀な人材確保に関するテクノロジー企業の考え方が変化したことが、本調査結果より判明しました。リモート勤務の働き方が進んだことで、企業は人材を確保する数多くのチャンスを得ています。本調査に参加したテクノロジー企業CEOの82%が、コロナ禍によって将来のオペレーションモデルの在り方に対する考えが変化したと具体的に述べています。これとは別に、91%のCEOが、従業員が戦略のレビューに影響力を持っていると述べています。
経営層は人材確保という課題を越えて、どうすれば現在のビジネス環境で自社の事業を将来も発展させることができるかという、より広い課題に関心を向けています。調査に参加した全テクノロジー企業の77%が、長期的価値創造のより広範なストーリーを、すべてのステークホルダーに明確に伝えるのが重要だと考えています。同様に、テクノロジー企業経営層の大半(79%)が、ステークホルダーは、企業が環境や社会に与えるインパクトにより大きな関心を持っていると考えており、86%の経営層が、利益の最適化だけを目指すやり方は持続できないと考えています。
Ravidは次のように述べています。
「テクノロジーセクターに対する監視の目が、社会の信頼、プライバシー、データの使用、法規制の順守といった要因のためますます厳しくなっている中で、顧客や従業員は今、テクノロジー企業が環境変化や社会変革の先頭に立つことを期待しています。テクノロジー企業は、業績指標を進んで開示し、持続可能なオペレーション、エネルギー管理、製品の消費といった課題に対する透明性を高めることで、社内でも社外でも信頼と信用を構築することができます」
EYストラテジー・アンド・トランザクション テクノロジー・テレコム・メディアセクター リーダーの岩本 昌悟は次のように述べています。
「テクノロジーは、コロナ禍がそうであった様に事業環境や社会環境の変化に適合するために、益々進化が加速しています。今後も新たなテクノロジーの開発と、加速する進化に対応するために自社だけでは、提供しきれない技術やそれを生み出す人材の獲得が必要になってきます。日本企業も世界で進化していくテクノロジーの潮流や生み出されるテクノロジー、そのドライバーとなっているテクノロジー企業の動向に産業を問わず、注力する事が必要になってきます。求められるのは、長期的価値創造に向けて、それらを見極めて、常に一歩先手を打っておくために、今何をすべきなのかという事を常に検討しておく事です」
「EYグローバル・キャピタル・コンフィデンス調査」のより詳細な情報は、ey.com/ccbをご覧ください。
※本プレスリリースは、2021年5 月12日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版プレスリリース:
Tech megadeal market thrives despite unparalleled upheaval
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アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。
EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
EYグローバル・キャピタル・コンフィデンス調査について
「グローバル・キャピタル・コンフィデンス調査」は、経済見通しに対する企業の信頼度を数値化し、経営層がキャピタルアジェンダ(企業による戦略的な資を目的としたEYフレームワーク)を管理している傾向と手法を特定するためのものです。本調査は、世界の大企業の経営層を対象に、ユーロマネー・インスティテューショナル・インベスター社のソート・リーダーシップ・コンサルティングが定期的に行っているものです。
本調査は、世界中のEYクライアントの中から選ばれた企業、およびソートリーダーシップ・コンサルティングと契約して定期的に記事を寄稿している経営層を対象にしています。2020年11月から2021年1月にかけて、ソート・リーダーシップ・コンサルティングがEYの代理として、52カ国2,400名以上の経営層を対象に調査を行いました。うち82%がCEO、CFO、その他の最高責任者レベルの経営層でした。
回答者のセクターは次の通りです:金融サービス、テレコム、消費財・小売、テクノロジー、メディア・エンターテイメント、ライフサイエンス、病院・ヘルスケア提供者、自動車・運輸、石油・ガス、電力・公共事業、鉱業・金属、工業、先進的製造業、不動産・ホスピタリティ・建設。
調査対象企業の年間の全世界売上別構成は次の通りです:5億米ドル未満(25%)、5億-9億9,990万米ドル(26%)、10億-49億米ドル(25%)、50億米ドル以上(24%)グローバル全体の内訳は次の通りです:上場企業(60%)、株式非公開企業(40%)
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