ニュースリリース
2024年11月7日  | Tokyo, JP

「希少疾患における医療従事者の困りごとに関する調査」について

プレス窓口

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、この度「希少疾患における医療従事者の困りごとに関する調査」を未診断疾患イニシアチブ (Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases、以下IRUD)、日本希少疾患コンソーシアム(Rare Disease Consortium Japan、以下RDCJ)、日本製薬工業協会(以下製薬協)と共に企画・運営支援しました。その調査結果報告書が公開されましたので、お知らせします。

本調査は、定量調査(調査①)と定性調査(調査②)から構成されており、医療従事者の目線から、希少疾患に関する5領域(1. 基礎・応用研究、2. 開発・治験、3. 診断、4. 治療・予後管理、5. 疾患啓発)における課題を抽出するとともに、それら課題に対する各ステークホルダー(製薬業界・学会・患者団体・行政)への期待や課題解決方向性が取りまとめられています(図1)。

調査結果報告書については、製薬協の下記ページをご参照ください。

希少疾患患者における医療従事者の困りごとに関する調査 (8.65MB)
希少疾患における医療従事者の困りごとに関する調査 [資料編] (9.33MB)
 

図1 日本の希少疾患における主な課題と課題解決の方向性

図1  日本の希少疾患における主な課題と課題解決の方向性

EYSC EYパルテノン パートナー 木戸 太一のコメント:
「本調査では希少疾患に関わる医療従事者の目線から、主に研究・開発環境の整備、認知理解、人材育成に加え、基礎・応用研究における資金調達、実臨床における早期診断体制整備や、海外と比べ治療・診断選択肢の少なさが、課題感として挙げられました。また本調査で提言された『ステークホルダーへの期待』を実現するには、医療システムを支える全てのステークホルダーが一丸となり、理想像を語るだけではなく具体的なアクション・協働を進めることが不可欠であり、本調査がその契機となることを願っています。私たちは今後も希少疾患に関わる全ての皆さまにとってより良い社会の構築 (Building a better working world ) を目指してまいります」

参考

希少疾患における医療従事者の困りごとに関する調査の概要

調査①:定量調査(Webアンケート調査)
【調査期間】2024年7月25日(木)~2024年8月23日(金)
【有効回答数】327人
【調査対象】IRUD診断委員会に所属する医療従事者および同委員会より紹介いただいた医療従事者、RDCJに参画している医療従事者

調査②:定性調査(インタビュー調査)
【調査期間】2024年9月2日(月)~2024年9月13日(金)
【有効回答数】15人
【調査対象】定量調査に参加された327名のうち、協力の承諾をいただけた方

希少疾患とは

希少疾患は、疾患毎の患者数は少ないものの、全世界では7,000を超える希少疾患が特定され、総患者数は3億人に上ると推定されています。国によって定義は異なりますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)に基づいた「希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度」 によれば、その指定要件は、「対象患者数が本邦において5万人未満であること、医療上必要性が高いこと、開発の可能性が高いこと」とされています。なお、米国では20万人未満、欧州では人口1万人に患者数5人未満が基準の一つにされています。また、患者数が少ないだけでなく、重篤度が高いうえに、発病機構が不明であることから、治療法の開発が難しく有効な治療法が限られるという特徴があります。


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