「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」、「金融商品会計に関する実務指針」、税効果会計に関するQ&A及び土地再評価差額金の会計処理に関するQ&Aの改正のポイント

会計情報トピックス 大関康広

日本公認会計士協会が平成28年3月25日に公表

日本公認会計士協会(JICPA)は、平成28年3月25日に会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第10号「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」、同第11号「中間財務諸表等における税効果会計に関する実務指針」(以下、「中間税効果実務指針」という。)、同第14号「金融商品会計に関する実務指針」、「税効果会計に関するQ&A」及び「土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A」の改正(以下「本改正」という。)を公表しています。

本改正は、企業会計基準委員会から平成27年12月に公表された企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(以下「回収可能性適用指針」という。)及び平成28年3月に公表された企業会計基準適用指針第27号「税効果会計に適用する税率に関する適用指針」(以下「税率適用指針」という。)に対応するため、関連する規定の整理、字句の見直し等を行ったものです。


1. 本改正の概要

税効果会計に関連する会計基準の体系は、企業会計審議会が平成10年10月に公表した「税効果会計に係る会計基準」を中心に、JICPAから公表されている会計上の実務指針及び監査上の実務指針(会計処理に関する定め)が実務上の適用指針として定められる形となっていました。これらの実務指針については、基準諮問会議から平成25年12月にASBJへ移管するための審議を行うことが提言され、平成26年2月からASBJにおいて審議が続けられてきています。

本改正は、上記移管の一環として、平成27年12月に回収可能性適用指針が、平成28年3月に税率適用指針が公表されたことに伴い、これらのASBJ適用指針に移管されたJICPA実務指針の規定の記載の見直しやそれに伴う規定の整理等が必要となったため行われた改正であり、当該改正自体が税効果会計に関する実質的な取扱いの変更を行うものではありません。

2. 適用時期

本改正は、平成27年12月に公表された回収可能性適用指針を適用する事業年度から適用されます。ただし、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に用いる税率に関する規定については平成28年3月に公表された税率適用指針を適用する事業年度から適用されます。

なお、中間税効果実務指針については、平成28年4月1日以後開始する中間連結会計期間及び中間会計期間から適用することとされています。



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